ミナミヌマエビを発泡スチロールで繁殖させる方法と注意点
屋外のビオトープでミナミヌマエビを繁殖させてみたいけれどお金をあまりかけたくない。
発泡スチロールでミナミヌマエビの繁殖はできるのか?
発泡スチロールで繁殖される方法とコツを知りたい。
こんなミナミヌマエビの屋外飼育発泡スチロール編についてご紹介します。
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ミナミヌマエビの繁殖についてはこちらのまとめ記事をご覧ください。
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まずは容器の準備!発泡スチロールなら100均よりお得?!
まずは屋外でミナミヌマエビを繁殖させるために必要なものを揃えなければなりません。
そこで発泡スチロールを準備しますが、発泡スチロールならわざわざ購入しなくても用意できるはずです。
ネットショップなどで購入すると発泡スチロールに入れて送られてくることもありますのでその発泡スチロールをとっておけば事実上タダです。
また近所のスーパーなどでは発泡スチロールをもらう事もできます。
もし、もらうのが恥ずかしかったり、梱包用の発泡スチロールがない場合には購入することも可能です。
どこかでもらえれば100均より安くすみますが、新しいものを購入となると費用が発生するのは致し方ありません。
発泡スチロールを準備するときに大事なことは飼育スペースの都合を考えながらも出来るだけ大きな発泡スチロールを準備することです。
その理由に対してはこのあと詳しく説明いたします。
ミナミヌマエビの屋外飼育にあたって発泡スチロール以外に必要なものは底に敷く土と植物です。
今回はなるべくお金をかけずに気楽にミナミヌマエビの繁殖を楽しむことを目的に話を進めていきますので最低限必要なものだけをご紹介します。
ミナミヌマエビを飼育するだけでしたら極論発泡スチロールだけでも可能ですが、繁殖を考えるとやはり底床と植物は欠かせないものです。
水草などを水槽で育てているのであればトリミングをして余ったものをビオトープで利用すればここでもお金をかけずにすみます。
底床にはエビ用ソイルなどもありますが、赤玉土でも全く問題ありません。
底床を入れることにより底床に付着する微生物や藻類が水質浄化の働きをしたり、ミナミヌマエビの餌となります。
発泡スチロール、底床、水草などが揃ったらミナミヌマエビの発泡スチロール繁殖を始めましょう。
発泡スチロールでミナミヌマエビを増やす
まずは発泡スチロールを日の当たる屋外に設置します。
この「日の当たる場所に置く」と言う事が非常に重要なことです。
日の当たらない場所では繁殖が上手くいかないこともあります。
なぜ日の当たる場所が重要なのか?
その理由は
- 水中に微生物が繁殖しやすくなる。
- 植物が育ちやすくなる。
- ミナミヌマエビにとっても日の光は重要。
- 水温を維持しやすくなる。
屋外ビオトープでは微生物の繁殖が非常に重要で日の光を浴びて植物プランクトンや光合成細菌が繁殖し始めます。
その後、植物プランクトンなどを餌として動物プランクトンなども増え始めます。
これら微生物は水中で有機物を分解して水を綺麗にしてくれる働きや水中に酸素を作り出す働き、ミナミヌマエビの餌となるなど非常に万能や役割を持っています。
太陽の光は微生物だけではなく水草や浮き草の光合成にも必要なものです。
水草や浮き草が光合成を活発に行うことで酸素の供給や水質浄化の役割を担ってくれます。
ミナミヌマエビに限らず多くの生物は太陽の光を浴びて生命維持に必要な栄養素を作り出しています。
太陽の光が全く当たらない環境ではミナミヌマエビが元気に育たず、その結果繁殖にも支障をきたしてしまいます。
繁殖は非常にエネルギーを必要とするイベントですので親のミナミヌマエビが健康的に育つ環境を維持してあげてしっかり体力をつけてあげましょう。
他にも生物の多くは日照時間によって季節を感じ取ると言われています。
日照時間が伸びると春を感じ取り繁殖の準備に入る生き物も沢山います。
