水草肥料

水草に固形肥料や液肥は必要?入れるタイミングや魚への影響!おすすめ肥料も紹介

今回は水草の固形肥料と液体肥料についてです。水草水槽に、どんな肥料を使ったら良いのか分からない?水草に肥料って必要なの?といろいろと素朴な疑問が沸いてくるかと思います。肥料を入れるタイミングや魚への影響などについてもふれていきます。

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水草に固形肥料や液肥は必要?

そもそも、水草に固形肥料や液体肥料は必要なのか?と言う点からお話していきましょう。

陰性水草やco2を入れない水草水槽の場合

中には陰性水草のようにあまり多くの肥料を必要としない水草もあります。陰性水草の場合、肥料は必要ない!と言われる事もあります。

その理由として、水草の栄養分は何も肥料からだけでなく生体がいる場合はフンや残り餌などから【窒素】や【リン酸】が水槽内で自然発生し、こまめに水替えする事でわずかではありますが【co2】【カリウム】や【微量元素】が供給されるので栄養0にはならないからです。

*ただし、水道に含まれる硬度や成分は地域によって差がありますのでのでご注意ください。硬度とは、水道水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量でこの数値が多いほど硬度が高いと言う事になります。水質チェックをする事で確認する事ができます。

そして陰性水草などco2を添加しない水槽の場合ですが、水替え時に【水道水に含まれるco2】と【生体が出すco2】のみのco2供給となります。

水草が吸収できる栄養分は、供給されたco2と正比例します。つまりco2の供給量しだいでは【肥料なし】もしくは【極少量の固形肥料】でOKだったりするわけです。

co2を添加しない水槽の場合は、逆に光量や肥料分が多くなってしまうと後々苔に悩まされる事になりますので注意しましょう。

すでに苔が出てしまっている場合は、肥料よりも先にまずは光量を抑えたりライトの照射時間を短くするなどの対策や水質チェックなどもされると良いでしょう。

有茎草などco2を添加している水草水槽の場合

逆に、有茎草の場合は多くの肥料を必要としますので肥料は必須になってきます。液体肥料をメインとし、足りない部分を固形肥料を補ってあげる形がベストでしょう。

育成する水草の特性や育成環境により、必要な肥料の添加量・必要とされる栄養分は違いますが、多かれ少なかれ肥料は添加してあげた方が水草はスクスクと生長します。

肥料・光量・c02のバランス

肥料を与える際は、上記画像のように光量・co2・肥料のうち、いずれかだけ多くならないようにするのがキモです。【水草がすくすく育つ水槽】【苔ない水槽】にするためにはこれらのバランスが重要で、どれか一つだけ多かったり少なかったりしてもあまり意味がありません。

難しく感じるかもしれませんが、【光量・co2・肥料】にあまり差が生まれないようにするイメージです。その理由としては余った分は苔に餌になるからです。

これは、co2ありなし・陰性水草・有茎水草に関わらず、すべての水槽に当てはまります。

また水草に肥料を与える際は水草に元気がない!上手く育たない!から取り合えず肥料を与えて水草を元気にしたい!と言うイメージもあるかもしれませんが、肥料は与えるタイミングも重要です。

このタイミングを誤ってしまうと、思ったような効果が得られなくなりますので注意が必要な部分です。

水草に肥料を与える前には、本当にこのタイミングで肥料を与えるのが好ましいのか?これから説明させて頂く要因等を一度チェックして頂き、肥料はその後でも遅くはありません。

肥料以外で供給される栄養素は?

肥料以外で供給される栄養素は?下記になります。

・水道水に含まれる成分(ミネラルや微量元素)
・生体のフン(窒素・リン酸)
・残餌(窒素・リン酸)
・ソイル(水中に溶け出す栄養分)
・餌(K.Na.Ca.Feなどのミネラル←餌の種類にもよる)
・トリミング時(カリウム、硝酸などが溶け出す)

水草に肥料を入れるタイミングは?

水草が育たなくなる?原因は、何も【肥料不足】だけではありません。水草が調子を崩す時は、【光量】や【co2】だけでなく【水質】に問題がある場合も多いです。

例えば【肥料】【co2】【光量】が3拍子そろっているのに育たない??

