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アナカリス 花が咲く条件ってある?水中でも咲く?蕾から開花までの観察記録

2023年7月31日

今年も我が家のプラ池とビオトープでアナカリスの花が咲いたので、アナカリスの花が咲く条件や果たして水中でも咲くのか?と言う点についてもふれていきたいと思います。

アナカリスのお花は、とても小さく繊細で一度咲いた花は翌日には枯れてしまうほど儚いです。今回はアナカリスが小さな蕾をつけてから、どれくらい日数で開花するのかその経過を観察してみました。

アナカリスはどんな水草?

アナカリスは日本在来種の『クロモ』と良く似ていますが、害草扱いされる事もある【外来種】です。

とはいえ、さほど手間もいらず強健な品種なので初心者の方でも育てやすい品種です。植えなくても、ただ浮かべるだけでも生育し良く増えるので金魚鉢やビオトープなどにも良く利用されていますね。

アナカリスの基本情報

自然界のアナカリス

Egeria densa Planch

アナカリスの原産地:南米(アルゼンチン)

水質:弱酸性~弱アルカリ性

『トチカガミ科』に属し、淡水に生息する水草で別名は『オオカナダモ』です。真っすぐに伸びる茎に細長い葉っぱが特徴的で、茎は1メートル以上伸びます。

成長スピードがとても速い分、水質の浄化能力も高いのもアナカリスの特徴で大きなメリットの一つですね。

軟水~中硬水(どちらかと言うと『やや硬水』の方がアナカリスは元気な傾向があります。)

アナカリスの生育場所は、北海道を除く河川や沼・池などです。開花時期が近づくと、水上まで顔を出し可愛らしい白い花を咲かせます。

アナカリスは元々大正~昭和初期にかけて植物生理学の実験プランツとして輸入された水草で、今では日本のみならず世界各地で帰化している【外来植物】になります。

アナカリスのデメリットとしては水槽内で長く伸び続ける茎は景観を崩しやすく、あっという間に水面を覆ってしまう事から【害草】扱いされる事もあります。

実験用として日本に輸入された株は、すべて雄株になりますので種での収穫はできません。

もしアナカリスを増やす場合は、茎部分を切り分けたり差し戻しする事で容易に繁殖は可能です。非常に強健な外来種なので、屋外での作業時にアナカリスが水路に流出しないよう取り扱いには充分注意してください。

水温は10~30℃と幅広いですが、適温としては22~28℃くらいです。冬場でも凍る事さえなければ屋外でも越冬できますので、霜や雪に当たらないように管理すれば問題ありません。

アナカリスの育て方】については下記ページをご参照下さい。

アナカリスの開花時期

アナカリスの花4

アナカリスの開花時期は、お住まいの地域やそれぞれの環境によっても左右されるかと思いますが、だいたい5月から10月の間に開花する事が多いようです。アナカリスの花びらは3枚で凹凸のある薄い花びらが特徴的で、上記は雄花になります。

アナカリスの花のサイズ

上記の花はまだ完全に咲ききってはいませんが、花のサイズを計測したところ15mmくらいでした。ここからもう少し広がります。

アナカリスの蕾1

次にアナカリスの蕾ですが、視覚的に確認できる段階で蕾は1~1.5mm程度しかありません。ここから蕾がしだいに膨らみながら水面に上がってきます。上記画像で咲いている花は2個めの花で、一番最初の花はすでに枯れていますので、残り2個の蕾がまだ残っている感じですね。

アナカリスは、一か所から約4個ていどの花を咲かせます。

アナカリスの花って珍しい?と言われる事もありますが、我が家もアナカリスの育成当初から花が咲いていた訳ではなく花はある日突然咲き始めた感じです。

人間にとっては過ごしづらくなる、夏季シーズンに水面で花を咲かせてくれるアナカリスの花はとても清涼感があります。

アナカリス 花が咲く条件ってある?

アナカリスの花3

これまでアナカリスを育成し感じた事は、、。

アナカリスを底砂に植え込んだ室内水槽より、アナカリスをただ浮かべただけの屋外ビオトープの方が開花率が高くなります。またアナカリスが花を咲かせる条件の一つとして、必ず葉が水面に達している必要があります。

よってアナカリスは、水面から離れている環境では花は咲きません。ただし底砂に植えた場合でも、水面まで葉が届いていれば開花する可能性はもちろん高くなります。

またアナカリスは開花時にも比較的温暖な環境を好みます。つまりだんだん気温が高くなり始め、夏日が続いてくるとアナカリスにとっては開花しやすい時期に突入します。

家では屋外に置いてある65㎝のプラ池でアナカリスが開花していますが、だいたい梅雨~梅雨明け後あたりでポツポツと開花が始まっています。

花を咲かせる条件は①葉が水面にまで接している事と、②開花に適した水温と③太陽光による光合成が必須と言う事になります!*何かの陰になったり、上手く光合成できない部分は茶色く変色し溶けてしまいます。

例え短時間でも、バリッと太陽光に当ててあげた方が開花しやすくなります。太陽光を浴び始めると、葉からブクブクと気泡をだし光合成を行っているのが視覚的に確認できます。

またアナカリスは④やや高めの硬度を好む傾向があり、開花時にも同様の事が言えます。家で咲いたアナカリスが入っている池の水質もチェックしましたが硬度とペーハーが高めでした。

アナカリスの花が咲く条件ですが、家の場合はほぼ放置のプラ池でも普通に開花しています。つまり、特に手をかけなくても運よく開花条件が自然にそろってしまう事が屋外管理では普通にあります。