ミナミヌマエビが日照時間を感じ取って繁殖の準備に入っているかどうかのデータはありませんが、繁殖の一つの要素として取り入れた方が良いことは間違いありません。
太陽の光は水温を維持するのにも役立っています。
真夏を除いた季節には太陽の光を浴びることによりミナミヌマエビの好む水温を維持する事が出来ます。
ちなみに水温は20℃~28℃位を維持してあげるとミナミヌマエビが活発に繁殖するようになります。
このように太陽の恩恵を取り入れるためにも発泡スチロールは日の光が当たる場所におきましょう。
発泡スチロールを設置したら排水用の穴を加工します。
側面上部あたりに小さな穴を空けて排水できるようにしておくと豪雨などにより飼育水が溢れ出してミナミヌマエビが流されてしまう事がなくなります。
もしくは少し大きめの穴を空け、パイプを設置するなどの方法もあります。この時には内側からネットなどを設置して稚エビが逃げ出さないような施策が必要です。
発泡スチロールの準備が出来たら赤玉土を入れていきます。
その後水を張り、浮草や水草を入れて準備完了です。
この後最低でも1週間くらいはそのまま放置してカルキが抜け、微生物が繁殖し始めるのを待ちます。
浮き草や水草などはすぐに入れても問題ありませんが、ミナミヌマエビは立ち上げ初期に発生するアンモニアに弱いため水が落ち着いてから投入するようにすると失敗が少なくなります。
季節や気温によっても変わってきますが、濾過バクテリアなどの微生物は2週間位でしっかりと繁殖してくると言われています。
発泡スチロール繁殖の注意点とコツ
発泡スチロール繁殖の注意点とコツは
- 発泡スチロールは出来るだけ大きなものを使う
- 水草や浮き草は多めに入れる
- 水換えを頻繁にしない
- 餌を与えすぎない
- 夏には日陰を作る
などが挙げられます。
大きな発泡スチロールはそれだけ水量を確保しやすいので水温や水質が安定しやすいものです。
ミナミヌマエビなどのエビ類は高水温と水質の急変に弱いので少ない水量での飼育は致命傷を招くこともあります。
小さな容器は夏には水温が上がりやすくなってしまう。糞などにより水質が悪化しやすくなってしまうなどの問題が起こりやすくなりますので避けましょう。
浮き草や水草は量が多ければ多いほど環境が安定しやすくなります。
大きな発泡スチロールに2、3本のアナカリスなどでは水草本来の効果も期待できません。
沢山の水草を入れることで酸素の供給、水質浄化能力が格段に高まります。
また、水草や浮き草の根には微生物や藻類が付着してミナミヌマエビの餌となります。
さらに夏には直射日光を遮り、水温の上昇抑制にもなります。
水換えよりも水草や微生物の力を活かす
ミナミヌマエビは綺麗な水を好むため常に綺麗な水を維持しなければなりません。
そこで考えられる方法が水換えですが、水換えには水温の変化や水質の変化など環境の変化がつきまといます。
室内飼育では水換えにより水質維持する方法が一般的ですが、屋外飼育であれば水草や微生物の恩恵によって水質は安定しやすくなりますので水換えの頻度を減らす事ができます。
先に説明しました水草の力を最大限に活かして極力水換えをしなくて済む環境を作り上げましょう。
環境が整うと水質浄化だけでななく、ミナミヌマエビの餌も自然に確保できるようになります。
よって人工フードなどの餌は控えめにしましょう。
人工フードは適度に与える分には栄養価が高いため効果的ですが、与えすぎると水を汚す原因になりますので注意が必要です。
ミナミヌマエビの発泡スチロール繁殖まとめ
- 発泡スチロールは日の光が当たる場所に置く
- 発泡スチロールは出来るだけ大きなものを使う
- 土と水草を入れたら最低1週間は待つ
- 水草や浮き草は多めに入れる
- 水換えは極力控えて水草と微生物の力を活かす
- 夏にはよしずなどで日陰を作る
- 蓋は出来るだけしないで空けておく
今回はミナミヌマエビの発泡スチロール繁殖についてご紹介しました。皆様のミナミヌマエビ繁殖の参考にしていただけると幸いです。
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