なんて言う時は、一度水質チェックをしてみましょう。ペーハー(PH)や硬度(GH)が高過ぎたり低すぎたりしていないか?さらには、【水温】が適温になっているか?も確認されると良いでしょう。

水槽管理は、木を見るのではなく森を見る!と言う考え方と似ています。

まとめると肥料は、水草が生長するために必要な下記の◆条件がすべてそろったタイミング◆で入れてあげるのがベストです。

光量

下記は、水槽サイズごとの光量の目安です。光量は水草の種類によっても違ってきますので、あくまでも目安とお考え下さい。

◆陽性水草◆
(後景草~前景草)
◆陰性水草◆
30㎝350~700lm240~350lm
30㎝キューブ700~1000lm350~500lm
45㎝1000~2000lm500~1000lm
60㎝2000~3000lm1000~1500lm
90㎝4000~6000lm2700~3000lm
120㎝5000~8000lm3000~4000lm

co2

・co2添加は、添加後にPHが1下がるくらいが目安になります。

ペーハー(PH)

PH(ペーハー)とは

*例として、弱酸性を好む水草であればpH5.5~6.8くらいが目安になります。育成される水草が好むPHにしてあげましょう。

硬度(GH)

一般的な水草は、軟水を好むもの多いですが、中には硬水を好む水草もあります。育成する水草に合わせ適した硬度(GH)に合わせてあげましょう。

GH(硬度)とは?

1~3:軟水
4~6:弱軟水
7~9:硬水
10~:強硬水

水道水に含まれる硬度は、地域によりバラつきがあります。下記画像をご参照頂き、お住まいの地域の硬度をご確認下さい。

引用画像 全国の硬度
参考URL:東京大学

全国の水道水の硬度を見ると千葉・埼玉が最もレッドゾーンとなり、続いて東京・熊本・徳島・香川・栃木も硬度が高めなのが分かります。逆に北海道を始め、日本海側の硬度はそれほど高くはありません。

このように硬度の高い地域でアクアリウムをする場合は、水質と言う意味ではかなり難易度が上がってしまうのがデメリットになりますね( ノД`)
*この場合は【浄水器】などを上手に利用し、硬度を下げた水道水を使用するなどの工夫が必要になってくるでしょう。

適正水温

水草の適正水温は、20~28℃くらいになります。冬場や夏場の急激な温度変化にお気をつけください。

炭酸塩硬度(KH) 以外と落とし穴

炭酸塩硬度(KH)は、3以下くらいを目安にされると良いでしょう。あまり少なくてもPHショックのリスクがありますし、高すぎるのも良くありません。(特に、KH 0に注意しましょう)
*水道水でKH3くらいですが、石組み水槽になるとKH4以上になります。

KHはPH(ペーハー)による衝撃を緩和する作用もあります。もし水槽内に酸性やアルカリ性に傾けるものが入って来ても、KHがある事でPHの急変を抑えてくれてます。

KHとは?

ただしKHは無限に水槽内にあるわけではなく、常にPHを調整して行く上で消費されていくものになります。怖いのはKHが【KHが0】になってしまった時です。

万が一KHが0になってしまうと、PHの降落や上昇を抑えられなくなりPHが一気に急降下・急上昇してしまいます。

つまり生体がいる水槽でKHが0になってしまうと、一瞬の間にPHショックが起こります。調子の良かった生体がいきなりポツポツ☆になったり、環境の変化に弱い水草などは溶けてしまいます。この場合は、KHが0になった可能性大です。

KHがO

KHはアルカリ度の指標でもあり、PHと比例するため基本的にPHが異常値でなければ、毎回KHをチェックする必要はありませんが定期的に測った方が良い項目ではあります。

特に注意が必要な水槽は、生体がいる水槽で石やサンゴなど特に硬度をあげる要因が何もなく◆ただひたすらKHが消費され続ける◆水槽です。

ガランとした水槽に大きな生体メインで飼っている場合も、KHに注意してあげないとあるタイミングを境に突然☆になってしまう事もあります。KHの存在を知らないと原因不明で片付けられてしまう事もあるかもしれません・・。

