コブラグラスを水上葉で増やす方法と屋外ビオトープ
コブラグラスを水上葉で増やす方法と屋外ビオトープに取り入れる方法などをご紹介いたします。
この方法はコブラグラスに留まらず、ヘアーグラス、グロッソスティグマ、キューバパールグラスなど多くの前景草やグリーンロタラ、ウォーターバコパ、ハイグロなど有茎草にも適応可能です。
もちろん細葉のコブラグラスとして知られているコブラグラスモーリシャスも同じ育成方法で問題ありません。
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コブラグラスを水上葉で増やすコツ
コブラグラスは水草の中でも非常に耐寒性に優れた水草ですので四季を問わず屋外で育てることができます。
ただ、しっかりと生長するのはやはり気温が20℃を超える頃からになりますので屋外での水上葉育成を始めるのは5月頃からが適していると言えます。
暖かい時期に育成を始め、しっかりと根付けばそのまま冬を越すことはできます。
しかしいくら耐寒性の強いコブラグラスでも寒い季節から水上栽培を始めようとしても無理があることはご理解ください。
コブラグラスの水上葉育成にあたっては赤玉土に水草の固形肥料を混ぜたものを用意し、適度に湿らせてコブラグラスを植栽します。
あとは乾燥しない程度に湿度を保てば新しい葉をどんどん展開してくれます。
コブラグラスの水上葉育成で気をつける点は田んぼの土のような土であまり水をひたひたにしない方が良いということです。
そのような環境でも育つことは育ちますが、赤玉土などのように通気性の高い土で育成した方が根がしっかり呼吸出来るため根の育ちが良くなります。
その結果、根は元気に太くなり葉もどんどんと伸びるようになります。
このことは水槽内でも言えることでソイルが潰れて通水性の悪くなった環境ではコブラグラスの根が黒ずんでしまうこともあります。
水草は土の団粒構造を保ちながら通気性を保ってあげた方が上手く育ちます。
さらに田んぼのような状態と強い太陽光が合わさると根元にコケが蔓延してしまうことがあります。
折角水上葉で栽培して増やしてもコケが付着していては水槽に植えることもできません。
グリーンロタラやウォーターバコパのような有茎草であれば根元にコケが付着していても綺麗な先端だけカットして使えますが、コブラグラスのような前景草の場合にはコケの持ち込みになってしまいます。
よってグロッソスティグマやヘアーグラス、キューバパールグラスなどの前景草に対してはこのような水上葉育成方法が向いていると言えます。
コブラグラスは植栽直後の管理が重要
水草の水上葉育成はどの種も一度根付いてしまえば非常に丈夫なのですが、植栽直後の管理方法によっては枯れてしまうこともありますので一番気を使う時期でもあります。
植栽直後は強すぎる光と高温には注意が必要です。
植えたばかりではしっかり根から水分を吸収できないため強すぎる光を浴びると萎れたり枯れたりしてしまうことがあります。
初めのうちは朝日だけ当たる場所におき、日中の強い光は避ける方法や遮光ネットを張り太陽光を和らげる方法などがあります。
また、プラケースなどで育成する方法であればプラケースの蓋をして太陽光を弱める方法などもあります。
この方法は湿度も保つことが出来るためコブラグラスの葉の色合いが明るく育ちやすい育成方法です。
デメリットとしては真夏になると蒸れてしまうこともありますので上手く空気の入れ替えができるようにしておくことが大切です。
温室栽培による害虫対策
水草の水上葉栽培を温室で行う方法もあります。
この方法ですと温湿度管理がしやすいため水草の水上葉が元気に育ちやすいというメリットがあります。
その反面暖かい温室内は多くの害虫が好む環境でもあります。
オンシツコナジラミのような羽虫やナメクジなどが付着することもありますが、そのような時には一度コブラグラスを水の中に沈めてしまうことで駆除ができます。
コブラグラスのビオトープ栽培
コブラグラスは先にも述べましたが耐寒性に優れた水草ですので屋外ビオトープで使用することも可能です。
ただ、コブラグラスだけのビオトープですと水質浄化能力が不足気味になりコケに見舞われてしまうこともあります。
水質浄化能力の高い水生植物と合わせてビオトープを作るか、先に沢山のコブラグラスを水上育成し、調子の上がったところで水を注ぐスタイルでビオトープを作り上げるなどの工夫が必要です。
コケの問題さえクリア出来れば、コブラグラスは青虫などの害虫による被害も少ない水草ですのでビオトープには最適な水草とも言えます。
コブラグラスの花
水草の中にはニードルリーフのような黄色い花やウォーターバコパのようなすみれ色の綺麗な花を咲かせるものもあります。
コブラグラスも一応花らしきものを咲かせることもありますが、非常に小さくて花?というほどですので水上葉栽培でコブラグラスの花を楽しむということはあまり期待できません。
今回はコブラグラスの水上栽培についてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただけると幸いです。