水槽ヒーターの電気代はいくら?計算値と実際の電気代が違う理由
水槽ヒーターの電気代はどのくらいかかる?
水槽ヒーター50W、100W、200Wそれぞれの電気代は?
ワット数の低い水槽ヒーターは電気代が安い?
水槽ヒーターの実際の電気代はどのくらい?
水槽ヒーターの電気代を節約する方法は?
こんな水槽ヒーターの電気代に関する疑問についてご紹介いたします。
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水槽ヒーターの電気代はどのくらいかかる?
水草水槽に限らず、アクアリウムを始めるにあたって気になることの一つが維持費という方も多いのではないでしょうか。
水槽を長年維持していくにあたってどのくらいの費用がかかるのか?
水槽維持に対して細かく言えば、餌や薬剤などの消耗品の購入や水換えに使う水道代などもありますが、ここでは電気代に焦点を絞ってお話ししたいと思います。
水槽を維持するための電気は濾過フィルター、照明、水槽ヒーター、電磁弁など様々な場所で利用されています。
その中でも一番ワット数が高くなる水槽ヒーターに対しての電気代を考えてみましょう。
水槽ヒーターに対しての電気代が計算できるようになれば、他の設備に対しても基本的には同じ考え方で計算できるはずです。
水槽ヒーターの電気代は1Whの電気料金×ワット数×使用時間×日数で計算できます。
1kWhの電気料金は、平成26年4月に公益社会法人全国家庭電気製品公正取引協議会が発表しました新電気料金目安単価(税込)の1kWh27円を参考に計算してみましょう。
この単価をkWhからWhに変換しますので0.027円となります。
電気料金や日数は個人差がほとんどないですが、ヒーターのワット数は使用しているヒーターによって違ってきます。
それぞれの水槽ヒーターごとに計算してみましょう。
水槽ヒーター10W、50W、100W、200Wそれぞれの電気代は?
水槽ヒーターにも様々な種類がありますが、今回は10W、50W、100W、200Wの水槽ヒーターで計算してみましょう。
まず、10Wの水槽ヒーターといえば、4リットルくらいまでのコンパクト水槽に利用されるヒーターです。
0.027(1Whの料金)×10(W)×24(時間)×30(日)=約194円ですので、1ヶ月にかかる電気代は194円で1日6円程度です。
50Wの水槽ヒーターは20リットル未満くらいの小型水槽向きヒーターです。
0.027(1Whの料金)×50(W)×24(時間)×30(日)=約972円ですので、1ヶ月にかかる電気代は972円で1日32円程度です。
100Wの水槽ヒーターは30リットルくらいまでの水槽に利用できるため30cm水槽や45cm水槽などで利用されることが多いヒーターです。
0.027(1Whの料金)×100(W)×24(時間)×30(日)=約1940円ですので、1ヶ月にかかる電気代は1940円で1日65円程度です。
200Wの水槽ヒーターは80リットルくらいまでカバーできるため60cm水槽などで使用されることが多いヒーターです。
0.027(1Whの料金)×200(W)×24(時間)×30(日)=約3888円ですので、1ヶ月にかかる電気代は3888円で1日130円程度です。
60cm水槽のヒーターでも1日缶ジュース1本程度の金額となります。
一つの趣味としてこの金額を高いと取るか、安いと取るかは人それぞれだと思いますが、実はこの計算値はあくまでも理論値であり、実際にかかっている電気代はもう少し安くなっています。
その理由は水槽用ヒーターは1日中稼働しているわけではなく、水温が設定温度に達するとスイッチが切れる仕組みになっているからです。
ここでの計算値は1日24時間常に温め続けている時の電気代です。
ワット数の低い水槽ヒーターは電気代が安い?
ここまでの計算値をみるとワット数の低い水槽ヒーターは電気代が安いように見えます。
しかし、実際にワット数の低い水槽ヒーターは電気代が安く済むのでしょうか?
確かに理論値では安くなっていますが、実際は水槽サイズに対して理想のワット数よりも低いワット数の水槽ヒーターを選ぶことはおすすめできません。
その理由は先にもご説明しましたように水槽ヒーターは設定温度になるまで温め続ける機能があるからです。
逆に設定温度に達するとサーモスタットが感知して加温を止める仕組みとなっています。
よって適正水量のワット数の水槽ヒーターを使えば短時間で水槽の水温は設定温度に達するため、実際の水槽ヒーターの稼働時間は短くなります。
逆にワット数不足でいつまでも水槽の水温を上げきれないヒーターは常に稼働していることになります。
その分、長い時間電気を使用していることになります。
また、いつまでも設定温度に達しない水槽は生体にとっても悪影響を及ぼしかねませんのでやはりおすすめできません。
ワット数の低い水槽ヒーターで電気代を抑えたいのでしたら、そのヒーターの容量にあった水量の水槽でアクアリウムを楽しむしかありません。
水槽ヒーターの実際の電気代はどのくらい?
