ホテイアオイ(ホテイ草)の根を切る 切る理由と切る時の注意点

ホテイアオイ(ホテイ草)はビオトープなどに用いられる浮草として非常に人気のある水草です。
また非常に丈夫な水草で夏になるとどんどん増えていきます。
今回はそんなホテイアオイの根の手入れに焦点を絞って話を進めていきましょう。
ホテイアオイの根にはどのような役割があるのか?
またその根を切る理由や切る時の注意点についても合わせてご紹介いたします。
目次
ホテイアオイの根の役割
ホテイアオイの根には根本来の役割である水分や栄養分を吸収することは勿論のこと浮草として全体のバランスを取る役割もあります。
さらに光合成を行い水中に豊富な酸素を供給します。
ホテイアオイによって水中の溶存酸素量が高まることにより水中に生存する全て生物の活性が高まります。
植物プランクトンや動物プランクトンなどが活発に働きだすと水質の浄化やメダカの餌になるなど多くの恩恵をもたらしてくれるのです。
また、メダカなどにとってはホテイアオイの根が隠れ家になったり、強い日差しから身を守ってくれる日除にもなります。
さらに産卵時期には卵や稚魚を守ってくれる役目もありますのでホテイアオイの根は色々な役割をもっているのです。
そんなホテイアオイの根ですが、長年育成をしているとカットしなくてはならない時もあります。
どんな時にホテイアオイの根を切るのでしょう。
ホテイアオイの根を切る理由
ホテイアオイの根を切る理由には環境維持のためのカットと人の都合によるカットがあります。
環境維持により根を切る理由は根が伸び過ぎて水中を占有し過ぎてしまう時です。
ホテイアオイは他の生物のご機嫌を伺いながら成長するわけではありませんので飼育環境に対して成長し過ぎてしまうこともあります。
そうなると水中を泳いでいるメダカにしてみれば遊泳スペースが少なくなり窮屈になるうえにあまりにも根の勢いが凄過ぎると根に絡まって脱出できなくなってしまうこともあります。
そのような状況にならないようにホテイアオイの根のカットを行います。
次に人の都合によるカットとは見た目的に短くしたいや繁殖力を抑えたいから短くしたいなどです。
ホテイアオイは根から栄養吸収を行うので根をカットして短くしてしまえば成長スピードを落とすことができます。
ホテイアオイの根は切っても問題ないのか
ホテイアオイの根は切っても問題ないのか?
また、切る時に注意することはあるのかについてもご紹介いたします。
ホテイアオイの根を切るには色々な理由がありますが、いざ根を切るとなると本当に切っても大丈夫なのか?
そんな疑問も出るでしょうが、根を切ることは全く問題ありません。
極端な話、手でむしり取るように間引いてもホテイアオイにはほとんど影響はないくらいです。
カットする長さに対しても特に注意することはなく短くしてもすぐに新しい根が生えてきます。
ただ、あまり短くしすぎると葉とのバランスが取れなくなり傾いてしまうこともありますので根をカットする際は少しずつカットして水に浮かべてみてどのくらいカットしたらバランスが取れなくなるのかを確認しながらカットすると良いでしょう。
根を切る時の注意点としてもう一点は根を切ると花が咲きにくくなることを理解しておくことです。
ホテイアオイは綺麗な花をつけますので花を楽しみたい人は根を切るのはやめておきましょう。
根を切る時期も考慮する
ホテイアオイは先にも述べましたが、気温が高くなり太陽の光が強くなる夏に非常に旺盛に成長します。
逆に気温が下がる冬には枯れ込んだ姿になります。
秋から冬にかけて枯れ込んだホテイアオイは見た目にもあまり綺麗ではないのでそのような時期に綺麗にしたいという気持ちも分からなくもないですが、ホテイアオイの成長がほとんど止まっているような時期にはカットなどはせずにそっとしておいてあげましょう。
根を切るのに適している時期はホテイアオイの成長が良い時期です。
ホテイアオイが元気な時なら根をカットするダメージやストレスにも適応することができます。
ホテイアオイの根を切ると環境が変わる
ホテイアオイの量やホテイアオイ以外にも水草や水生植物が植えてあるかによっても変わってきますが、ホテイアオイの根を切ると水質の変化が起こることもあります。
ビオトープなどで沢山のホテイアオイが育っているとそこにホテイアオイを含めた生態系が必ずできています。
その生態系の一つであるホテイアオイの成長が鈍るわけですから環境のバランスは少なからず変わります。
メダカなどの生体が多い環境では水が汚れやすくなることもありますので根のカット直後は水の汚れ具合もこまめに確認しましょう。
もし前よりも水が汚れやすくなった時には水換えの頻度を増やすなどして対応しましょう。
ホテイアオイは根だけでも育つか
ホテイアオイの根をカットすると根の先端が必然的に余ってしまうものです。
このカットした根を捨てるのは少々勿体ない。
もしかしたら根だけでも水中に沈めておけば新しいホテイアオイが生えてくるのではないか?
そんな疑問が出てくるかもしれませんが、結論から言えば根だけではホテイアオイは成長できずに枯れてしまいまいます。
植物には栄養を吸収する根の役割、吸収した栄養を運ぶ茎(維管束)の役割、栄養を使って光合成を行う葉の役割と役割がしっかり分かれています。
苔類などは細かくカットしても増殖することができますが、ホテイアオイのような高等植物にはそのような機能は備わっておりません。
カットした根は勿体ないと思うかもしれませんが廃棄処分するしかありません。
今回はホテイアオイの根のカットについてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただけると幸いです。
ホテイアオイについてまとめましたので合わせてご覧ください
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