ヒメタニシは、水槽内の水質浄化に優れた人気の貝です。
今回はタニシの中でも【ヒメタニシ】に焦点をあてつつ、ヒメタニシの水質浄化能力や実際の繁殖力&繁殖スピード・適正数などにもふれていきます。
そしてヒメタニシをあまり増やしたくない方や、逆に増やしたい方にも必見です!
ヒメタニシとは
まずヒメタニシとは?
タニシにもいろんな種類がありその中には外来種のものも存在しますが、その中でも【ヒメタニシ】は日本国内でも流れの緩やかな河川や水田・用水路・ため池・湖などの淡水に生育している在来種のタニシになります。
水槽だけでなく、ビオトープなどでも良く飼育されていますね。しかしヒメタニシを飼育する際は、事前にヒメタニシに適した環境にしてあげないと☆になってしまいます。きちんと要点さえつかめば、初心者の方でも飼育は容易ですのでご安心ください。
これからふれていくコツや注意点を、しっかり押さえていきましょう。
ヒメタニシの特徴
ヒメタニシの特徴は他のタニシと比べると、殻の形がスリムで円錐状になっているのが特徴で色は茶系もしくは黒っぽい色をしているのが特徴です。
貝類の中には雄雌同体の種もいますが、ヒメタニシは雄雌同体ではありません。他にもいろいろな特徴があります。
ヒメタニシは卵ではなく稚貝を産む
上記は我が家のタニシ水槽で生まれた稚貝になります。ヒメタニシは卵を産むのではなく卵胎生でお母さんのお腹の中で4~5mmくらいまで生長し計3個ほどの稚貝を1個づつ丁寧に時間をかけて生み落とします。
貝類の中でも、卵胎生のタニシにみられる特徴のひとつです。
ヒメタニシとは違い二枚貝やスネール等などの貝類は、卵性で水槽の壁面に卵を産み付けるのでソレが嫌!という方も多いのではないでしょうか?
卵生の貝類の中には卵を産み付けるだけ産み付け、淡水では孵化しない種もありますので卵性の貝類は厄介がられるのも事実です(´;ω;`)
卵性の貝類は卵を産み付ける度に壁面の掃除を強いられますし、仮に卵をそのまま放置してしまった日には景観を崩し見ため的にもNO~です。
よって卵胎生が特徴と言えるヒメタニシは卵性の貝類と比較すると、オスだけを飼育する事が可能なら繁殖のコントロールも可能です。
ヒメタニシの大きさ
そんなヒメタニシは生長すると約3㎝くらい、最大で4㎝クラスになるヒメタニシもいます。ヒメタニシの大きさは殻の形成に必要なカルシウム摂取量であったり、個体差が大きく出るところですね。
ヒメタニシの寿命
そしてヒメタニシの寿命は、2~4年と言われていますが、ヒメタニシの寿命を縮める最大の要因は【餓死】コレに尽きます。他の生体に人口餌を追加する事はあっても、なかなかヒメタニシにわざわざ餌を追加する必要がある!言う認識が薄いのが現状です。
またただのコケ取り部隊として投入した場合は、コケがなくなりしだい餓死する運命をたどる事も多いと言えましょう。
これは考えようによっては、ヒメタニシの悲しい宿命なのかもしれません。
コケのない綺麗な水槽ほど、餌を入れてあげない限りあっさりと餓死してしまうため結果として短命になってしまいます。
ヒメタニシは自力で起き上がれる
そして貝類は、たまにひっくり返ってしまう事があります。特に石巻貝などは一度ひっくり返ると自力で起きる事ができませんが、ヒメタニシの場合は自力で起き上がる事ができる貝です。
ヒメタニシのコケ取り能力
ヒメタニシは、水質を浄化するだけでなく、床底やガラス面などを非常に良く食べてくれるので【苔取り部隊】としても優秀でとても良い仕事をしてくれるのも特徴のひとつでしょう。
水槽内やビオトープ内で繁殖したコケは、ヒメタニシを入れておく事で底床やガラス面、水草や流木ありとあらゆる場所を隅々まで巡回しコケを食べてくれます。その中でも緑藻などのコケは、ヒメタニシも好んで摂食します。
小さな口で、コケをそぎ落とすように器用にコケを食べている姿を見る事ができます。とは言え、すべてのコケがなくなる訳ではありませんが、コケが水質悪化の要因ですのでコケ問題の一助になる事は確かですね。
ヒメタニシ 実際の繁殖力
ヒメタニシの最大の特徴は、オスの精子を長期に渡り体内に保存できると言う点です。タニシのメスはオスと交尾さえすれば、仮にすぐに稚貝を産まなくても、環境が整ったタイミングで稚貝を産む事ができるのです。
つまりこれはとんでもない事で、これから導入するタニシの中に交尾済みのメスタニシが混入していた場合はいつの間にか稚貝が生まれている?と言う想定外な出産が起こるわけです。この仕組みを知らないと、ミラクル現象にしか思えないかもしれませんね。
あるいは1匹でも繁殖する?などの勘違いが生まれても不思議はありません。※タニシはスネールのように雌雄同体ではなく、卵胎生です!