ここまでは計算値や理論値での水槽ヒーターの電気代の話をしてきましたが、水槽ヒーターの実際の電気代はどのくらいなのか?
調べる方法はないのか?
水槽ヒーターが実際に稼働している時間を正確に測ることはできないため、計算では実際の電気代を知ることはできません。
しかし、電化製品の電気代を測定できるワットチェッカーを使うことで実際の電気代を知ることができます。
ワットチェッカーの種類は様々で、使用電気量を測定できる機能に加えて、電源のオンオフが自動でできるタイマー機能を備えたものなどもあります。
水槽ヒーターにタイマー機能は必要ありませんが、水槽の照明点灯管理に利用することで照明の電気代を測定しながら、管理もできるようになりますので非常に便利な製品と言えます。
水槽照明におすすめ リーベックス 節電エコタイマーET55
こちらのワットチェッカーはタイマー機能を備えたワットチェッカーです。
決まった時間に電源のオン・オフができるうえ、曜日ごとの設定も可能です。
1時間あたりの電気料金や積算使用電気料金なども表示できる優れものです。
トラッキング防止プラグが採用されているため、水槽周りでのショートによる火災リスクも低減できます。
表示画面が大きく見やすい サンワサプライワットモニター
こちらの製品はタイマー機能は付いていませんが、表示画面が大きく見やすいのが特徴です。
水槽ヒーターなど電源のオン・オフが必要ない設備への使用をおすすめします。
水槽ヒーターの電気代を節約する方法は?
水槽ヒーターの電気代を知ることができたら、次は電気代の節約・節電を考えるはずです。
実はちょっとした工夫で水槽ヒーターの電気代をかなり抑えることができます。
その方法とは
- 水槽の蓋をしておく
- 水槽は室内の暖かい場所に置き、なるべく窓際は避ける
- 水槽の水量にあったワット数の水槽ヒーターを選ぶ
- 断熱材を使用する
- 室内のエアコンを常に付けておく
などが挙げられます。
水槽の水温はヒーターを使用することで一年を通して安定した温度に保つことができます。
しかし、室温に関してはエアコンを使用していないと冬場には水槽の水温より低くなってしまうことがあります。
この水槽周りの室温と水温の差が大きい程、水槽ヒーターの稼働率が高まり、電気代が高くなってしまいます。
よって室温を水槽の水温と同じ温度以上に保つことで水槽ヒーターの電気代は抑えることができます。
そのような理由から気温が上がる春から夏にかけては水槽ヒーターの電気代は安くなります。
では、冬場は電気代が高くなってしまうのはしょうがないのか?
その問題に対して一つずつ工夫をしていきましょう。
まずは水槽の蓋をしておくことです。
水槽の蓋をすることで湿度が低い冬でも水の蒸発を抑えることができます。
せっかく温めた水が蒸発してしまっては水槽の水温は下がってしまいます。
よってできる限り水の蒸発を抑える工夫をすることで結果的に電気代を抑えることができます。
水槽の蓋は水の蒸発を抑えるだけでなく、水槽内の暖気を逃がさない効果もあります。
水槽と外気の温度差が大切というお話をしましたが、その点については水槽をできるだけ暖かい場所におくことで対策ができます。
冬の窓際などは特に冷え込みますので水槽の置き場としてはあまりおすすめできません。
水槽の水量にマッチしたワット数の水槽ヒーターをしっかり選ぶことの大切さは先にもご紹介した通りです。
水槽周りに発泡スチロールなどの断熱材を使用するのもいい方法です。
昼間は断熱材があると水槽の見た目が悪くなってしまいますので、寝る前など夜だけ水槽を囲うようにしておくとよいでしょう。
このようにちょっとした工夫をすることでも水槽ヒーターの電気代はかなり抑えることができます。
水槽ヒーターの電気代まとめ
- 水槽ヒーターの電気代はワット数によって変わってくる
- 60cm水槽のヒーターでも1日缶ジュース1本程度の金額
- 30cm水槽と90cm水槽では小さい水槽のほうが水槽ヒーターの電気代は安い
- 実際の水槽ヒーターの電気代は計算値よりも安くなる
- 実際の水槽ヒーターの電気代はワットチェッカーで測定することができる
- 水槽ヒーターの節電には水槽の水温が下がらないような対策が必要
今回は水槽ヒーターの電気代に関する疑問についてご紹介しました。皆様の水槽管理の参考にしていただけると幸いです。