ビオトープに最適なミズトクサとは?育て方や植え方
ビオトープに最適なミズトクサとは?
ミズトクサとトクサの違いは?
ミズトクサの育て方は?
ミズトクサの植え方や最適な水深は?
こんなビオトープの植物ミズトクサに関する疑問についてご紹介いたします。
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ビオトープに最適なミズトクサとは?
水辺の生育空間を再現するビオトープにとって欠かせないのが水生植物です。
たくさんの種類がある水生植物の中でも、特にビオトープに最適と言われている植物に「ミズトクサ」があります。
ミズトクサとは一体どのような植物なのでしょうか?
ミズトクサはトクサ科トクサ属に分類される抽水植物です。
抽水植物とは水生植物の一種で、根っこと茎の下部が水の中にあり、茎や葉の一部が水上に出ている植物の事を言います。
トクサ類には全部で15種類ほどの仲間が存在し、どれも湿地帯を好む傾向にありますが、その中でもミズトクサは特に水辺を好みます。
そのため、水辺の生育空間を再現するビオトープに最適と言われているのです。
ミズトクサは茎の高さが20cm~80cm程度、茎の太さが3~7mmほどに成長します。
その細く長く繊細に伸びる茎は見た目にも美しく、ビオトープに設置すれば茎の間を楽しげに泳ぐメダカの姿を見ることができます。
丈夫で育てやすい植物でもあるので、どの水生植物をビオトープに導入しようか迷ったらミズトクサがおすすめです。
ミズトクサとトクサの違いは?
トクサ類にはミズトクサ以外に15種類ほどの仲間がいます。
その中の1つがトクサです。
では、ミズトクサとトクサの違いはどこにあるのでしょうか?
1番の違いは茎の長さと太さです。
ミズトクサよりもトクサの方が茎が太く、大きく育つと100cm程度の長さまで茎が伸びます。
また、色合いにも違いがあり、ミズトクサは薄い緑色をしていますが、トクサは濃い緑色をしています。
このように、ミズトクサはトクサをそのまま小さくしたような見た目となっているので、並べて見比べると違いが一目瞭然です。
見た目の違いの他、水の与え方にも違いがあります。
ミズトクサは水辺を好む抽水植物なので、根と茎の下部を水の中に沈めて育てます。
一方のトクサも湿地性の植物なので水は好みますが、茎が水に潜ってしまうほどの水深は苦手です。
そのため、ビオトープに使う場合は陸地を作ってあげて、その水際に植える方が調子良く育ちます。
このような育て方の違いも、ミズトクサがビオトープに適していると言われる理由の一つです。
以上がトクサとミズトクサの違いになります。
それぞれの特徴を理解して、ビオトープのレイアウトや設置場所を決めるようにしましょう。
ミズトクサの育て方
ビオトープに最適と言われるミズトクサですが、育て方はどのようにすれば良いのでしょうか?
ミズトクサの育て方のポイントは次の通りです。
- 根本がしっかり水に浸かる水深で育てる
- 1年中水は切らさない
- 日光は半日以上当てる
- 越冬させる時は根を凍らせない
- 株分けは春先に行う
ミズトクサは抽水植物なため、根本は常に水の中に浸かっている状態にします。
また、水は1年中切らさないように注意しましょう。
ビオトープに入れたままにしておけば水が切れる心配はありませんが、何らかの理由でビオトープから引き上げた際には、バケツなどに水を溜めてその中で育てるようにしましょう。
ミズトクサは日光を好むので、半日以上は日が当たる場所で育ててあげましょう。
冬場などの休眠中は日光が少なくても問題ありませんが、春から夏の生育期間は日光がたくさん当たった方が元気に青々と育ちます。
ミズトクサは冬場も屋外で越冬可能です。
しかし、根っこまで凍ると枯れてしまいます。
ビオトープの表面が凍るだけなら問題ありませんが、水深が浅くビオトープ内の水が全て凍るような環境や、東北地方のような寒冷地で越冬させる場合は、根が凍らないように屋内で育てた方が良いでしょう。
冬場は茎が枯れたようになりますが、春になるとまた青々とした茎が伸び始めます。
ミズトクサの株分けはこの3~5月の春先に行うようにしましょう。
ミズトクサはとても丈夫で株分けで簡単に増やす事ができます。
株分けする時はミズトクサを土から引き抜き、ハサミなどを使って株を切り分けていきましょう。
以上がミズトクサの育て方です。
ミズトクサを育てるのに難しい事はありません。
水を切らさない事と根っこを凍らせない事にさえ気をつけていれば、勝手にどんどん育つので、植物を育てるのが苦手な方でも簡単に育てることができるでしょう。
ミズトクサの植え方と最適な水深
ミズトクサをビオトープに植える際には、どのような植え方をすると良いのでしょうか?
また、最適な水深や水位はどのくらいの深さなのでしょうか?
ミズトクサの植え方を考える時に最も重要になるのが水深です。
ビオトープの水深をどのくらいにしたいのか? それによってミズトクサの植え方が変わってきます。
ミズトクサにとって最適な水深は根っこが5cm程度水に浸かる深さです。
茎の丈が高く育っていれば水深30cm程度まで沈めても問題ありませんが、まだ株が小さく茎の丈が低い時に、全体が水に沈んでしまうような水深にしてしまうとミズトクサが枯れてしまう恐れがあります。
そのため、ビオトープの水深とミズトクサの大きさに合わせた植え方を選ぶと良いでしょう。
ミズトクサの植え方は直植えか鉢植えの2種類ですが、管理がしやすくおすすめなのは鉢植えです。
ミズトクサを鉢やポットに植え、その容器ごとビオトープ内に沈めます。
これならば植える容器の大きさを変えることでミズトクサが沈む水深を調節することができます。
水深が深いビオトープの場合は、高さのある容器にミズトクサを植えれば沈みすぎる心配はありませんし、ビオトープの水深が浅い場合には、浅い容器に植える事で根っこが水上に出てしまうこと無く育てられます。
また、鉢などの容器に植えておけば、ビオトープをリセットする時や水が凍ってしまいそうな時に鉢ごと回収すれば良いので移動が簡単です。
株分けや植え替えの時も鉢植えなら簡単に行えます。
「確かに管理は楽そうだけど、出来るだけ鉢などの人工的な物は使いたくない」、という方もいるでしょう。
その場合はビオトープ容器の深さに合わせて底床の高さを調節し、ミズトクサに適した水深になるようして直植えするようにしてください。
ミズトクサは赤玉や田んぼの土などでよく育つので、これらの土を使って植えるようにすると元気に育ちます。
以上がミズトクサの植え方と最適な水深です。
ミズトクサの育て方まとめ
- ミズトクサは抽水植物なのでビオトープに最適
- ミズトクサはトクサよりも茎が細く明るい色合いをしている
- 1年中水を切らさずに冬は根が凍らないようにするのが育て方のポイント
- 根が5cm程度沈む水深が最適であり、鉢植えのまま水に沈めた方が管理が簡単
今回はビオトープの植物ミズトクサについてご紹介しました。皆様のビオトープ作りの参考にしていただけると幸いです。
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