ビオトープのアオミドロ対策!発生原因と除去・駆除方法
ビオトープにアオミドロが発生する原因は?
ビオトープのアオミドロはメダカに害?リセットが必要?
ビオトープのアオミドロはタニシで対策できる?
ビオトープのアオミドロの除去や駆除の方法は?
こんなビオトープに発生するアオミドロに関する疑問についてご紹介いたします。
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ビオトープにアオミドロが発生する原因
屋外で管理するビオトープに発生しやすいコケがアオミドロです。
アオミドロとはホシミドロ目ホシミドロ科アオミドロ属に属する藻類の総称で、緑色の糸状をしています。
触るとトロミがあり、あまり気持ちのいい物でもありません。
さらに大量に発生すると景観が損なわれるビオトープの厄介者です。
そんなアオミドロがビオトープ内に発生してしまう原因はなんなのでしょうか?
ビオトープ内にアオミドロが発生してしまう原因として、次の2つが挙げられます。
- 水の富栄養化
- 直射日光
ビオトープで飼育しているメダカなどの生体の糞や餌の食べ残しといった有機物からは、水草などの水生植物が成長するために必要な養分が発生します。
この養分は水草だけでなくアオミドロの成長にも必要なものです。
有機物から発生した養分のほとんどが水草によって消費されれば、アオミドロの成長に必要な養分が残らないため、アオミドロは発生しません。
しかし、有機物の量が多すぎるなどの理由で水草が消費しきれないほどのたくさんの養分が発生すると、アオミドロにまで養分が回ってしまうため、アオミドロが大量に発生してしまうのです。
このように、たくさんの養分が水中に存在する状態を「富栄養化」と言い、アオミドロが発生する大きな原因の一つとなります。
水の流れの無いビオトープは養分が溜まりやすく富栄養化が起こりやすいため、生体の数を抑えたり、餌の量を少なめにするなどして富栄養化を防ぐようにしましょう。
富栄養化と共にアオミドロの発生原因となるのが直射日光です。
屋外で管理するビオトープの大きなメリットの一つに、「日光がたくさん当たる」という点があります。
日光をたくさん浴びることでメダカは丈夫になりますし、水草もグングン育ちます。
しかし、この日光は同時にアオミドロの成長も促してしまうのです。
アオミドロは水草と同じく葉緑体で光合成を行い成長します。
つまり、水草が育ちやすい環境はアオミドロも育ちやすい環境なのです。
1日中直射日光が当たるような環境は確かに水草の成長を活発にしてくれますが、アオミドロも発生しやすくなります。
そのため、日光が長時間当たる場合には、簾などを使って日陰になる時間を作るなどして、日照時間を適度に抑えるようにすると良いでしょう。
以上のように、富栄養化と直射日光がアオミドロの発生原因です。
富栄養化しないようにビオトープ内の環境バランスを整え、日光が適度に当たるように調節することでアオミドロの発生を抑えることができます。
ビオトープのアオミドロはメダカに害?リセットが必要?
アオミドロが発生するとビオトープの景観が悪くなってしまうというデメリットがありますが、メダカには影響が無いのでしょうか?
また、アオミドロが発生したビオトープはリセットする必要があるのでしょうか?
結論から言うと、アオミドロが増えすぎるとメダカに害があります。
また、場合によってはリセットする必要も出てきます。
多少アオミドロが発生したくらいではメダカに害はありません。
何故ならアオミドロ自体が何か有害な毒素を出すわけでは無いからです。
では、どのような場合にメダカに害が出るのかというと、メダカの泳ぐスペースが無くなるくらいアオミドロが増えてしまった場合です。
メダカが泳げないくらいアオミドロが増えてしまうと、メダカがアオミドロに絡まり、そのまま死んでしまいます。
このようにメダカの泳ぐスペースが無くなるほどアオミドロが増えてしまったら、一度ビオトープをリセットするのも一つの方法です。
しかし、リセットにはリスクも伴います。
ビオトープをリセットすると水質などの環境がガラッと変わってしまうため、リセット後にメダカが落ちやすくなるケースがあります。
そのため、リセットする際は水を半分ほど残し、底床も一部そのまま残しておくようにして、なるべく飼育環境の急変を起こさないように注意しながらリセットしましょう。
以上のように、アオミドロが増えすぎるとメダカが絡まって死んでしまう事がありますし、ビオトープのリセットという面倒な作業をしなくてはいけなくなる場合もあります。
そうならないためにも、アオミドロが発生しないように予防したり、見つけたらこまめに取り除くなどして、アオミドロが増えすぎないようにビオトープを管理しましょう。
ビオトープのアオミドロはタニシで対策できる?