つまり導入先の環境が良ければ、その場にオスがいなくてもOK!つまりメスタニシ1匹だけでも、いつの間にか稚貝が生まれている!!まさにミラクル?
環境さえそろえば、繁殖スピードが爆上げする可能性も高いです。
しかし中にはヒメタニシが増えて大歓迎な方はともかく、想定外の繁殖=困る!と思われる方もいる事でしょう。
よってヒメタニシをこれ以上増やしたくない方は、ヒメタニシを導入する際はオスのみをお迎えするのが得策と言えます。
ところがすでに時は遅し?・・・すでにオスメス一緒に飼育されている場合は、とても悩ましい事になります。つまり仮にオスメスを隔離したとしても、すでに交尾済みのメスがいるとしたらどうでしょう(;'∀')
はい、そうなのです。隔離しメスだけにしたとしても好きなタイミングで稚貝が生まれる事になります・・・。
ただし問題は、ココで終わりではありません。問題は、生まれた稚貝達にもあります。
それはヒメタニシはある程度大きくならないとオスメスの判別が難しいため、稚貝が生長し交尾をしてしまう前にオスメスを分ける事は至難の業だからです!
つまり、成長途中の稚貝をオスメス分けたとしても、その中にすでに交尾済のメスがいたとしたら無限ループになるリスクをはらんでいます。
ヒメタニシは1回で3個ほどの稚貝しか生まないため、スネールのような卵性の貝類のように爆発的に増える心配はありませんが長い目で見ると大繁殖してしまうリスクはあります。
と言うわけでヒメタニシの繁殖システムを把握しておく事で、後々想定外の繁殖を回避しやすくなると思うので参考になさって下さい。
ヒメタニシの生態
次にヒメタニシの生体ですが、ヒメタニシはスネールのような貝類とは違い動きもゆっくりで非常にマイペースです。水底の岩や流木・水草の上などで生活しています。
ヒメタニシは、コケや餌の食べ残し・デトリタス等を主な餌としています。口からの【クレイザー摂食】だけでなく、水中に浮遊する微生物や有機物を【ろ過摂食】し水質浄化にも貢献しています。
デトリタスとは?