このようなKHが消費されやすい水槽で生体を長期管理していていると、早くて3~4ヶ月もしくは半年・長くても数年でKHが0になりPHの乱降下が起こります。

水替えをする事で、水道水内に含まれるKHの影響で一時的にPHやKHも上昇します。しかし、またすぐにPHが下がってしまうなどPHの調整が難しくってきたら要注意です、水草や生体が手遅れになる前に、KHは定期的にチェックしておくのがベストです。

このようなKHに問題がある水槽に新たに生体や水草を追加した場合も、とんでもない事態を招きます。ショップ内の水槽環境との開きがあり過ぎるため、生体を水槽に入れたとたんクルクルまわり出し☆になったり環境の変化に敏感な水草は溶けます。

水草に元気がない=肥料ではない

水草に肥料を与えるタイミングは、【元気がない=肥料】ではありません。肥料をご飯に例えると、調子の悪い時に目の前にズラーっと料理が並んでもまず食べられません。

これと同じで、体調不良で食欲のない時に肥料を施してしまうのは実にリスキーです。何がリスキーなのか?調子の悪い水草は栄養を充分に吸収できないからです。そして、水草が吸収できなかった栄養分はすべてコケの栄養分になってしまいます。

実に恐ろしい事態を招きます(´;ω;`)

結果として水草が肥料を求めていない時に、液体肥料(栄養剤)を添加しても水槽内の環境を悪くしてしまうだけで逆効果になってしまう訳です。

肥料は基本的に、弱っているから与えるのではなく水草が元気に育っている時にこそ適量与えるのがベストです。

水草に元気がない原因は肥料不足の場合も勿論ありますが、一番多い原因として上記のように水質に問題があるケースがかなり多いです。

ペーハー(PH)や硬度(GH)これらに問題がないか?を肥料を与える前に、上記でふれた◆水草が育つ条件◆を確認してみてください。そして肥料は最終手段と考えるのがベストでしょう。

ただし本当に栄養不足で水草の調子がいまいちな場合も当然あります。例えばソイルの寿命切れなどがこれに当たりますが、この場合は肥料を添加する事で水草が元気になります。

◆新しく水草を購入した場合

新しく水槽内に水草をお迎えした場合も同様で、まず環境に慣れるのが先になります。特に液体肥料を添加するタイミングとしては、発根や新芽が展開を始めたタイミングと言う事になります。

水草に肥料を与える際のコツと注意点

肥料は水草が育つ条件を満たしてから与える!と言う事が分かった所で、次は肥料を与える際のコツや注意点についてもふれていきましょう。

水草が吸収できる肥料の量は?

肥料は与えれば与えた分だけ、水草が吸収できるわけではありません。実際に水草がどれだけの肥料を吸収する事ができるのか?は、【光量】や【co2】のバランスによっても左右されます。

それは水草が肥料を吸収できる量は、下記の中で一番低いものにフォーカスされるからです。

ドベネックの桶-肥料、co2、光量

上記画像を例に取ると、光量や肥料は高いですがそれに対しco2が一番低いです。一番低いco2の所で桶の中に入っている水が流れ出ています。つまりこの場合、水草が栄養として吸収できる量は桶(おけ)の中に残っている水の量と比例します。

この場合co2の高さまでの栄養分しか水草は吸収する事ができません。ここで余った光量や肥料は苔の餌になります。

①光量②co2③肥料はバランスが重要と言うのは、このためです。これはリービッヒの最小律【ドベネックの桶】に基づいた解釈で、農芸の基本原理となっています。

つまり、やみくもに肥料を入れても【光量】や【co2】が低い状態だと肥料が余り過ぎてしまい苔の餌です。図からも分かるように、低い部分を補って底上げするように環境を整えてあげる事が重要と言う事になりますね。

上記を例にとると、この場合はco2添加を増やしてあげる事で水草がさらに多くの肥料を吸収できるようになるわけです。

このように一つでも低い要因があると、狙ったように水草が生長しないと言う事になります。

有茎草などは肥料食いの水草も多く、その分光量やco2も必要になります。この場合光量やco2をしっかりと入れるのであれば、それに合わせて肥料も多く入れてあげる事で水草がグングン育ってくれます。

