黒髭コケを食べるサイアミーズフライングフォックスの習性と悩み・見分け方
サイアミーズフライングフォックスと言えばハケ状コケや黒ひげコケ、緑色の糸状コケなど様々なコケをついばむように食べてくれるコケ対策生体としてアクアリウムにおいては欠かせない存在となりつつあります。
そんなサイアミーズフライングフォックスの個体差による性格や特徴、さらにはサイアミーズフライングフォックスの見分け方などもご紹介いたします。
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サイアミーズフライングフォックスのコケ取り能力
サイアミーズフライングフォックスは非常に大食漢であり一日中水槽内を泳ぎまわりながらコケを見つけては食べてくれます。
コケの繁殖力が強く、コケだらけになってしまった水槽への投入により数日でコケを全滅させてしまうこともあります。
特に他のコケ取り生体があまり食べない黒髭コケや明るい緑色の糸状コケなどを好んで食べる習性があります。
サイアミーズフライングフォックスの個体差と習性
購入後すぐのサイアミーズフライングフォックスには個体差があり、私の経験では購入後1ヶ月以上経ってもほとんどコケに手を出さない固体もあります。
なぜこのような個体差がでてしまうのか実験をしてみたところサイアミーズフライングフォックスには非常に強い仲間意識があり、水槽内に数匹いれると必ず数匹で群れるように行動をしています。
この群れる動作の中にはサイアミーズ同士の学習能力を共有する意味合いがあることも解ってきました。
実験的にとあるショップで購入したサイアミーズを4匹水槽内にいれて様子を見ましたが、1ヶ月以上経過しても4匹とも底砂近辺のコケにしか手を出さず水槽内の糸状コケやハケ状コケはほどんど変化が見られませんでした。
そこに別の水槽から数年飼い込んだサイアミーズを投入してみました。
このサイアミーズは私の水槽内でも常にコケをついばみ、非常に食欲旺盛な元気な個体で投入したコケ水槽ではすぐにコケに向かっていきついばみはじめました。
すると予想どおり最初に入れたサイアミーズ4匹も先輩の後を追うかのように団体行動をはじめ、今まで見向きもしなかったコケを食べ始めたのです。
その後、その水槽は1ヶ月間変化の無かったのが嘘のように2、3日でコケは全滅してしまいました。
後から入れたサイアミーズがほとんど食べてしまったのではと言う疑問もでるでしょう。
確かに食べていますが他のサイアミーズの行動スタイルが明らかに変化した事は事実で、これがサイアミーズ同士における学習能力なのです。
熱帯魚に餌を与える際にも慣れてくると人が近づくだけで熱帯魚は水面に寄ってきます。
これも学習能力の一つといえるように生物は生きるために本能的に学習をしていくもので、今回のサイアミーズフライングフォックスの場合、仲間が食べているものに即発された形となったものと推測できます。
このようなことからサイアミーズをコケ取り用のメンテナンスフィッシュとして販売しているショップではベアタンクなどで入荷したものをまとめておくのではなく、コケの生えた水槽で、ある程度習慣づけをしたサイアミーズを販売していただくことを希望いたします。
また購入される際にも水草水槽などで元気良くコケをついばんでいる個体を見つけて購入されるようにするといいと思われます。
サイアミーズフライングフォックスの見分け方
最後にサイアミーズフライングフォックスの見分け方についても簡単に触れておきましょう。
サイアミーズフライングフォックスとして販売されている個体の中には尾びれまでラインが入っていない種類のものもあるようです。
この種類はコケを食べる能力が低いとされていますので購入時には注意してください。
写真のように尾びれまでしっかり黒いラインが入っているものは大丈夫ですので購入時にチェックしてみてください。
ただこのように違う種類のものがサイアミーズフライングフォックスとして紛れ込むようなことはひと昔前の話であり最近のショップさんのしっかりとした管理ではあまり見られなくなりました。
今回は黒髭コケを食べるサイアミーズフライングフォックスの習性と見分け方についてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただけると幸いです。