水草の再利用 トリミングなどで余った水草の活用法
水草水槽を管理していると稀に感じる疑問の中に「余った水草をどうしよう」などということがあります。
この疑問も人によってさまざまですのでなんのためらいもなく廃棄してしまう方もいるでしょうが、どうにも余った水草を見ていると植物の生命感を感じてしまい捨てられないものでもあります。
そんなトリミングやレイアウト変更で余ってしまった水草の利用方法をご紹介いたします。
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トリミングで余った水草を水上で育成
生長の遅い陰性水草や前景水草ならあまり気にはなりませんが、生長の早い有茎系水草などを管理していると水草が元気に育てば育つほどトリミング作業に追われてしまうものです。
逆に水草がうまく育たずにコケだらけになってしまった時などもリセットを考え水草の総入れ替えを考えることもあるはずです。
また今までのレイアウトに飽きてしまい違ったレイアウトを模索した時などもイメージと違う水草は水槽から外されてしまうかもしれません。
このように水槽の事情や水槽を管理するアクアリストの都合などで思っている以上に水草は余ってしまうものです。
このような時にお勧めしたいのが水上葉を展開させる水草ガーデニングです。
ガーデニングと言うと少し大げさかもしれませんが、空いている植木鉢に植えて窓際などに置いたり、口の大きなガラス瓶などにいれ、部屋に置いておくだけでもちょっとしたインテリアになります。
原種の生息地などに左右されますが、水草は多くの種が水中と水上の両方の環境で育つ事ができます。
これは水草が持ち合わせる素晴らしい環境適応能力がなせる技の一つとも言えます。
水草が生息する水辺は乾季や雨季によって季節ごとの水位変動が大きく、このような変化に適応するため水上と水中のどちらでも生き抜くことができるようになりました。
雨季もしくは通常時期は水中で水中葉を展開しており、乾季や雨不足の年などには水上葉を展開しているのです。
水草はヒーターにて温度管理をされた水槽内で育てているので四季がある日本では屋外では育たないのではと思われがちですが、水草の中には日本原産のものもありますので十分日本の環境でも育成は可能です。
また南米や東南アジア原産の種などは確かに暖かい環境を好みますが、日本でも5月くらいから10月くらいの時期なら問題なく育てる事ができます。
冬季には屋内で育てる事が理想ですが、種類によっては屋外で冬越しをさせる事も可能です。
全ての水草が冬越しをできるかと言われると難しいですが、多くの種は霜よけや簡単な寒さ対策をしてあげるだけで冬越しをしてくれます。
冬場は枯れこんでしまいますが根はしっかりと生きており、春になると新しい芽を次々にだしはじめ、春先の新芽の展開には水草の生命力の凄さを毎回感じさせられるものでもあります。
水草の水上化はさほど難しいものではありませんが下記点には注意してください。
季節ごとの水上葉管理
春先は日光のよく当たる場所に置いて土が乾く前に水を与えるようにしてください。
この時期が水草を水中葉から水上葉に変えるには一番適した時期でしょう。
次に夏場の注意点はあまり直射日光に当てない事と温度上昇対策です。
水草は葉の構造や生育環境などから夏場の強い直射日光に弱く、すぐに葉焼けやしおれる原因になってしまいます。
またそのような状態にまでならなくても体内のカロテノイドの働きにより葉の葉緑体を守ろうと赤みや黄色みを帯、水草本来の美しさが失われてしまう事もあります。
直射日光が苦手といっても光合成には太陽の光は必要ですのであまり真っ暗な場所に置いてもよくありません。
水草には朝日が一番最適なため朝日がうまく当たる場所におき、昼すぎには日陰になるような所がいいでしょう。
水やりは朝早くに行うのが理想でさらに夏場は葉の乾き具合を確認しながらこまめにシャワーリングをしてあげると元気に育ちます。
冬場にはあまり水を与えすぎると逆効果になってしまい最悪は腐って枯れてしまいますので控えめにしてください。
土が乾いたら霧吹きで軽く湿らす程度で問題ありません。
冬場は水に浸かった状態にしてしまうと水温の低下に耐えられずに腐ってしまいますので土の中の暖かい場所で越冬させるようにします。
水草は水上で上手く育てる事により、水中では見られない多くの表情を見せてくれます。
品種によっては水中とは全く違った葉をつけるものや綺麗な花を咲かせるものもありますので今水槽の中にある水草が水上でどんな姿を見せるのか挑戦されてみてはいかがでしょうか。
今回は余った水草の活用法についてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただけると幸いです。