デトリタス (Detritus) とは、生物遺体や生物由来の物質の破片や微生物の死骸、あるいはそれらの排泄物を起源とする微細な有機物粒子のことであり[1]、通常はその表面や内部に繁殖した微生物群集を伴う。陸上の土壌に混入した有機物片のことを指す場合もあるが、多くの場合は水中のそれを指す。プランクトンとともに水中の懸濁物(けんだくぶつ、セストン)の重要な構成要素であり、堆積物にも多く含まれる。 参考URL:Wikipedia
夜行性なので昼間は底砂に潜ってしまう事もあり、あまり活発な動きは見られません。そのため夜行性だと言う事を知らないと、☆になっている?と勘違いしてしまう事もあるかもしれませんね。
また水槽内のコケはヒメタニシにとっては重要な餌になるので、コケが生えているような環境ほどヒメタニシにとっては適した環境と言えましょう。
逆に苔の少ない環境化では、ヒメタニシが餌不足により餓死する場合もありますので一番気を付けないといけない点です。他の注意点としては水温もあります。
ヒメタニシは低水温での耐性はありますが、高水温になり過ぎるとストレスを感じてしまいます。特に水温が上昇する夏場の水温管理には充分注意する必要があります。
屋外でのビオトープなら、置き場所を工夫したりスダレ対策、室内でもクーラーやファンなどを上手く利用されると良いでしょう。
ヒメタニシはガラス面に生えたコケなどを削り取って食べる以外にも、水底にたまった沈殿物や水中に浮遊している有機物質などをエラでろ過し摂食する事ができます。つまり水質浄化能力に優れているので、面倒な水替え回数を減らすメリットがあります。※全く水替えが必要ないと言う訳ではありません。
よってヒメタニシは口から食べる【クレイザー摂食】だけでなくエラからの【ろ過摂食可能】や【デトリタス摂食】がため、水質汚染など環境の急変にも適応しやすいと言う面も備えているのも分かる気がきますね。
このようなヒメタニシの生態を知っていると、飼育環境の把握や水質浄化等の対策もしやすくなります。これからヒメタニシの飼育を検討されている場合はヒメタニシに適した環境や餌、適性数などを考慮される良いでしょう。
ヒメタニシ飼育方法やおすすめの餌については下記をご参照下さい。
ヒメタニシ水槽で水質浄化
ヒメタニシは、コケ取り能力だけでなく水槽内の水質浄化にも非常に有効です。
コケは水槽やビオトープなどの水中環境によく発生する問題の一つであり、水質を悪化させる原因となります。そんな時には、水槽にヒメタニシを入れてあげる事で、コケ問題だけでなく水質浄化にも役立ち一石二鳥と言えます。
脅威の水質改善能力
ヒメタニシはエラから浮遊物をろ過しながら摂食する事も可能なため、水質浄化にも貢献してくれると言う【ろ過生体】ならでは水質改善能力を持ち合わせています。
水槽内の飼育水をエラから吸い込み、植物プランクトンやシアノバクテリア・浮遊している細かい有機物などを含む飼育水をエラから吸い込み【ろ過摂食】する事で綺麗な水を吐き出します。ヒメタニシを一緒に共存させる事で、混泳している魚だけでなく水草の生育状態も良好に保たれるわけです。
ヒメタニシの飼育は、決して難しくはありませんので、初心者でも簡単に飼育する事ができます。
ヒメタニシは、小さめの貝類ですし手間もかからずメリットも大きいので、水槽・特にビオトープ飼育をする上でおすすめの貝として特に人気がありますね。
グリーンウォーター(アオコ)をキレイにする
下記は水草とホテイアオイだけ入れ、2週間ほど放置した屋外ビオトープです。こちらのビオトープへ実験的に親タニシ2匹と稚貝8匹を投入してみました。
すると数日後には、ヒメタニシにろ過摂食によりグリーンウォーターもキレイにろ過され透明なキレイになっています。しかし上記の場合は、ろ過されたキレイな水槽でこの後注意しなくてはならないのが餌不足です。
上記の場合タニシの投入量に対して、餌が足りなくなります。よって餌を追加するか、適正数での飼育に調整する必要があります。
※このまま放置してしまうと餓死確定なので注意です。
ヒメタニシ 実際の繁殖力は?