ビオトープにアオミドロはつきものですが、なるべく発生を抑えたいものです。
では、アオミドロ対策としてタニシは効果があるのでしょうか?
タニシはすでに発生してしまったアオミドロの除去には力不足ですが、アオミドロの発生予防には効果的です。
タニシはアオミドロを積極的には食べません。
そのため、大量に発生したアオミドロをタニシに掃除してもらおうとしても効果は薄いです。
しかし、タニシにはアオミドロの発生を抑える効果が期待できます。その理由はタニシの摂食方法にあります。
タニシには餌を食べる方法が3つあり、そのうちの1つが「濾過摂食」です。
濾過摂食とは、水中の植物性プランクトンや養分を濾し取って食べ、綺麗な水を排出するという餌の食べ方です。
タニシが濾過摂食をする事でビオトープの富栄養化が抑えられるので、アオミドロの発生予防対策に効果があります。
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ビオトープのアオミドロの除去や駆除の方法
ビオトープ内にアオミドロが発生してしまった場合、どのような方法で除去や駆除を行えば良いのでしょうか?
アオミドロの除去や駆除に効果的なのが次の3つの方法です。
- 人の手で取り除く
- 数日間日光を遮る
- コケ取り生体に任せる
アオミドロの除去方法としてやはり確実なのは人の手で除去する方法です。
定期的にアオミドロを人の手で除去していけば、大量発生を防ぐ事ができます。
アオミドロの除去におすすめなのが、100均にも売っているステンレス製のメッシュ状のあく取りお玉です。
網でアオミドロを掬ってしまうと、中身をひっくり返して捨てなくてはいけませんが、あく取りのお玉なら掬ったアオミドロが絡みにくいので簡単に捨てることが出来ます。
もちろん手でむしり取るように除去しても問題ありません。
もう一つのアオミドロ除去・駆除方法が「日光を数日間遮る」という方法です。
アオミドロの発生原因の所で説明しましたが、日光はアオミドロの発育に欠かせません。
よって日光を遮ることでアオミドロの活動を弱らせることはできます。
ただ、日光を遮ったからといって全てのアオミドロが無くなるわけではありせん。
また、ビオトープに全く日光が当たらない環境を作ってしまうとメダカや水生植物にも支障が出てしまいます。
よって一つの方法としてビオトープの半分だけ日陰を作るようにスノコを設置して、まずは半分だけアオミドロ対策をしてみましょう。
1週間ほどして効果が見られるようならもう半分にスノコを置き換えるなどしてみると良いでしょう。
ただ、アオミドロにも様々な種類があり、この方法で消滅しやすい種もあれば、なかやか頑固な種類もいることをご理解ください。
最後の方法がコケ取り生体による対策です。
水草水槽などではサイアミーズフライングフォックスやヤマトヌマエビなどがアオミドロ対策に用いられます。
もちろん屋外ビオトープでもこれらコケ取り生体を投入することは可能です。
しかし、ヤマトヌマエビは30℃を超えるような夏の気温に弱い、サイアミーズフライングフォックスは熱帯魚の仲間なので冬の水温には対応できないなどの問題もあります。
よって屋内水槽などで飼育しているのであれば一時的にビオトープに迎え入れてアオミドロ対策に使用するなどならおすすめです。
以上がアオミドロの除去・駆除方法です。
水草をたくさん入れて富栄養化を防いだり、ミナミヌマエビやタニシを入れてアオミドロの発生を防ぐ方法もありますが、これらは「発生予防」であって、すでに発生したアオミドロの除去・駆除方法としては効果が薄いです。
すでにアオミドロが大量に発生している場合には、人の手で除去・駆除するのが最も確実で簡単な方法と言えます。
その上で、今後アオミドロが大量発生しないように、ビオトープ内の環境バランスを見直すことが大切です。
ビオトープのアオミドロまとめ
- アオミドロの発生原因は富栄養化と直射日光
- アオミドロが増えすぎるとメダカが絡まり死んでしまう事がある
- タニシは富栄養化を抑えアオミドロの発生を予防する効果が期待できる
- アオミドロの除去や駆除は人の手で行うのが最も効率的
- コケ取り生体に任せることも出来るが、種類によっては季節の気温の変化に対応できないものもいる
今回はビオトープに発生するアオミドロについてご紹介しました。皆様のビオトープ管理の参考にしていただけると幸いです。
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