赤系水草が赤くならない
緑鮮やかな水草水槽において赤系水草はちょっとしたアクセントにもなり、また緑と赤のコントラストも素晴らしいものです。
しかし水草育成の質問においても赤系水草が赤くならない。
色合いが悪いなどの質問をよく見かけます。
よってこのページではそんな赤系水草の赤色を綺麗に出す方法をご紹介いたします。
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初心者にお勧めな赤系水草の種類
赤系水草も最近では多くの種類が流通していますが、初心者の方にも育てやすく流通量の多いものではロタラインディカやニードルリーフルドウィジア、ロタラマクランドラ、リスノシッポハイグロフィラロザエネルヴィス、アマニアグラキリスなどがあります。
この中でハイグロフィラロザエネルヴィスだけはちょっと赤くなる仕組みが違うため別物と考えてください。
赤系水草が赤くなる仕組み
水草の育て方はだんだんと解ってきてうまく育つようになってきたけれどなぜか赤い水草が赤くならない。
そんな壁にぶつかる方も多いようですが、なぜ赤くならないのか?
まずは水草が赤くなる仕組みを理解しているでしょうか?
ここが一番大切なところであり物事においてどんなことでもそうですが、仕組みをしっかり理解することが問題解決の糸口となってきますのでまずは赤系水草が赤くなる仕組みについて考えてみましょう。
例を挙げると照明の強い光を浴びてもまったく赤くなることのないグリーンロタラと赤くなるロタラインディカではなにが違うのか。
赤くなる水草とならない水草の大きな違いは水草体内に含まれるアントシアニンの含有量に左右されます。
アントシアニンの含有量が多い赤系水草はアントシアニンにより葉緑体がカバーされる形となり緑色ではなく赤く見えています。
アントシアニンは光合成に直接関与するものではありませんが、光合成に使用される光を吸収するため葉緑体に必要以上の強い光が当たるのを防ぐ効果があります。
水草個々で必要とする光の量は違います。
必要以上の光が当たると余分な光は葉緑体内で活性酸素を生じるため活性酸素によって葉緑体の光合成機能が低下させられてしまいます。
そのような問題を防ぐためにアントシアニンがガードをしていると思っていただければいいとおもいます。
緑色である葉緑体を赤色色素のアントシアニンがカバーすることで私たちの目には水草が赤く見えてきます。
またさらにその赤色を鮮やかにするためには光合成が活発に行われていなければなりませんので光合成が活性化するように必要な養分を不足させないことも重要となります。
光合成において活躍しているクロロフィルaと言う物質を形成する成分として鉄分が重要なカギを握っています。(クロロフィルaを生成するまでには低分子から順次生成していく流れがありますが今回は割愛させていただきます。)
鉄分の補給をしっかり行うことで結果的に赤系水草の赤色を鮮やかにすることに繋がります。
赤系水草を赤くするために必要な事
水草が赤くなる仕組みが分かったところで必要な事を整理してみましょう。
まずは光合成が活発に行われるために光、二酸化炭素、栄養を十分与えることです。(鉄分も忘れずに)
次に活発になった光合成が必要以上の光から葉緑体を守ろうと思うほどの光量を保つこと。
このことから照明に近い水面下の葉が一番赤くなりやすく、下に行くほど赤くなりにくい仕組みも理解していただけるとおもいます。
またアントシアニンは酸性で赤色、アルカリ性で青色に近い色合いになるため水質をしっかり管理することも重要になってきます。
ただアルカリ性にしたからといって赤系水草が青くなるわけではありませんが、中性に近い水質ですと赤い発色が他の色素と中和され色合いが悪くなります。
レイアウトに使用する石の種類にもよりますが、石組みレイアウト水槽などではpHと硬度が高くなりやすいため赤系水草が赤くなりにくいものです。
逆に流木レイアウトではpHと硬度を低く保ちやすいため赤系水草が赤くなりやすい環境とも言えます。
「環境は整っているのになかなか赤系水草が赤くならない」なんて時には水質測定をしてみると問題が見つかるかもしれません。
co2二酸化炭素を添加することでpHを下げることができますので、赤系水草を赤くするために二酸化炭素の添加が有効なことも納得できます。
赤系水草を赤くするまとめ
- 水草の中には赤くなりやすい水草となりにくい水草がある。
- 光合成を活発にすることで赤くなる。
- 水草が赤くなるには鉄分も重要なので肥料で補う。
- 水草を赤くするには光とco2二酸化炭素と栄養のバランスが大切。
- 水槽の水質が弱酸性に傾いていると赤くなりやすい。
- pHが高くなりやすい石組みレイアウトなどは赤くなりにくい。
- 二酸化炭素をしっかり添加することでpHを下げることもできる。
今回は赤系水草を赤くする方法についてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただけると幸いです。