だからと言って、規定量以上の肥料をあげてしまうのは問題があります。その場合は、光やco2添加量を落とすなどして①光量②co2③肥料のバランスを取りましょう。

光量についても同じで、ただやみくも強い光を照射すれば良い!と言うものではなく、育成水草に合わせて適正光量を当ててあげる事がポイントになります。

最終的にこれらを過不足なく補う事で、水草が栄養を吸収できる量が格段に上がります。

そして陰性水草でco2添加なしの場合は、必然的に光量は少なめにする必要がありそれに合わせて肥料も少なめにする事でバランスがとれるわけです。

よってco2添加なしの水槽は水替えでco2供給を促したり、エビやオトシンなどの生体を入れる事でco2カバーするのが良い方法となります。

陰性水草は生長が遅いぶん苔の被害に合いやすいので、エビやオトシンなどは苔取り生体としても活躍してくれる事でしょう。

肥料をあげているのに水草の調子が上がらない?

これは上記の復習になりますが、肥料をあげているのに水草の調子が上がらない場合は?

上記でふれた◆水草が育つ条件◆をもういちど確認してみましょう。

この場合は【肥料】は与えていますので、他の要因でもある【光量】や【co2】【水質(GHやPH)】【水温】などが滴定範囲内なのか?をまずは確認してみましょう。

肥料は水草が生長する上でとても重要ですが、◆水草が育つ条件◆のいずれかに問題があるとやはり思うような結果が出にくくなります。

肥料の添加はいつが良い?

肥料は適切なタイミングで必要な栄養を水草に届けてあげる事で、水草が光合成しやすい環境が生まれます。肥料の添加するのは1日の中でいつが良いのか?それはライト点灯時と水替えのタイミングです。

水草に限らず植物にも体内時計は存在しますので、これから寝ようとするタイミングで肥料をあげても意味がないと言う事です。

ライトが点灯した時、つまり水草がこれから活動しようとするタイミングに合わせて肥料を添加してあげるのがベストです。そしてもう一つ、水替え時の肥料添加がなぜ有効なのか?と言うと水道水にはco2であったり微量元素が含まれています。

水道水に含まれるco2を始めこれらの微量元素は水草の活性を促す効果があり、水替え後と言うのは水草がの活動が活発なり葉にも気泡が非常につきやすくなります。

つまり水替えする事で水草の活動スイッチが入りやすい状態になるだけでなく、換水時に流出してしまうカリウムを水道水から新たに補う意味でも有効です。

肥料不足の見極め方

三大栄養素の中でも、一番不足しやすい栄養素は【カリウム】になります。しかし生体のいない水槽の場合は【窒素】や【リン酸】も併用する必要があります。

肥料不足の見極め方として、水草に栄養が不足すると新芽や下葉に症状が出やすくなります。一番分かりやすい症状としては、葉色の変化です。

肥料不足は生長の遅い陰性水草などより、栄養吸収量が高く生長が早い有茎草などに出やすい傾向があります。葉っぱの色がうすくなっていないか?根やランナーの伸び具合は?新芽の展開スピードや苔の有無?など毎日観察し、早めに気づいて対処する事が大切です。

どんな時に肥料不足になりやすいの?

肥料を多く吸収する生長の速い水草が入っている場合や、水草は多いが生体が少ない?もしくはいない水槽などは肥料不足になりやすくなります。

そしてソイルが劣化し効果がなくなる頃は、栄養不足になりやすいので注意しましょう。

栄養が足りない時の症状

◆下記は水草に栄養が足りない時に出やすい症状です。
・根本や下葉が全体的に黄色っぽくなる(窒素不足)
・生長点のみが白っぽくなる(カルシウムや鉄不足)
・生長点のみが黄色っぽくなる(鉄不足)
・生長点の白化に加え根張りも悪い(カルシウム不足)
・古い葉・下葉が白くなる(カリウム不足)
・下葉が全体的に黄色くなり、葉が縮んだりシワっぽくなる(カリウム不足)
・葉に黒点がでている(カリウム不足)
・生長点の萎縮が見られる(リン酸不足)
・新芽やランナーの伸びが悪い(リン酸不足)
・葉脈は緑だが下葉全体が黄色っぽくなる(マグネシウム不足)
*栄養吸収量が多い水草は特に栄養不足になりやすい傾向があり、肥料不足になるとトリミング時の生長も遅くなりがちです。

