水草の肥料は100均の園芸用植物肥料では代用できない理由
水草を育てるのに肥料(栄養)は必要不可欠です。
しかし、水草専用の肥料って意外と高い。
そう思った方も多いのではないでしょうか。
100均(100円均一)の肥料で代用は出来ないのか?
100均の肥料で水草は育つのか?
こんな疑問に対して考えていきましょう。
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100均の肥料でも使えるが問題が起きやすい
植物が必要とする栄養は水草でも園芸用植物でもそれほど変わりはありません。
よって極論を言えば100均の肥料でも水草は育ちます。
100均の肥料であろうとも粗悪なものでなく、園芸用植物がしっかり育つ肥料であれば水草も育ちます。
しかし、問題が起きやすいのも事実です。
肥料成分はバランスが大切で植物はバランスよく供給された栄養分のみ吸収できます。
どれか一つ、もしくは二つの栄養分だけ沢山あっても水草は全ての栄養分を吸収できるわけではありません。
水槽内では熱帯魚の排泄物や餌の食べ残しなどから窒素やリンなどが生成されますが、地上ではそのようなことは無いので肥料によってバランス良く吸収できるように考えられています。
もともと地上でバランスを考えて作られた肥料に水槽内で生成された栄養分がプラスされたら窒素やリンだけが過剰になることは容易に考えられることです。
水槽という閉鎖された空間では過剰な栄養分は自然と消滅するわけではなく、全てコケの栄養となってしまいます。
結果、コケだらけの水槽になりやすい。
これが園芸用肥料を水草水槽で使わない方が良い最大の理由です。
水草用の肥料は少し割高に感じるかもしれませんが、水槽内での栄養バランスを考慮して水草用の肥料としてメーカーが開発しています。
他にも考えられる問題は園芸用肥料には多種多様なものがあるということです。
肥料の知識がない方が闇雲に購入して水槽に投入するのはリスクが高すぎます。
まずは園芸用肥料の知識をしっかりつけ、水槽に投入できるものを選定し、適正量を判断することも大切です。
園芸と水草育成での環境の違いを考える
庭などの園芸では生物の死骸や糞などから生成される栄養分はそんなに多いものではないのでバランスのとれた肥料を与える必要があります。
水槽内では熱帯魚の排泄物や死骸、餌の食べ残しなどから窒素やリンは常に作られているので過剰になりやすいため足りない栄養素だけを与えることで水槽内の栄養バランスを整えて水草が吸収しやすいようにします。
水槽内では固形肥料で根からの栄養吸収を助け、液体肥料にて水中の栄養価を高め、葉や茎から必要な栄養を吸収させるという考え方が必要になってきます。
よって液体肥料にはカリウムや鉄分に特化した肥料もあり、水草の状態を観察しながら添加し、栄養バランスを整えていくのです。
このような育成方法は水草育成特有の肥料の与え方かもしれません。
100均の園芸用肥料で水草を育てる方法
100均の肥料は水槽が栄養過多になりやすいのであまりお勧めできないことは事実ですが、水草を育てられないわけではありません。
言い方を変えれば「100円均一の肥料は使い難い」ということになります。
全く肥料を入れずに水草が肥料不足になるくらいなら100均の肥料でさえも入れたほうが水草にとってはよいはずです。
あとは100均の肥料の特徴をしっかり理解し、日々の管理を怠らなければよいのです。
窒素とリンだけ多くなってしまうのでしたら、水換えの頻度を高めて余った栄養がコケの栄養となる前に水槽から排出してしまえば良いのです。
また、水草を多めに入れることによりしっかり栄養を吸収させた方がコケが生えにくいのも事実です。
さらにコケ取り生体を入れ、コケ対策を行っておけばコケの蔓延に悩まされることも少ないはずです。
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このように水槽の状態を常に把握しながらコケの発生を抑える対策をしていけば100均の肥料でさえ水草育成には効果があると言えます。
ただ、水草専用の肥料よりも細かいところに気を使い、こまめなメンテナンスが必要となることは間違いありません。
それでも100均の肥料で代用するか、代用できないと判断するかはご自身の判断に委ねられるところとなるのです。
まとめ
- 100均の肥料でも水草は育ちますがコケが蔓延しやすい。
- 環境の違いにより栄養のバランスが取りにくい。
- 肥料の添加量がつかみづらい。
- カリウムなどの不足がちになりやすい肥料のみを添加できない。
- 100均の肥料の方が日々の管理が大変になる。
このようなことを総じて考えて100均の肥料にメリットを感じるか、デメリットを感じるかは人それぞれでしょう。
私個人の考えでは経験と知識が豊富な人でしたら100均の肥料を使いこなすこともできると思いますが、水草育成初心者の方には水草専用の肥料を使うことをお勧めします。
今回は100均の肥料で水草は育つかについてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただけると幸いです。