ヤマトヌマエビ飼育は水質に注意!pH・塩素・アンモニア
ヤマトヌマエビ飼育の注意点を知りたい。
ヤマトヌマエビの死ぬ理由がわからない。
ヤマトヌマエビ飼育におけるpHや水質の重要性を知りたい。
飼育における水質と飼育数の関係を知りたい。
こんなヤマトヌマエビ飼育の中でも特に重要な水質の疑問点についてお応えします。
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ヤマトヌマエビについてはこちらのまとめ記事をご覧ください。
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ヤマトヌマエビ飼育水質の注意点
ヤマトヌマエビは初心者でも飼いやすく水槽内のコケを食べてくれるヌマエビとして人気があります。
そんなヤマトヌマエビですが、実は非常にデリケートな面を持ち合わせており、ちょっとしたミスでぽっくりと死んでしまうこともあります。
ヤマトヌマエビの飼育における注意点とは
- ヤマトヌマエビはpHショックに弱い。
- ヤマトヌマエビは塩素に弱い。
- ヤマトヌマエビはアンモニアに弱い。
- ヤマトヌマエビは水質悪化に弱い。
- ヤマトヌマエビは高水温に弱い。
- ヤマトヌマエビは酸素不足に弱い。
- ヤマトヌマエビは水温の急変に弱い。
ざっと考えただけでもこれだけの注意点が挙げられます。
注意点は水質だけではありませんが、ヤマトヌマエビ飼育に対して飼育水の管理の重要性がなんとなく理解できるはずです。
厄介な事にここで挙げた問題のほとんどが「目には見えない問題」です。
そのような理由からヤマトヌマエビを死なせてしまう人の多くはヤマトヌマエビがなぜ死んでしまうのかわからないまま同じことを繰り返してしまうことがあります。
そんなことにならないようにヤマトヌマエビ飼育における水質の重要性をしっかり理解しておきましょう。
ヤマトヌマエビ飼育における水質の重要性
ヤマトヌマエビ飼育における水質の重要性について先に挙げました問題点を一つずつ解説していきます。
まずは「ヤマトヌマエビはpHショックに弱い。」
この問題が起きやすいのが水槽投入時です。
水にはpH(ペーハー)と呼ばれる指標があります。
pHとは水素イオン濃度の略称であり、水の中の水素イオンの濃度を指します。
簡単に言うとその水が酸性か中性かアルカリ性かを見極める指標です。
pHについて詳しく知りたい方はネット上で検索をしてみると詳しく書かれたサイトが沢山ありますのでそちらをご覧ください。
ここではpHについては詳しく触れずに話を進めます。
例えば弱酸性の水で生活していたヤマトヌマエビを急に弱アルカリ性の水に入れるとこのpHの違いにびっくりしてしまいます。
これがpHショックです。
ビックリするくらいならいいのですが、このpHショックによってヤマトヌマエビが死んでしまうこともありますので気をつけなければなりません。
pHショックを防ぐには水槽投入時の水合わせが重要となってきます。
ヤマトヌマエビの水合わせについてはこちらのページをご覧ください。
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次の「ヤマトヌマエビは塩素に弱い。」
これは水道水に含まれるものです。
塩素には消毒作用があるため水道水には人体に影響の無いレベルで微妙に含まれています。
この塩素がヤマトヌマエビにとっては塩素中毒を起こす原因となってしまいます。
塩素中毒を防ぐには水槽に入れる水に対してカルキ抜きを行うようにしましょう。
「ヤマトヌマエビはアンモニアに弱い。」と「ヤマトヌマエビは水質悪化に弱い。」については合わせて話を進めます。
アンモニアは餌の食べ残しや生体の排泄物などが分解されて発生します。
水槽内では目には見えませんがバクテリアの働きにより常に水質の変化が起きています。
餌の食べ残しや排泄物が溜まるとバクテリアの働きによりアンモニア→亜硝酸→硝酸塩などの物質へと変化していきます。
この分解の働きが正常に機能していれば問題ないのですが、濾過バクテリアが不足しているとアンモニアが蓄積しヤマトヌマエビがアンモニア中毒を起こし死んでしまいます。
アンモニア中毒が起きやすい状況とは
- 水槽立ち上げ直後でバクテリアがあまり繁殖していない時期。
- 飼育者の管理ミスで濾過バクテリアにダメージを与えてしまいバクテリアが減少してしまった時。
- 餌を過剰に与えすぎてバクテリアの分解が追いつかない時などに起こりやすくなります。
また、アンモニアは弱酸性の水質では毒性が弱く、pHが弱アルカリ性に傾くと毒性の強い物質へと変化するためヤマトヌマエビを飼育する水槽では水質を弱酸性に保つことでアンモニア中毒を予防することもできます。
