サイアミーズフライングフォックスの混泳 エビやメダカは大丈夫?
サイアミーズフライングフォックスと言えば水槽のコケを掃除してくれるコケ取り生体。
そのサイアミーズフライングフォックスは熱帯魚水槽でしか飼育・混泳はできないのか?
メダカやエビなどとの混泳は可能なのか?混泳で注意することは何か?
それら熱帯魚以外の生体とサイアミーズフライングフォックスとの混泳についてご紹介いたします。
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サイアミーズフライングフォックスの混泳
サイアミーズフライングフォックスはコケを主食とする草食性の強い熱帯魚ですので、仲間同士(サイアミーズ同士)の混泳は全く問題ありません。
同種同士争うようなことはなく、群れを成して泳いでいることも多々あります。
サイアミーズ同士の混泳で気をつけたいことと言えば、餌の確保くらいでしょう。
小さな水槽や水草などが少ない水槽にサイアミーズをたくさん飼育してしまうと主食となるコケが不足してしまうことがあります。
よって水槽サイズとサイアミーズの数を意識しながら、初めのうちは少ない数で飼育するようにしましょう。
次にサイアミーズと他種生体との混泳についてそれぞれの注意点やメリット・デメリットをご紹介いたします。
サイアミーズとエビ類との混泳
サイアミーズとエビ類との混泳は水草水槽などではごく普通に見られる光景です。
エビの仲間の中でも海水や吃水に生息するエビとなると話は別ですが、淡水に生息するヌマエビであれば、ほぼ問題なく混泳させることが可能です。
特にミナミヌマエビやヤマトヌマエビとの混泳はお互いに好むコケに違いがあるので、水槽内の様々なコケ対策として有効です。
サイアミーズとエビ類との混泳では特に注意点と言うものもなく、メリットの方が多いものです。
サイアミーズとメダカの混泳は水温に注意
サイアミーズとメダカの混泳も可能ですが、ここで気をつけたいのが、屋外飼育では混泳は不可能ということです。
性格的な相性だけを見ればどちらも温和な魚ですので混泳は可能です。
しかし、適正水温や飼育環境となるとそこに違いが生じます。
日本メダカは水面が凍るような季節でも屋外で越冬することができますが、サイアミーズフライングフォックスはそうはいきません。
サイアミーズフライングフォックスの生息地はタイやマレーシアなど東南アジアの広い地域に分布しています。
それらの地域は日本より遥か南、赤道直下からその付近となるため、一年中気温は安定しており、最低気温が20℃を下回ることがほとんどありません。
そんな環境に生息しているサイアミーズフライングフォックスですので、やはり飼育に適した水温も20℃以上を保てるようにしたいものです。
そのような環境で生息しているサイアミーズを日本で屋外飼育すればどうなるかは容易に想像ができるはずです。
よってメダカとの混泳を考えるのであれば室内飼育でヒーターを使用し、水温を管理できる環境を整えることが必要です。
サイアミーズと金魚との混泳
さて、一番厄介なのがこの金魚との混泳です。
金魚とサイアミーズとの混泳は、メダカの時と同様に水温や飼育環境はサイアミーズの好む環境に合わせなければなりません。
そのことを前提に幾つかの問題点についても考えていきましょう。
まず、一つ目が金魚という一つの大きなくくりの中にも様々な種類の金魚がおり、それぞれに性格も異なります。
出目金やピンポンパールのようにずんぐりむっくりした体型で泳ぎがあまり得意ではないタイプや和金やコメットのように忙しく泳ぎ回る種類のものもいます。
どちらかといえばサイアミーズも忙しく泳ぎ回る種の魚なので出目金などとの混泳はストレスを与える要因となるので避けたいところです。
さらに金魚との混泳には食性の違いも影響してきます。
サイアミーズは水草や流木に生えたコケを好むのに対して、金魚は水草そのものを食べてしまいます。
よってサイアミーズの好む環境を作ろうと水草を多めに入れても金魚によって食い荒らされてしまうこともあります。
さらにサイアミーズ、金魚ともに長生きですのでどちらも10cmを超える大きさになることもあります。
そのような場合、どちらかが大きすぎたり、小さすぎたりするのも混泳には適さない条件となってしまいます。
よってこのような条件を踏まえて考えると金魚とサイアミーズとの混泳はお互いに小さい時には可能なこともあるという程度に考えておいてください。
基本的には、あまりお勧めできない不向きな組み合わせと言えます。
混泳に対する考え方
最後にサイアミーズフライングフォックスの混泳に限ったことではないのですが、アクアリウムにおける混泳に対する考え方についてもまとめておきます。
混泳とは様々な生き物を同じ環境で育てることです。
生き物である以上、絶対大丈夫ということはありません。
同じ種の生体でも個体差によって気性の荒い者もいれば大人しいものもいます。
よってここで紹介している情報はあくまでもそれぞれの種の相性として捉えてください。
個体差によっては混泳可能な種同士でも問題が生じることもありますし、環境が左右することもあります。
例を挙げれば、小さな水槽では喧嘩やイジメが起こることがあっても、大きな水槽で流木や隠れ家となる水草などを沢山入れたレイアウトにすることにより問題なく育てることができることもあります。
そのようなことを肝に銘じ、毎日しっかり観察し、何か異変を感じたらすぐに対応できる環境を整えておきましょう。
また、多くの生体を飼育すれば必然的に水槽の水質は悪化しやすくなるものですので、混泳に対しても適正数は必ず守るようにしましょう。
ただ、「沢山の種類の熱帯魚を飼いたい」
そんな飼育者の都合や想いを優先するのではなく、水槽環境(水質)を維持できる飼育を優先し、長期的にアクアリウムを楽しむようにしましょう。それが綺麗な水槽を維持するコツです。
今回はサイアミーズフライングフォックスの混泳についてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただければ幸いです。