栄養が多過ぎる時の症状

◆下記は栄養が多過ぎる時に出やすいの症状です。
・葉っぱが平均サイズより大きくなり過ぎる
・全体的に茎間が長くなる
・生長が早過ぎてトリミングが大変になる
・余分な栄養は苔や藻の餌にもなるので苔天国になりやすい

co2が多過ぎる時の症状

◆co2が多過ぎる時に出やすい症状
・葉が平均サイズよりも細くなる

液体肥料か固形肥料どっちがいいの?

肥料には固形肥料と液体肥料がありますがどっちが良いのか?どう使い分ければ良いのか、それぞれもメリット・デメリットについてもふれていきましょう。

基本的には即効性があり、水草が必要としている栄養分を状況に応じて微調整しやすい液体肥料の方がおすすめです。

ただ液体肥料だけでは完璧に補い切れない部分もあります。そこで液体肥料で足りない部分は、固形肥料で補っていくようなイメージになります。

水草は葉だけでなく根からも栄養分を吸収します。つまり、葉っぱへの栄養補給は液体肥料で、根からの栄養補給は固形肥料の方が優れていると言う事になります。

液体肥料のメリット・デメリット

液体肥料の最大のメリットは即効性がある点や、その場の状況に応じ水草に足りない栄養素を瞬時に届けてあげられる点です。栄養分の微調整がしやすいため、水質だったり水草の症状に合わせた対処がしやすいメリットがあります。

例えばGH(硬度)が高めの水槽や、水槽内に苔が生えている場合・生体が多く入っている水槽などは【カリウム】だけを選んで添加する事が可能です。

有茎草の赤みを足したい時はさらに鉄分(fe)を添加したりする感じですね。肥料も【窒素あり】と【窒素なし】に分かれてますので、水質や生体の量を加味にた上で液体肥料を使い分ける事が可能になります。

次にデメリットですが、いろんな種類の水草を入れている場合は、栄養吸収量の多い水草もあればそうでない水草もあります。

この場合は肥料食いの水草が率先し肥料を吸収してしまいますので、すべての水草に栄養分を行き渡らせる事が難しくなります。こんな時は固形肥料を併用する事で、すべての水草に栄養分を届ける事ができるわけです。

液肥で足りない部分は固形肥料で補うとはこうゆう事を指しています。

*すべての水草に栄養を届けようと、液体肥料をさらに添加してしまうと【苔の原因】にもなりますので入れ過ぎには注意が必要です。

とは言え、仮に液体肥料を入れ過ぎてしまった場合は、水替えで肥料成分を外に出し調整しましょう。固形肥料の場合はいったん底床に埋めたら、取り出せませんからね(´;ω;`)

固形肥料のメリット・デメリット

例えばいろんな種類の水草を入れていて、その中には栄養吸収能力の高い水草が入っている場合があるかと思います。

この場合は生長したいのに生長できない?ゆっくり系の水草達のために、底床に固形肥料を施してあげるのが有効です。よって根からも栄養分を吸収できるようになるので、水草がスクスク生長できるようになると言うメリットがあります。

例えばクリプトコリネ・アヌビアス・ブセファランドラなどの陰性水草であったり、エキノドルス・ロータス・そしてアポノゲトンや睡蓮などの球根系の水草などには固形肥料が非常におすすめです。

次に、立ち上げ初期などにソイルなどを入れている場合です。ソイルと言うのはメーカーごとに違いがありますが寿命がありますので、そのソイルの栄養分が切れてきた頃を境に枯れだす水草が出てきます。

つまり底砂から栄養分がなくなり出すタイミングを見計らって、固形肥料を追肥として与える事になります。どんなソイルを使っているかにもよりますが、ソイルのパッケージに記載されている寿命などを事前に把握しておくと良いです。