水槽立ち上げ直後の問題はヤマトヌマエビの投入を遅らせる事で対策が出来ます。
水槽立ち上げ後にパイロットフィッシュを入れ、水ができあがってからヤマトヌマエビを入れるようにする事でアンモニア中毒を避ける事ができます。
バクテリアの急激な減少時には水槽に油膜が発生する事が多くなります。
そのような状態になってしまったら油膜対策を早急に行う事が大切です。
油膜対策についてはこちらのページをご覧ください。
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また濾過バクテリアについてはこちらのページにて詳しく紹介していますのでご覧ください。
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餌の与え過ぎによる問題は水質の悪化にも大きく関係してきます。
餌を与えすぎると食べ残された餌が腐敗し水を汚します。
この時に有機物が分解され、アンモニアが蓄積する場合もあれば、速やかにアンモニアが分解され硝酸塩として蓄積する場合もあります。
硝酸塩はアンモニアに比べれば毒性は低いですが、大量に蓄積するとやはり良くないものです。
水質を悪化させる物質は基本的に水槽の底の方から徐々に溜まっていくため、水槽の底の方にいる事の多いヤマトヌマエビにとっては問題となりやすいのです。
水質の悪化を防ぐには水を汚す有機物を少なくする事と水換えによって溜まった物質を排出する事が重要です。
「ヤマトヌマエビは高水温に弱い。」と「ヤマトヌマエビは酸素不足に弱い。」にも因果関係があります。
ヤマトヌマエビ飼育の適性水温は20℃~28℃くらいです。
30℃を超えるような水温はヤマトヌマエビにとっては過酷な環境となってしまいます。
水温の上昇は全ての生体の活性を高めるため酸素の消費量も必然的に増えていきます。
水槽内にいる熱帯魚やエビ、その他にも目には見えないプランクトンやバクテリアの活性も同じように高まります。
しかしその反面水温の上昇により水中に溶け込むことのできる溶存酸素量は下がるため需要と供給のバランスが崩れ酸欠になる事があります。
涼しい時期には問題なかった水槽が夏の高水温で全滅なんて話も稀にありますので気をつけたいものです。
酸素の不足は濾過バクテリアにもダメージを与えてしまい水質の悪化を招く原因にもなりますので酸欠にならないようにエアレーションなどで対策をしましょう。
水草水槽では夜間のエアレーションは必須です。
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ヤマトヌマエビの飼育数が増えればそれだけ水が汚れる原因が増えるため水質の悪化スピードは早まります。
数が多ければその分多くの餌を必要とし、消化された餌は糞として排泄されます。
過剰な飼育数は水質を悪化させやすい→水質の悪化はヤマトヌマエビの死につながる。
このような関係ができあがってしまいますので飼育適正数を大きく超えるような過剰飼育は避けたいところです。
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水草に付着したコケを食べてくれると言う点からみると水草にとってメリットがあるように見えますが、実はヤマトヌマエビにとっても水草は非常にありがたい存在です。
水草には水質浄化能力があり、水槽内に溜まった栄養分を吸収して成長します。
この働きから水草を多めに入れている水槽は水質が安定しやすいと言うメリットがあります。
また、水草が光合成を行う際に出す酸素もヤマトヌマエビにとって恩恵となっています。
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ヤマトヌマエビ飼育水質の注意点まとめ
- ヤマトヌマエビはpHショックに弱いので投入時はしっかりと水合わせを行う。
- ヤマトヌマエビは塩素に弱いので水槽に入れる水は必ずカルキ抜きをする。
- ヤマトヌマエビはアンモニアに弱いのでアンモニアが溜まりやすい水槽立ち上げ時は投入を避ける。
- ヤマトヌマエビは水質の悪化に弱いので定期的な水換えを行う。
- ヤマトヌマエビは高水温に弱いので夏の高水温対策を行う。
- ヤマトヌマエビは酸欠に弱いので水温の上昇を抑えつつエアレーションを行う。
- ヤマトヌマエビは水温の急変に弱いので水換え時の水温差などに気をつける。
- 飼育数の過剰は水質の悪化を招きやすい。
今回はヤマトヌマエビ飼育の注意点!水質と飼育数の関係についてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただけると幸いです。
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