ウォーターフェザー活着 育ちやすい巻き方とレイアウト・トリミング
鳥の羽を何枚も重ねたようなふわふわしたイメージを作り上げる水草として知られているウォーターフェザー。
そのウォーターフェザーの活着方法(巻き方)やレイアウト、さらには綺麗に維持するためのトリミングなどを紹介しています。
ウォーターフェザーはウィローモスなどと同じ苔の仲間ですので、低床に植え込むような育成スタイルよりも流木などに活着させて育てるのに向いている水草です。
流木への活着以外にも小石に活着させ、低床に敷き詰め、絨毯を作ったり、モスボールを作ったりとレイアウトの幅は広く色々と楽しめる水草でもあります。
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ウォーターフェザーの活着
水草水槽レイアウトにも頻繁に用いられるウォーターフェザーですが、なかなか活着しないなんて話もよく聞きますので、ウォーターフェザーの活着についてご紹介いたします。
ウォーターフェザーが活着しない理由
非常に丈夫で初心者にも育てやすい水草として知られているウォーターフェザーですが、何故活着しないといったことが起こるのでしょうか?
ウォーターフェザーが流木や石などに活着するためにはいくつかの要因がありますが、そのなかでも特に大事なことは、ボリューム・日照・温度・湿度・密着度です。
コケ植物であるウォーターフェザーは水草などの維管束を持つ維管束植物のように、先端の葉が光合成をすることによって、エネルギーが茎を通って根の生長に繋がるようなことはありません。
そのため、ウォーターフェザーを厚く重ねすぎて下の方のウォーターフェザーに光が当たっていないと、下の方のウォーターフェザーは光合成を行えないので生長ができません。
生長ができないと言う事はもちろん、仮根を出すこともできないのです。
この仕組みを理解していないと目に見える表面のウォーターフェザーは光合成を行なって非常に元気に見えるのに影に隠れた下の方の葉は茶色く枯れていて仮根が出なく、活着しないなんてことになってしまうのです。
ウォーターフェザーを植栽する際、初めから完成したレイアウトをイメージして、ウォーターフェザーを流木などに固定してしまうと、どうしても葉と葉が重なり合い厚めになってしまうことが多いので極力薄く固定するように意識します。
レイアウト初期にウォーターフェザーを少なめにすると初めのうちは見栄えが悪くなりますが、長期的な観点からするとその方が全ての葉に光がしっかり当たるため、光合成もしっかりでき上手く活着してくれることが多いものなのです。
活着と光量の関係
薄めに植栽して、活着させたい部分のウォーターフェザーにもしっかり光が当たっているのであれば、次はその光の量について検討します。
ウォーターフェザーはそれほど強い光を必要とする水草ではありませんが、それでも光合成に必要な光量というものがあり、その必要量を満たしていなければやはり日照不足になってしまいます。
水槽内では様々な要因によって光量の減衰が起きてしまっていることを意識して照明を管理しなければなりません。
その幾つかを挙げると、水そのものの屈折率、水深、蛍光灯の経年劣化などがあり、思っている以上に実際は光が届いていないかもしれません。
流木や石などに活着させるウォーターフェザーはその性質上、有茎系水草などに比べても水深の深い場所にある場合が多いものですので特に影響を受けやすいとも言えます。
そのような時は、大きめの流木でレイアウトを組み、水面直下くらいの位置にもウォーターフェザーを植栽できるような工夫をして様子を観察します。
もし、水面直下のウォーターフェザーは問題なく成長しており、底床付近のウォーターフェザーが上手く育たないのであれば光量の不足を疑ってみるべきでしょう。
活着と温度の関係
次は温度ですが、植物の光合成には活発になる温度帯というものがあり、周りの温度が低すぎても、高すぎても光合成活動は低下してしまいます。
光合成活動が低下したウォーターフェザーは色合いが悪くなり、もちろん生長も鈍りますので、仮根もなかなか出さなくなります。
植物により、光合成が活発になる温度範囲に違いはありますが、ウォーターフェザーで言えば20°C〜26°Cの範囲で収まっていれば問題ありません。
