水草水槽.com>>水草のトラブルQ&A>>水草水槽レイアウトで流木を使いこなせ!
『流木の魅力』こんなことを語る人はアクアリウムをされている方でもそんなに多くはないでしょう。確かにアクアリウム水槽ではその中に生息する熱帯魚や水草などが主役になることは間違いありません。
流木はどちらかと言えばその主役たちを引き立てる為の脇役的存在でしょう。さらには一歩引いて客観的に見ればただの朽ち果てた木々かもしれません。
しかしそのような天然素材だからこそ水槽内に自然観を演出することが出来るのです。自然の中で長い月日をかけて陽の光、空気、水、生物などにより風化していく流木の姿は一つとして同じものを作ることはできません。
そのような流木をレイアウトに取り入れることにより自分だけの表現ができるうえに流木の置き方や組み合わせ方でレイアウトの可能性は無限大に広がります。
まだまだ流木について語れと言われれば後2000文字位は書けそうな勢いですが、あまりにも流木の魅力ばかりを書いていると流木販売店の店員になってしまいますのでそろそろ本題に入りましょう。
水草水槽、ネイチャーアクアリウムなどでレイアウトに頻繁に用いられる流木ですが初めて流木をレイアウトに取り入れようとする人には思いもかけない問題が多いのも事実のようです。
アクが出て水が黄ばむ、流木の周りに白いモヤモヤ、流木が水に浮いてしまい沈まないなど意外にも多い流木のトラブルについてご紹介いたします。
さらにはトラブルとまでは言いませんがどんな流木を選べばいいのか?どのようにレイアウトすれば見栄えのするレイアウトになるのか?など流木レイアウトの悩みについても触れてみましょう。
まずは流木導入時に一番多いとされている水の黄ばみについて話を進めていきましょう。流木を使用したレイアウトでは水槽内の水が薄い黄色や場合によっては茶色く濁ることがあります。このような症状は特に水槽セット初期に多く、理由がわからずに困惑する初心者の方も多いかもしれません。
流木を使用するとなぜ水が黄ばむのかその原因から考えてみましょう。先にも述べましたが流木は天然素材であり、自然の中で枯れるなどして倒れた樹木が川の流れに揉まれていくことにより長い年月をかけて流木が形成されていきます。
長い期間、川の水にさらされることにより有機物が分解され水に溶け出していきます。そして残された部分が分解されにくい硬い木質の部分や樹脂、タンニン酸やフミン酸などで水槽の水を色付ける原因はこのタンニン酸やフミン酸などです。着色の度合い、黄ばみや濁りの色合いを左右するのはレイアウトに取り入れた流木の種類や上記物質の含有量が影響しています。
水槽の水の黄ばみが流木から出るアクであることがわかったら次に出てくる疑問はこのアクは水草や熱帯魚などに害はないのか?ではないでしょうか。
水が色づくことは観賞目的で設置してある水草水槽などにとっては嬉しいことではないですがそれはあくまでも飼育者側にとっての弊害であり、それ以上に大事なことは中にいる生体の健康状態のはずです。
その点については心配する必要はありません。流木から出るアクの主成分はタンニン酸やフミン酸などの有機物であり、これらは自然の川にも含まれる成分で、特に熱帯雨林を流れる河川では含有量が多く紅茶色をした通称ブラックウォーターと呼ばれる川も多く存在します。
そのような河川を生息地としている熱帯魚や水草は透き通った水よりもブラックウォーターを好む種も多く、産卵を促すためにブラックウォーターを利用することもあります。
とはいえ、透き通った水の中に広がる水草レイアウトは美しいものです。またアクによる濁りは水中の照度を低下させてしまいますので多くの光を必要とする種類の水草にとっては問題となるはずです。
害はないけれどできれば取り除きたい。そんなに流木からのアクに対するアク抜き方法もご紹介しましょう。流木のアク抜き方法としてよく言われる方法に鍋で煮るやり方がありますがこの方法は実はあまり現実的ではないのでその他の方法を考えてみましょう。
確かに水につけて温度を高めることにより水の黄ばみの原因となるタンニン酸やフミン酸を強制的に流木から抽出してしまえば、その後溶け出してくるものも少なくなるといった考え方は正論ですがその作業方法に抵抗があるはずです。
まず、水槽に入れるような大きくて複雑な形をした流木が入るような大きめの鍋は一人暮らしの人などはまず持ち合わせていないでしょうし、家にそのような鍋があったとしても料理に使う鍋で流木を煮ることに多少なりとも抵抗はあるはずです。
そうなるとやはり違う方法を検討したくなるものです。鍋で流木を煮るやり方以外の方法としては下記のような方法があります。
購入した流木の表面に汚れが目立つような時はブラシなどで表面を水洗いします。この時、流木の種類にもよりますが力任せにゴシゴシとやりすぎると流木の表面を崩してしまいますのであくまでも付着した汚れを落とす程度で行います。
その後、大きめのバケツなどに水を張り1週間ほど沈めておきます。この作業は流木のアク抜きと浮力を無くさせる為に行います。
乾燥している流木などは意外にも中に多くの空気を溜め込んで浮力を持っているものがあるのです。そのことを知らずに購入してすぐに水槽レイアウトに取り入れてしまい水草を配置して水を張ったら・・・・浮いてきたーー‼︎
何故沈まないの⁇ なんて事もあるようです。そんなことにならないようにしっかり浮力の確認もしておきましょう。
水に浸けておく期間は季節や周りの温度、流木の状況などにより左右されますので1週間経てば問題なく使えるというものでもないので状況に応じて対応する必要があります。
まだ浮力が多少残っている流木をレイアウトに取り入れる際やどうしても早めにレイアウトしたいなんて時にはレイアウトした流木の上に重石を置くなどして対応する方法もあります。
流木の前処理が終わったら水槽に入れ、レイアウト作製ですが前処理をしたからといって全くアクが出ないわけではありません。前処理によって黄ばみの度合いが軽減されるので残りのアクは水槽を立ち上げながら対処していきます。
水槽立ち上げ初期は流木の使用の有無に関わらず頻繁に水換えをした方が立ち上げに失敗しにくいものですので、そのような事も踏まえて黄ばみが目立ってきたら水換えを行いましょう。
また吸着能力に優れた活性炭を使用することでアクによる黄ばみの問題と水槽立ち上げ時の水質の問題に対応しやすくなりますので是非活性炭は使うことをお勧めします。
活性炭も多くの種類が販売されていますが流木のあく抜きなどに使うのでしたらひかりウェーブのブラックホールなどがお勧めです。
水の黄ばみ具合にもよりますが高い吸着能力を維持するには2週間に一度くらいの周期で新しい活性炭に交換するようにしてください。
流木導入時に起こりやすい問題のもう一つが水カビです。これは必ず発生するものではなく、稀に発生することもありますので予備知識として捉えておいてください。この水カビは水分を多く含む流木ほど発生しやすいもので見た目がツルツルしているような生木に近い流木は注意が必要です。
レイアウト後に水カビを見つけた時は速やかにホースなどで吸い出しましょう。付着力はさほど強くはありませんのでブラシなどで軽くこすると簡単に取れます。ある程度除去が出来たらヤマトヌマエビやオトシンクルスなどのコケ取り生態に後は任せておけば水質の安定とともに発生は治っていきます。
ここまでは流木を始めて使う時の注意点とトラブル対策について話を進めてきましたので次の更新では流木の選び方とレイアウトについてご紹介いたします。
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