*各メーカさんのHPなどから、確認されても良いでしょう。

またソイルではなく、砂や大磯砂などの砂利で水槽を初期で立ち上げる場合も固形肥料を使います。これらの底砂は栄養を含んでいませんので、元肥としてあらかじめ底床に固形肥料を混ぜ込むと言う使い方をします。

その後はソイルと同様で、肥料の効果がなくなる頃を目安に水草の様子を見ながら追肥していく感じになります。

固形肥料は、液体肥料のように毎日添加するといった手間がない点もメリットではありますが・・。

固形肥料のデメリットとしては中に入っている栄養成分を細かく調整しずらい点や、メーカーによってどんな成分が入っているのか分かりづらかったりするものもあります。

また一度底床に入れてしまった肥料は、後で取り出す事ができない!と言った点もデメリットとあげられます。

肥料の投与量

肥料の投与量ですがそのまま規定量を与えてしまうのではなく、水槽内の環境は水草や生体の量もバラバラですので規定量でOKな場合もありますが、中には規定量では多過ぎる場合もあります。

めちゃくちゃ水草がモリモリ茂っている水槽であれば規定量でも問題ないかもしれませんが、水草が少しの水槽に規定量与えてしまうと余った栄養が苔の餌となってしまいます。

各メーカーさんに記載されている肥料の規定量は、あくまでも目安として考えたほうが無難です。

良く分からない場合など、まずは規定量の半分・もしくは3分の1くらいから添加してみると良いでしょう。その肥料が効いているのか?の判断ですが、1週間~2週間くらいは同量を与え様子をみて下さい。

生長の速い水草ほど効果の実感が早い傾向がありますが、種類によっては添加後1~2週間の間はそんなに大きな変化が見られないものもあります。

1~2週間は毎日同じ量を添加し、様子を見ていきましょう。葉の色に変化、新芽の展開ぐあい、ポロポロと浮いてくる葉がないか?苔は出ていないか?など水草の変化を観察します。

短い期間で肥料をどんどん増やすのではなく、肥料を増やすタイミングは1~2週間間隔くらいにしておくのがベストです。

発根や新芽の展開が見られ葉色も良くなり水草の状態が上がっているようなら、少しづつ増やしていきましょう。ただし水草の量によっては、何も規定量まで入れなきゃいけない訳ではありません。

また生体がいる水槽と、水草のみの水槽では必要とされる肥料成分にも違いが出てきます。

例えば、植物の三大栄養素には窒素・リン酸・カリがありますが、生体がいる水槽内では窒素やリン酸は自然生成されます。よって生体が多くいる水槽では【窒素なし肥料】の方が向いています。

この場合はカリウムが不足しやすいため、主にカリウムを添加してあげましょう。

逆に水草のみの水槽は、【窒素あり肥料】と言った具合に上手に使い分けされると良いですね。

魚への影響は?

今は、生体に影響しない自然素材のみで作られた肥料もあり安心して添加できる肥料も多く市場に出てきています。

環境の急変に弱いエビなどの生体がいても問題なく使える【イニシャルスティック】や100%天然素材の【水草一番 水草栄養ブロック】などの肥料を選ばれると良いでしょう。

生体への影響ですが、即効性のある液体肥料よりもゆっくりと効果があらわれる固形肥料の方が生体への影響は少ないです。液体肥料は、即効性があるだけに水質が急変しやすい傾向がありますので極少量をこまめにが基本です。

環境の変化を非常に嫌うデリケートなエビ水槽の場合は、やはり液体肥料より固形肥料の方が安心です。

水草におすすめ肥料は?