ヒメタニシは飼育すれば、どんどん繁殖する?わけでもありません。繁殖条件を満たしていない環境化では、メスは安心して稚貝を産む事はないからです。
ただ飼育環境が良ければ大繁殖する!と言うのは事実です。とは言え1回の産卵で生まれる稚貝は約3個ほどですので、スネールのように一気にウジャウジャと増える訳ではありません。
が・・・長いめで見ると徐々に増えていきます。何と言っても交尾したメスは精子を長期保存できますので、産卵に適した環境化であれば産めるだけ産むので増え続けます。
気が付けば、大繁殖していた!と言う事になるわけです。
よってヒメタニシの大繁殖は、すべて環境に左右される!言うのが実際にヒメタニシを飼育している私の結論です。つまり水質が安定し豊富な餌がある飼育環境ほど、ヒメタニシは子孫を残すために多くの稚貝を産む事でしょう。
繁殖させたくない?もしくは繁殖させたい?どちらにしろキチンと先を見据え、ヒメタニシ導入時には飼育者に適した適正数にされると良いですね。適切な飼育管理を行いながら、ヒメタニシの繁殖をコントロールしていきましょう。
ヒメタニシの適正数は?
ヒメタニシは水質浄化やコケ取り生体として非常に貢献してくれますが、あまり多くのヒメタニシを投入し過ぎてしまうと逆に水質が悪化してしまったり餌不足で餓死するリスクもあります。
ヒメタニシが☆になってしまう原因として一番多い【餌不足による餓死】も考慮するのであれば、あまり多くのヒメタニシを投入してしまうのは避けたいところです。
よって、10ℓに対して1匹程度がベストでしょう。例えば、30㎝水槽なら2匹・60水槽で6匹・90㎝水槽で9匹となります。
ヒメタニシは大食いですし環境しだいでは子孫を残す事も考慮すると、繁殖し増えた後のヒメタニシの行先も見据えておかれるとなお良いでしょう。
適性数を把握することは飼育者にとって、とっても重要です。
ヒメタニシと他の貝の見分け方
ヒメタニシに焦点をしぼり、他の貝の中から確実にヒメタニシを見分ける方法をご紹介しますね。
まずは実際のヒメタニシの画像をご参照下さい。
ヒメタニシの貝殻は茶色もしくは黒っぽい色をしていて、貝の先端はソフトクリームのように綺麗にうずを巻いています。また同じタニシの中でも、ヒメタニシは比較的スリムな円錐状をしています。
↑上記は実際の【マルタニシ】の画像ですが見比べて頂くと、マルタニシの殻は全体的に丸っこい形状をしているのが分かります。
マルタニシやジャンボタニシの貝殻は丸っこいですが、ヒメタニシの貝殻の形状は細身で丸っこさはなくサイズも小さいので水槽の景観を邪魔しにくいメリットもあります。※主にビオトープ用として飼育されています。
そして同じ日本のタニシでもある【マルタニシ】や【オオタニシ】などと比較しても【ヒメタニシ】は一番小さい貝になります。
ヒメタニシの貝殻の形状を良く理解しておけば、同じタニシの仲間からヒメタニシを見つけやすくなります。
下記ページで日本のタニシ4種(オオタニシ・マルタニシ・ヒメタニシ・ナガタニシ)と【ジャンボタニシ】の違いや見分け方をさらに詳しく解説していますので良かったら参考になさってください。
他の稚貝との見分け方
次に在来種である、日本のタニシどうし(稚貝)の比較です。
下記は、【マルタニシ】と【オオタニシ】の稚貝です。※大分大学教育福祉科学部の研究資料を参考にさせて頂きました。
【ヒメタニシ】の稚貝と割とよく似ていますが、やはりどれもタニシ特有のらせん状の渦巻きが綺麗に出ているのが分かります。
我が家で生まれた【ヒメタニシ】の稚貝は4~5mmくらいでした。