我が家のほぼ放置のプラ池にも、【アナカリス 開花の秘密】が隠れているかもしれないので探ってみました。

生態の有無、日照時間、水質、水温などを参考までに下記に記しています。*下記は、我が家の開花時の環境です。

・容器:65㎝プラ池

・底砂:川砂

・水温26度~28℃(日中)

・生態:少なめ(メダカとヒメタニシ)

・バクテリアや微生物が自然繁殖している

・風通し良好

・置き場所は東南壁面の軒下

・日照時間(午前8時頃から正午前まで)*後はほぼ日陰

・水質はph(ペーハー)と硬度は共に高め(測定済み)

・水面には増殖したアナカリスが半分以上覆っている(常に浮かべた状態)*アナカリスは良く増えるので定期的にトリミングし、別ビオトープに移動しています。

・餌や肥料の投与なし

こちらのプラ池に関して言えるのは、特に餌を入れなくても自然の生態系サイクルがすでに出来上がっている印象です。あと以前は、川で採集したフナ2匹入れていました。*この時フナはグングン成長しましたが、アナカリスの花は咲いておりません。*水草を食害する生態は要注意です。

アナカリスが開花するようになった現時点と比較すると、生態を最小限にしている事くらいでしょうか?

またアナカリス以外の水草も入れていましたが、他の水草は枯れて現在はアナカリスオンリーとなっています。アナカリスは本当に丈夫な水草だと実感させられます。

水中でも咲くの?

アナカリスの花 咲かないまま水中で枯れる

上記画像のアナカリスの花は、水上までとどり着くまでに力尽きて溶け始めたアナカリスの花です。水中で蕾のまま溶けるものや、咲きかけで溶けている花をたまに見かけます。

この状態を水中化と呼ぶのは無理があり、アナカリスの花は基本的に水中ではなく、水上まで花茎を長く伸ばし水面で咲く特徴があります。とは言え花は水上で咲きますが、基本的に葉は水上葉にはなりません。

アナカリスは水面に接している状態で、いくつかの開花条件がそろうと花を咲かせる事があります。開花の難易度としては【やや難しい】傾向にあるのかもしれませんが、ただアナカリスを浮かべたビオトープにする事で成功率が格段と上がる事でしょう。

アナカリス 開花までの観察記録

我が家では7月中旬くらいから、アナカリスの花が咲き始めます。今回はアナカリスが、蕾から開花するまでの経過を観察し記録してみました。

アナカリスの花を良く観察すると、茎の根本に『蕾』が確認できるようになります。アナカリスの蕾って見た事ありますか?

水面に上がってくる花は見た事あっても、小さな蕾まではなかなか見つけづらいものです。蕾じたいは、とても小さく水面からは良く見えないので今回その蕾を観察するために、いったんプラ池からタッパー移動しました。

アナカリスってどんな蕾なのか?日々の蕾の成長の様子や、どれくらいの期間で蕾から開花するのか?を追ってみる事にしました。

まずアナカリスの蕾は、こんな感じです。(下記画像参照)

アナカリスの蕾1

では、この蕾がどのように成長していくのかを撮影してみましたので、下記画像をご参照ください。

アナカリス 蕾から開花までの経過観察記録1

1日め・・2個の蕾が確認できますね。

2日め・・朝一番の段階で上側の蕾が少し上に向かって移動しています。午後にはさらに上に向かって移動し、蕾を包んでいる袋の先端付近まで到達しました。

3日め・・朝一番で確認すると、あっという間に蕾が水面に到達していました。ここまで来たらすぐに開花するのかと思いましたが、この日は1日蕾のままでした。(水面からは3㎝ほど顔を出しています)

4日め・・朝一番で完全に開花!

感想

最初は1mm程度の小さな蕾なので、開花までは1週間くらいかかるのか?と思っていましたが、その想像をはるかに上回り蕾から開花までの日数は約3~4日と言う結果になりました。

アナカリスの成長スピードは速いと言われていますが、蕾も負けていません。度肝を抜くその成長スピードの速さに驚くと共に、今回の観察は4日で終了する形となりました。

下記は別の場所に置いてあるビオトープですが、一気に下から蕾が上がってきているのが確認できます。

アナカリス 蕾から開花までの経過観察記録2

今回アナカリスの花を観察して分かった事は、蕾から開花までの期間は約3~4日だと言う事と、花は1日咲いたら次の日には枯れてしまうと言う事です。

またアナカリスの花びらは凹凸がありとても薄いのも特徴で、花終わりはまるで氷が解けるように枯れていきます。また一度水面に達した花も、強風などで花が水面に浸かったり外界からの刺激が加わると早めに花が溶けはじめます。

水面に上がろうとする蕾を、メダカなどの生態がつつく事もあるので水面で開花する前に水中で力つきる蕾もあります。

それにしても、とても儚くて清楚な花です。

アナカリスの楽しみ方

花期が近づいたら清楚な白いアナカリスのお花が見れるかもしれない?と言う点もアナカリスの楽しみ方の一つだと思います。日々アナカリスを観察する事で、新しい発見があるかもしれません。

例えば、アナカリスの蕾の姿はとても神秘的です。人間で例えると、まるで羊水に包まれた赤ちゃんのようなのです。蕾は先端がとがったやや硬めのカプセルのような袋の中に包まれています。

アナカリスの花2

アナカリスの蕾は一個づつ順番に、この袋の殻をやぶり水面へと上がり開花します。アナカリスの成長スピードは、葉だけではなく花も同様で1日1日視覚的に分かるほど成長していきます。

もし、夏季シーズンにアナカリスの花が咲いた際には、ぜひこの神秘的な観察をお楽しみください(⋈◍>◡<◍)。✧♡

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