水草の液体肥料・固形肥料

三大栄養素でもある【リン酸】や【窒素】は、ソイルから溶け出したり生体がいる水槽で魚のフンや残り餌などから自然生成されるので基本的にあまり必要ありません。この中で一番不足してしまう栄養はつまり【カリウム】になります。

水槽内では、この【カリウム】が不足してしまう状況になりやすいと言えます。他には鉄分や微量元素などもありますが、まずは【カリウム不足】にならないように注意してあげましょう。

カリウムは根っこを発根させたり、栄養分の吸収を助けたり光合成時にも必要な必須栄養素になります。

おすすめの液体肥料

下記は、おすすめ液体肥料になります。

Power Keep カリウムに補給に便利

リベラのpower keepは、プッシュタイプの【カリウム】液肥になります。水槽内で不足しがちのカリウムや炭酸塩の補給にとても便利です。カリウムは、光合成を促進し生長を促す作用があるので気泡が良く上がるようになります。

成分:鉄分・炭酸塩

水草の活力素 メネデール 鉄分補給に便利

【メネデール】は水草が吸収しやすい二価鉄と言う形で入っています。水で100倍に薄め、約1週間~10日に1回添加する【鉄分】になります。メネデールに含まれる鉄分は、新芽や発根を促し赤系の水草の発色を良くする作用があります。

ただし赤葉をより赤くするには鉄分ももちろん重要ですが、同時に光量やco2の供給のバランスも大切です。鉄分が不足してしまうと、生長点の葉の色素が抜け白っぽくなったり黄色く変化したりします。

またメネデールは水が濁ったりして汚れる心配もなく、生体がいる水槽でも安心して使用する事ができホームセンターなどでも入手しやすいメリットがあります。

*園芸のメネデールもありますが、メーカー様がおっしゃるには中に入っている成分は全く同じものなのでどちらを使われても問題ないようです。

成分:鉄分・微量元素

マメデザイン マメアイアン 鉄分補給に便利

こちらのマメデザインさんの【マメアイアン】も二価鉄で水草が吸収しやすいタイプで入っています。すべての生体に安心して使用する事ができ新芽の展開や発根、赤系水草の発色を促す作用があります。

ボトルタイプで添加量も分かりやすく、添加の目安としては淡水の場合は飼育水10Lに対して1mlを週に2回添加します。

成分:鉄分・ビタミンC(防腐剤として)

ADA ブライティーシリーズ

ADA製品は、ブライティーシリーズが有名です。ADA特約店でしか購入できないと言うデメリットはございますが、用途ごとに液肥が分類されているので使い分けする際にとても便利です。

・ニュートラルK(PHやKHを上昇させないカリウム)
*【使用例PHを上げないタイプなので、立ち上げ初期などの水槽であればこちら。
・ブライティK(カリウム)
*【使用例しばらく管理した水槽で、PHが酸性に傾いてきた頃であればこちら。
・ニトロ(窒素)
・ミネラル(微量元素)
・アイアン(鉄分)
赤系の水草の発色を良くしたい時などに使用。

おすすめの固形肥料

下記は、おすすめの固形肥料になります。

イニシャルスティック

エビ水槽にも使用できる!

水草固形肥料と言えば、言わずとも知れたイニ棒【イニシャルスティック】で栄養分が底床でゆっくりと溶け出すタイプです。アクアリストの中でも定番中の定番肥料になります。エビなどがいる生体にも安心して使用できます。

しかしエビがいる水槽の場合、イニ棒の埋め方が浅いと原料の草木灰じたいがエビの餌にもなるため見事にエビが爆食します。底床に埋める際は、エビに見つからないよう深めに埋め込むと良いしょう。

使用例としては栄養分を含まない底床で水槽を立ち上げる際の①元肥にしたり②追肥として使用③水草の特性に合わせてピンポイントに使用する際などに向いています。

イニシャルスティックの原材料は主に草木灰ですが、メーカーの方で詳しい成分開示まではされていません。ただ成分を調べるとほぼカリウムが主成分になっています。*その他には、鉄・マンガン・有機物含有

窒素・リン酸などはないに等しいので生体のいる水槽に【カリウムを添加】したい場合などに有効です。

デメリットとしては、本社であるドイツの水質(硬度高い)に合わせて作られている点です。

つまり高い硬度に合わせて作られていると言う事は、必然的にカリウムも多く含まれている事が予想されますので規定量入れてしまうと多過ぎる可能性が高くなります。

*特にイニシャルスティックは入れ過ぎた際に、後から取り出せないため苔防止の観点からも【入れ過ぎには注意】が必要です。

よってお勧めの肥料ではありますが規定量の添加は避け、4分の1もしくは3分の1程度の使用で水草の調子を見ながら行うのがベストと言えましょう。

水草一番 水草栄養ブロック

エビ水槽にも使用できる!

