テープ状の葉が揺れる姿が美しいバリスネリアの育て方
バリスネリアはテープ状で半透明の葉が水中で揺れる姿が美しい中景から後景向きの水草で、幅広い環境に適応できる種が多く、初心者にも育てやすい水草とされています。
また、ロゼット型水草の中では生長が早い方で光合成も活発に行うため、明るい光を受けてきらめく気泡をつける姿は見応えがあります。
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バリスネリアの好む環境
バリスネリアは丈夫な水草ですので大磯砂でもソイルでも育てることができ、CO2の添加が無くても育成は可能です。
ただし光合成を活発に行わせ、色鮮やかに育てたいのであれば二酸化炭素の添加を行った方が育成は容易になります。
またバリスネリアの仲間の中でも種類により若干好む水質に違いがありますのでご自身の水槽環境に合わせた種類のバリスネリアを選ぶこと、もしくは育てたいバリスネリアの好む水質に環境を合わせることをお勧めします。
バリスネリアの増やし方
バリスネリアはランナーで増えるタイプの水草ですのでしっかり育てればどんどんと子株を出して勝手に増えていってくれる水草です。
よって増やすのは簡単なのですが、その反面元気に育てれば育てるほど自分勝手にあちこちと伸びていってしまい、レイアウトを崩してしまいますので意図しない場所に子株を出し始めたら早めにカットしてレイアウト維持に努めましょう。
バリスネリアのレイアウト
バリスネリアのレイアウトはその特性からどうしても後景配置か若干中景くらいになるでしょう。
無理やり前景にもってくると生長したら水槽前面がバリスネリアで覆い尽くされてしまい圧迫感が出てしまいますのであまりお勧めできないレイアウトです。
前景を低く保ち奥に行くにつれて高さを増すようなイメージでレイアウトを構成することで水槽内に奥行きと広さを保つことができます。
バリスネリアが溶ける・枯れる
バリスネリアは非常に丈夫な水草ですが、やはり植物ですので光合成がしっかりと行える環境が整っていなければ枯れてしまうこともありますし、また黒くなって溶けてしまうことなどもあります。
その原因は大きく分けて二つの原因が考えられ、購入時の状態の悪さと育成環境の悪化でしょう。
購入時の状態の悪さとはファームでの育成状態及び輸送時の状態に問題があり、ダメージを受けていることがあります。
ダメージを受けた水草は見た目に黒ずんでいたり、触った感じがフニャフニャしていたりと明らかに健康な状態とは違った面が見られます。
そのような水草はそのまま水槽に投入しても回復するどころか他の健康的な水草にも悪影響を及ぼしますので投入前にしっかり確認しておきましょう。
バリスネリアの場合には根元が黒ずんだり、溶けかかっている部分があったらその部分だけカットします。葉は一部でもダメージを受けている箇所があったら根元からカットし、健康な葉だけを残します。
しかしほとんどの葉にダメージが見られるような時は特にひどい部分だけカットし、水槽に投入しましょう。
あまりにも葉をカットし過ぎると今度は上手く光合成を行うことが出来ずに生長に支障をきたしてしまいますのでそのような時はある程度新芽の確認が出来るようになったら古い葉をカットしていくような管理方法で対応しましょう。
二つ目の育成環境の悪化による枯れとは、最初は問題なく育っていたのに途中から急に生長が止まり、枯れだしたなどというときに考えられる原因の一つです。
そのような時に考えられる要因は水質の悪化で、特に底砂内の水質の悪化が懸念されます。長期に渡り水草や熱帯魚を飼育していると徐々に熱帯魚の排泄物や餌の食べ残しなどが沈殿し水槽の底に溜まっていきます。
それらの物質は濾過バクテリアの働きによりある程度は分解されますが、許容量をこえると水槽内の水質の悪化へと繋がりますので定期的な水換えなどで常に良好な状態に保っておくことが必要です。
バリスネリアのトリミング
バリスネリアなどの水草は有茎系水草と違い、茎で立ち上がっているわけではなく節目もないので途中からカットしてもそこから新芽を出すことはありません。
またカットした葉は成長の勢いを失い、コケなどが付きやすくなりますのでバリスネリアのトリミングはできる限り根元ギリギリのところでカットするようにしましょう。
ある程度元気に生長し、葉が密集してくると通水性や光の当たり具合に悪影響を及ぼし、生長の弱まる葉やコケが付着してくる葉、古くなった葉などが出てきますのでそのような葉を見つけたらこまめにトリミングを行いましょう。
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バリスネリアの種類
バリスネリアにも多くの種類が存在しますが、ショップなどでも特に人気の品種をご紹介します。
バリスネリア スピラリス
世界の温暖地域に広く分布している面からもわかるように環境適応能力が高く非常に育てやすい水草です。
半透明でテープ状の葉が水槽の後景に緑の茂みを作り出してくれます。
CO2の添加や特に強い光が無くても育つ水草ですが、鮮やかな緑色や気泡を沢山つける姿を見たいのであれば光合成が活発になる環境作りをお勧めします。
スクリューバリスネリア
日本原産のバリスネリアで和名をネジレモといい、もともとは琵琶湖の固有種でしたが、現在では東南アジアのファームなどで育てられたものが広く流通しています。
名前からもわかるようにテープ状の葉がねじれながら成長していく姿が他の水草にはあまり見られない姿なので水槽のアクセントとなります。
好む水質に対しては日本原産の水草ですので水草の中でも南米産の水草より若干、弱アルカリ性から中性で硬度のある水質を好む傾向があります。
よってソイルで育てられないこともないですが、大磯砂などと相性が良い水草と言えます。
ただ大磯砂で育てる場合には今度は肥料不足になることがありますので根元に肥料を添加してあげると元気に育ちます。
バリスネリア ナナ
バリスネリアナナはバリスネリアの仲間の中でも特に小さいバリスネリアで葉の幅が細くコンパクトなところが人気で、他のバリスネリアでは少々持て余してしまうような小型水槽などにオススメのバリスネリアと言えるでしょう。
原産地はオーストラリアで、好む水質は弱酸性から弱アルカリ性と幅広いので日本原産のスクリューバリスネリアよりはソイルなどでも育てやすいでしょう。
バリスネリア ナナは強めの光量を維持することで背丈を低めに抑えることが出来ますので、その特徴を上手く利用すれば中景のアクセントとしてレイアウトに用いることもできます。