水槽の水換えの水作り|水温合わせとカルキ抜きのやり方
水換えの水温合わせは必要?水の温度差があるとどうなる?
水槽にお湯や水を入れても大丈夫?
水槽の水換えに使う水の水温はどのように合わせればいいのか?
カルキ抜きの時間とタイミングは?
こんな水槽の水換えの水作りに関する疑問についてご紹介いたします。
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水換えの水作りの重要性
水槽の水換えがアクアリウムにとって大切なことは多くの人が知っている事実です。
ほとんどの水槽トラブルは水換えをしっかり行うことで回避できるとさえ言われているくらい水換えは水槽管理において大切な作業です。
そんな水換えにおいて適切な頻度と適切な排水方法を意識している人は多いようです。
しかし、本来水換えにとって一番肝心な水換えの水作りを知らず知らずの間に疎かにしてしまっている人もまた多いようです。
折角適切な頻度で水換えを行っても水換えの水をしっかり作っていなければ、やはり多くの問題が起こってしまいます。
水換えの水作りで重要な事は水温合わせとカルキ抜きです。
厳密に言えばphも大切ですが、日本の水道水を使用していれば、大抵の生体の理想とするphを保てているため、毎回ph合わせに気を使う必要はありません。
それよりも最も問題が起こりやすい水温管理と水道水の塩素を除去するカルキ抜きを気にかけるべきです。
水換えの水の温度差があるとどうなる?
水槽の水温はヒーターで保っているにも関わらず、足し水の温度は測らないで足してしまう。
そんな水換えをしていませんか?
「少しの量なら大丈夫だろう。」
「すぐにヒーターが温めてくれるだろう。」
そんな思い込みが熱帯魚や濾過バクテリアなどに大きなダメージを与えてしまっているかもしれません。
熱帯魚やエビなどが耐えられる水温差は1日で5℃以下とも言われています。
あくまでも1日の間での話です。
それが水換えによって急激に変化してしまえば、熱帯魚にとってどれだけストレスになるかは容易に想像ができるはずです。
ちなみに水槽にどのくらいの水を足したら、どのくらい水温が下がるかご存知でしょうか?
水槽の水換えによる水温差
水の温度は以下の公式で割り出す事が出来ます。
xは水換え後の水温
水槽の水温t1 足し水の水温t2
水槽の水量m1 足し水の水量m2として
(t1×m1+t2×m2)/(m1+m2)=x
60cm水槽の水を三分の一交換した場合
60cm水槽の水量は約65リットルですので計算しやすいように60リットルとしましょう。
水槽の水温25℃、水道水の水温10℃の場合
25℃×40ℓ+10℃×20ℓ/40ℓ+20ℓ=(1000+200)/60=20となります。
よって水槽の水を三分の一交換すると水温は20℃まで一気にさがってしまうことになります。
さらに分かりやすいように水槽の半分の水を交換したとして計算してみましょう。
25+10=35 35÷2=17.5となり水槽の水温は17.5℃となります。
水槽の水換えを水温差を気にせずに行った場合、25℃から短時間で17.5℃まで下がるわけですから、水温差7.5℃です。
水換えの水温差によって水槽に起こる問題
急激にこのような温度差が起こってしまうと
- 熱帯魚がじっとして動かなくなる
- 熱帯魚の泳ぎ方がフラフラしておかしくなる
- 熱帯魚の色が抜けたように薄くなる
- 数日後に白点病などの症状が現れる
- 最悪は数日で熱帯魚が死んでしまう
このような問題が起こってしまう事があります。
さらに目には見えないですが、熱帯魚にこれだけの問題が起こるのですから、濾過バクテリアにも多大なダメージを与えてしまっているはずです。
そうなるといくら水換えを行っても、いつまでも水質が安定しないなどの問題も付き纏うようになります。
これでは何のための水換えかわからなくなってしまいます。
水換えを行えば行うほど問題が大きくなるのでは本末転倒な話となってしまいます。
水槽にお湯や水を入れても大丈夫?
それでは水温が下がらないように水槽にお湯を入れるのはどうか?
この方法もおすすめできません。
水槽にお湯と水を一緒に入れたとしても一時的に水温のムラができてしまううえ、狙った水温にピタリと留めることができないからです。
最終的に微調整をして狙った水温に出来たとしてもその間に極端な水温変化が起こるので、やはり熱帯魚にとって良くない環境と言えます。
それでは水換えに使う水の水温はどのように合わせれば良いのか?
水換えに使う水の水温合わせ方法
水槽の水換えに使う水の作り方には何通りかありますが、基本的な考え方は水槽投入前に水を作っておくことです。
その方法とは
- ヒーターで水を温めておく
- お湯と水を混ぜて最適な水温にする
- お湯を冷ます
などが考えられます。
ヒーターで水を温めて水を作る
ヒーターで温めて水を作る方法は一番シンプルな方法と言えます。
水換え用の水をバケツなどに汲み置きし、そこにヒーターを入れておきます。
水の量にもよりますが、翌日には適温になり、水換え用の水としてつかえるようになります。
お湯と水を合わせて水換え用の水を作る
お湯と水を合わせて水換え用の水を作る方法は短時間で水換え用の水を用意できることや新しい水をすぐに使えるなどのメリットがあります。
ただ、水温調整をする作業などを行わなければいけないデメリットはあります。
先にご紹介しました計算方法で計算すれば狙った温度の水を作ることも可能です。
気温が低い季節には外気の影響で水温が下がってしまうことも考慮して少し高めに作ると良いでしょう。
例を挙げると10℃の水と給湯器から出した40℃のお湯を半分ずつあわせると25℃になります。
季節ごとの水道水の温度を測りながら微調整すると良いでしょう。
最後のお湯を冷ます方法はさらにシンプルです。
給湯器から出したお湯を置いておいて水温計が適温になったら使う。これだけでOKです。
ヒーターで温める方法でもお湯を合わせる方法でも大きめのポリタンクを用意しておくと管理が楽になります。
カルキ抜きの時間とタイミング
水温合わせが終わったら、水道水のカルキを抜くカルキ抜きも忘れずに行いましょう。
カルキ抜きはカルキ抜き剤を規定量投入するだけで完了です。
カルキ抜き剤を水の量に合わせて規定量投入すれば、入れた瞬間にカルキは無効化されますので、カルキ抜きに時間をかける必要はありません。
これで水換え用の水作りの完了です。
最後に水槽に水を注ぎ込みますが、この時にもちょっとした気遣いが必要です。
足し水をそのままドバドバと入れてしまうと水槽中が大騒ぎになってしまい、沈んでいる有機物などを巻き上げてしまうこともあります。
沈んでいる有機物を舞い上げてしまうと水中が富栄養化してしまうため、コケが生えやすい環境になりかねません。
そのような事が無いように足し水も出来るだけ静かに入れるのがコツです。
一つの方法として排水時に使用したプロホースを逆に使い、ポリタンクから水槽に水を送り込むようにすると静かに水を出す事ができます。
水槽の水換えの水作りまとめ
- 水換え用の水作りで水温合わせとカルキ抜きは重要
- 水温合わせをしないで水換えを行うと生体に大きなダメージを与えてしまう
- 水槽に直にお湯や水を入れて水温合わせをする方法は温度の急変が起こるため良くない
- 水温合わせをする方法にはヒーターを使用する方法とお湯を合わせる方法が一般的
- 水温合わせ後はカルキ抜きも必ず行う
今回は水槽の水換えの水作りに関する疑問についてご紹介しました。皆様の水槽管理の参考にしていただければ幸いです。
長期間水換えのいらない水に