【水草一番 栄養ブロック】は、初心者に方にもおすすめの固形肥料です。100%天然素材からできている固形肥料なので超水質に敏感でデリケートなエビを始め魚への影響が心配な方でも安心して添加する事ができます。

イニシャルスティック同様、エビが食べてしまうほどなので深めに埋め込むのがコツですね。また、この水草栄養ブロックは魚に安心なだけでなく水草達の反応も非常に良いです。

効果はゆっくりと長期(1錠で1か月)に渡って持続し、根腐予防や濾過バクテリアの活性も促してくれます。デメリットとしては、肥料を埋めた部分のソイルをいじると水が濁る点ですね。

掃除をする際は底床用ホースなどを使用し、静かに吸い上げると良いでしょう。

成分
・カリウム
・マグネシウム
・ビタミン
・ミネラル

カミハタ OKOSHI

【カミハタ OKOSHI】は、お菓子の(雷おこし)のように粒状になっていて有機樹脂でコーティングされた固形肥料になります。底床で肥料成分がゆっくりと溶け出すタイプです。

使用料は、15ℓあたりに1個と言う記載があります。

成分
・窒素13%
・リン酸5%
・カリウム9%
・マグネシウム1.5%
【その他の微量元素】
・鉄
・ホウ素
・マンガン
・銅
・亜鉛
・モリブデン

上記を見て分かる通り、水草に必要な成分が含まれているのが分かりますね。カリウムだけでなく窒素やリン酸も不足しやすい、生体のいない・もしくは生体少ない水槽であれば【カミハタ OKOSHI】の方が向いています。

もしくは栄養を多く吸収するような水草などに、臨機応変にはなりますが補助的に使用されても良いでしょう。

使用上の注意点としては、しっかり深く埋めないと水が濁ってくる点や水温が高いと肥料が溶けやすくなる点です。

そして、こちらの肥料はサイズが固定されている為、もしサイズが大きいと感じる場合はニッパーなどで切って頂いても良いのですが非常に硬いのでケガされないようにお気をつけ下さい。

もしくは【OKOSHI】は水に漬けておく事で、粒がバラけやすくなります。いったんバラしてから埋めても良いでしょう。

まとめ

肥料はバランスが大切

肥料を与える際は、水草が育つ下記の条件を満たしている事をますば確認しましょう。

・適正光量
・co2(添加後にPHが1下がるくらいが目安)
・ペーパー(PH)
・硬度(GH)
・適正水温

これらの条件がすべてそろった上で、肥料を与える事で初めて本来の効果を発揮します。どれか一点でも欠けてしまっては、せっかくの肥料が吸収されなくなってしまいます。

肥料選びのコツ

水草が必要としていない栄養素を+αしても苔の栄養になるだけで思うような効果が実感できません。

水槽内の環境や育成する水草に合わせ、足りない栄養素をピンポイントに補ってあげる事で、自ずと水草はすくすく生長してくれるようになります。

おすすめの液体肥料&固形肥料なども紹介させて頂きましたが、どれでも良いわけではなくちゃんと水槽内で足りていない栄養素が入っている事が大切です。

窒素やリン酸であれば生体がいる水槽では補う事が出来ますが、【カリウム】や【微量元素】といったものはどうしても足りなくなってきますので肥料から補ってあげる必要があります。

その他のチェックポイントとしては?
・水槽立ち上げ初期なのか?
・生体がいる水槽なのか?(窒素・リン酸の有無)
・底砂に使うのはソイルなのか砂なのか?
などによっても、違ってきますね。

これらを考慮して、肥料選びをする事で苔の原因となる無駄な栄養素を水槽内に入れなくて済みます。これらの点を踏まえた上で、これからの肥料選びの参考にして頂ければと思います。

長くなりましたが、最後までお付き合い頂きどうも有難うございました♪

それでは、引き続き素敵なアクアライフをお過ごし下さいませ(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)

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