オオタニシの産仔個体では,殼高がマルタニシよりも有意に高く(t-検定;p<0.05),やや縦長の仔貝であった。一方,マルタニシの産仔個体では殼径が,オオタニシよりも有意に大きく,やや横長の仔貝であった(図3)
参考URL:大分大学教育福祉科学部
【マルタニシ】と【オオタニシ】の稚貝に関しては上記画像を参照して頂ければ分かるかと思いますが、【ヒメタニシ】に関しては我が家で生まれた【ヒメタニシ】の稚貝は4~5mmくらいでした。
稚貝は黒っぽいものから、薄い茶褐色の稚貝もいますがどちらも【ヒメタニシ】の赤ちゃんです。
上記は生後約1か月の【ヒメタニシ】の親子です。ほんの気持ち大きくなっています。
【マルタニシ】と【オオタニシ】の稚貝と比較すると【ヒメタニシ】の方がやや小さめサイズです。
【ヒメタニシ】の場合だと、生後1か月ほどでようやく5~7mmくらいになりますが、実際にヒメタニシを飼育していて思う事はヒメタニシの生長は環境に大きく左右される部分が大きいと言う事です。
これは飼育水に含まれるの餌の量が一番大きな要因と考えられますが、夏場の環境でも涼しく過ごせる環境化であるか?と言う点も大きいです。底砂ひとつとっても、実際の環境に近い田砂をかなり厚めに敷いている水槽の方が稚魚の生長が早めです。
つまり、1年で稚貝が1㎝になるか?ならないか?と言った感じで稚貝の生長はリアルに飼育している環境に左右されます。
またヒメタニシに限らずタニシのカラは、下記画像のように出口側にどんどん形成されていきます。つまり先端の尖った方に向かうほど、古いカラで稚貝だった時のカラになります。
ヒメタニシはまだ稚貝の時点では、成貝と比べるとカラの形状が平べったいですが成長とともに(出口側)の殻が形成されていき円錐でスリムな、らせん状になっていきます。
※ヒメタニシは稚貝の時には黒っぽい色をしていても、カルシウム不足になると稚貝の時に形成されたカラ部分(先端)から溶け始めます。そして一度溶けたり削れてしまったカラは、もう元の状態に戻る事はないため【カルシウム不足】には注意が必要です。
カルシウム不足になると殻全体の生長が悪くなるだけでなく、他のヒメタニシの殻をカルシウム代わりにして舐め合ってしまうため殻が削られてしまう事があります。
ヒメタニシと良く間違えられる稚貝(スネール)
次にヒメタニシの稚貝と良く間違えられる稚貝に、スネール(サカマキガイやモノアラガイ)がいます。
下記画像を見て頂ければ一目瞭然なのですが【ヒメタニシ】と一般的にスネールと言われる貝類では、まずカラの形状じたいが全く異なりますしタニシのようにフタもありませんのですぐ判別できるようになるはずです。
サカマキガイやモノアラガイはヒメタニシとは違い、卵からふ化しますがヒメタニシは稚貝の状態で生まれてきます。よって生まれたばかりのスネールの稚貝は、ヒメタニシの稚貝よりもさらに小さく殻もやわらかいので手で簡単につぶれてしまいます。
左が【モノアラガイ】で右が【サカマキガイ】になります。※通常貝は右巻きのものが多い中、サカマキガイは画像をご覧頂くと分かる通り左巻きなのです。これらのスネールの見分け方は貝の巻き方にご注目くださいね。
こうして画像でスネールと比較しても【ヒメタニシ】の稚貝とは似ても似つかないのが分かります。このように貝の特徴をつかむ事で、二度とスネールの稚貝とタニシの稚貝を見間違える事もなくなるでしょう。
ヒメタニシQ&A
最後にヒメタニシに関する素朴な疑問についてまとめましたので良かったら参考になさって下さいね。
ヒメタニシ オスメス性別はいつから分かりますか?