この温度範囲を大きく逸脱すると低温、高温ともに光合成は鈍ってしまいます。
活着と湿度の関係
湿度の問題は水槽内(水中)であれば、気にすることはありませんが、テラリウムや水上屋外育成などでは湿度が大きく影響を与えます。
ウォーターフェザーはコケ植物ですので、葉の表面にクチクラ層を持ち合わせていません。よって乾燥にはめっぽう弱く、湿度が低いとすぐに乾燥状態になってしまいます。
乾燥状態=枯れではなく、休眠状態のようになり水分が摂取できればすぐに元の状態に戻ることができるのが、コケの持つ「生き残る為の知恵」でもあるのですが、さすがに乾燥状態では生長しないため適度な湿度を保ってあげる必要があります。
最後が密着度の問題になりますが、水上では重力が働くので、風さえ吹かなければ自然と流木や石に活着できます。
しかし、水中では浮力や水の流れ、生態の動きなどがありますので、そのままではなかなか固定されないものでもあります。
よってただ乗せるだけではなかなか活着してくれませんので、テグスや糸などでしっかり巻きつけて固定します。
もしテグスや糸などで巻きつけた状態が水槽イメージに合わないので避けたいという場合には、流木などにウォーターフェザーを活着させてから水槽に投入する方法もあります。
ウォーターフェザーの巻き方
ウォーターフェザーを上手に育てるには最初の巻きつけ方が大きく影響を与えます。
先にも述べましたが、最初から完成レイアウトを目指して巻きつけるとどうしても厚くなり過ぎてしまいますので、薄く薄く巻きつけるように意識しましょう。
巻きつけた全ての葉にしっかり光が当たるように巻くことが上手に巻きつけるコツです。
ウォーターフェザーのレイアウト
ウォーターフェザーのレイアウトは流木に巻きつける手法か前景に配置する方法が一般的です。
石などに活着させてアクセントのように所々に配置するのも面白いレイアウトです。
ウォーターフェザーの絨毯
前景にある程度のスペースを設け、そのスペース全面にウォーターフェザーを植栽するようにするとウォーターフェザーの絨毯を楽しむこともできます。
ただ、ウォーターフェザーを密生させるときには、苔対策や水質の悪化対策をしっかりする必要があります。
葉が密生すればするほどそこには熱帯魚の糞やエサの食べ残しなどが溜まりやすくなるものです。
それらをそのままにしておけば、その場で腐敗が始まり、水質が悪化し、その結果、苔にも見舞われやすくなるのです。
よって定期的な掃除と通水性の確保が必要不可欠となってきます。
ウォーターフェザーの掃除は葉の隙間に溜まったゴミを掻き出すように行い、ホースなどで排水します。
また、ウォーターフェザーは低床に植え込むのではなく、小石などに活着させてレイアウトを施すことが多いので、小石ごと取り出してバケツなどで濯いでから戻すようにすると簡単に綺麗にすることができます。
その点、グロッソスティグマやリシアなどよりも掃除がしやすい水草とも言えます。
ウォーターフェザーのトリミング
掃除と同じくらい大切な通水性の確保のためには定期的なトリミングが欠かせません。
トリミングは通水性確保以外にも全ての葉に光が当たるようにしたり、古い葉を除去したりと色々なメリットがあります。
ウォーターフェザーは何度も言っていますように苔の仲間ですので、トリミングの箇所(カットする箇所)に特に決まりはありません。
よって好きな箇所からカットし、また流木などに巻きつければ増え始めます。
最後に
活着の作業が大変!活着するまでの期間も待てない!そんな人には流木に水草を活着させたものも販売されていますので、購入して水槽に投入すれば完成です。
市販のものはレイアウトの自由度は制限されてしまいますが、手軽さという面で優れているのは間違いありません。
また、ウォーターフェザータイルやウィローモスマットなど底床の上に置けば簡単に前景を作り上げてくれる商品もありますので、うまく取り入れてみるのも面白いかもしれません。
今回はウォーターフェザーの活着についてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただけると幸いです。