生まれたばかりのヒメタニシの稚貝は、2本の触覚がまだピンと伸びているためこの時点でオスメスを見分ける事はまだできません。下記は生後1か月あたりのヒメタニシの稚貝ですが、触覚にまだ変化は見られません。
ではヒメタニシの性別はいつから分かるのかと言うと、生育環境にもよりますが早くて4~5か月を言われていますが家で飼育しているヒメタニシは6か月くらいでオスの右側の触覚がクルッと巻いてきました。
ただし生まれてきた稚貝がメスばかりの場合もありますので、その場合はいつまで経ってもオスメスの判別が出来ずアレ?ってなるかもしれませんね。
オスの稚貝が生まれる活率は非常に少ないため、1年を過ぎても両方の触覚がピンと伸びたヒメタニシばかりならオスの稚貝がいなかったと言う事でしょう。
家で飼育しているヒメタニシも、10匹中(オス1匹、メス9匹)だった事もあります。気が付いたらオスの稚貝も生まれていると言う感じなので、気長に待ちましょう。
ヒメタニシ コケ食べない?どうしてですか?
コケ取り部隊としてヒメタニシを投入したのに、肝心なコケを食べてくれない原因は?
ヒメタニシもコケに種類によっては、積極的に食べるものもあれば不得意な種類もあります。またコケ以外に食べるものが水槽内に豊富にあるのであれば、好きな物から好んで食べるのも無理はありません。
この辺りは人間と一緒ですね。食べたいものから食べ、それがなくなったら選り好みなどできませんので生きるために何でも食べるしかありません。
そしてあの厄介な黒ヒゲコケなども食べますが、飼育していて思うのは黒ヒゲコケに関してはやはり硬いため食べるには食べますが端から端までキレイ~にピカピカになるまで食べると言うよりはムラ食いするイメージに近いですね。
ヒメタニシ ひっくり返る原因は何ですか?
ヒメタニシがひっくり返ったままずっと動かないと心配になりますよね?
ヒメタニシがひっくり返る原因として考えられる事として、水質や餌不足など環境の変化によるストレスによるものが多いです。通常ヒメタニシはひっくり返ったとしても器用に自力で起き上がる事ができるからです。
しかそれができないまま長時間ひっくり返っていると言う事は、元に戻る体力すら奪われている可能性もあります。ヒメタニシは水質の悪化など、適応しずらい環境に変わってしまうと貝のフタを閉じヒック返ったまま動かなくなる事もあります。
このような場合は水質が悪くなっていないか確認し、餌不足なのであれば市販のエビの餌などでも構いませんので取りあえず空腹を満たすなどし様子を見ましょう。
ひっくり返る?もしくは動かないなどの行動は、ヒメタニシが生態や繁殖力を理解する上でも大切になってきますので適切な環境を整えヒメタニシが快適に過ごせるようにしてあげしょう。
ヒメタニシは1匹でも増えますか?
ヒメタニシは基本的にオスとメスが交尾する事で繁殖しますので、1匹だけでは繁殖不可能です。
しかし、ヒメタニシは以前に交尾したオスの精子を長期に渡り体内に保存する事ができます。つまりこれはオスと交尾済みメスタニシであれば、すでに保存済みの精子がありますので例えメス1匹を飼育水に入れていたとしても、それが交尾済みのメスタニシであったのであればヒメタニシ1匹でも増える事があります。
このようにヒメタニシは環境さえ良ければいつでも稚貝を産みますので、上記のようなケースでしたら1匹のみで繁殖しても不思議はありません。
詳しくは下記ページもご参照下さい。
まとめ
ヒメタニシは淡水貝の中でも、アサリやシジミのようにろ過摂食もできるため水質浄化能力に優れ+αとしてコケ取り生体としても優秀な貝です。主にビオトープで飼育される方は多いですが、室内水槽での飼育も可能です。
ヒメタニシを☆にする事なく健康で元気に育てるには、ヒメタニシが好む適した環境の中でいかに餓死させないかも重要な要素です。
またヒメタニシは、一度オスを交尾したメスであれば例え1匹であろうが条件さえ良ければ繁殖も可能です。ただし増やしたくない場合は、オスだけ飼育したり、さらに適正数を守る事も大切です。
ヒメタニシを飼育する際にはいくつかの注意点はありますが、さほど手間もかからないため人気の貝類です。ヒメタニシを飼育する事により得られる水質浄化やコケ取り部隊としのメリットも大きいので、初心者の方も興味があればぜひ挑戦してみてください。
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