水草は二酸化炭素をどのように取り込むか

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水上化したロタラナンセアン

二酸化炭素は水草(植物)が光合成をおこなうためにはなくてはならない物質です。

空気中の二酸化炭素濃度は約0.035%と非常に希薄ですが水上葉はこの程度の濃度の二酸化炭素でも光合成を行い生長しています。

ただし空気中の二酸化炭素濃度が植物の生長にとって最適であるかといえばかならずしもそうとは言えないようで環境を完全に制御した実験では二酸化炭素濃度を空気中よりも高くした方が光合成速度が向上し生長に有利であるという結果がでているからです。


一方、水中の水草は二酸化炭素をどのようにして体内に取り込んでいるのでしょうか。水の中で光合成をおこなうためには二酸化炭素が水に溶けていなければなりません。

二酸化炭素は水にかなり溶けやすいのですが空気中のもともとの濃度が低いので水中に溶ける量もたかがしれています。

空気中の二酸化炭素は水と接触している面から溶け込むためより多くの二酸化炭素を水に溶け込ませるためには空気と水の接触面積をなるべく大きくしたほうがよいでしょう。しかしいずれにしても飽和量以上に二酸化炭素は溶けないので水草にとってはいつも二酸化炭素が不足している状態にあるといってよいでしょう。

このような希薄な二酸化炭素の環境下で光合成をおこなうためにある種の藻類は二酸化炭素を濃縮して細胞内に取り込むシステムをもっています。このような藻類は細胞膜にカルボニックアンヒドラーゼという酵素があり、この酵素により二酸化炭素を水中の約1000倍にまで濃縮して光合成を行っています。

このように藻類・苔はその環境下で生き抜くために独自の進化を遂げており、水槽内でもその環境に適応する藻類が増殖するわけですのでやっかいな相手であることがさらに実感できてしまいます。

話が少々ずれてしまいましたので本題に戻りますが水中の二酸化炭素は空気中とは全く異なる状態となります。それは溶けた二酸化炭素が水のpHによって異なった分子の状態になるということです。

水中に溶け込んだ二酸化炭素は酸性域では遊離の二酸化炭素状態で存在しますが中性付近では重炭酸イオンでアルカリ性域では炭酸イオンとなります。藍藻の多くはアルカリ性を好み、酸性域では増殖することができません。このような藍藻は二酸化炭素ではなく炭酸イオンあるいは重炭酸イオンを細胞に取り込んで光合成を行っています。

よって水槽立ち上げ時に水槽内を弱酸性に保つことにより藍藻の発生を抑えることができるのです。富栄養化が進んでしまった水槽や硝化バクテリアのバランスが崩れた水槽でpHが弱アルカリ性に傾いているとすぐに増殖して見た目にも悪くなってしまいます。

逆に水草の多くは弱酸性を好むものが多いため弱アルカリ性での二酸化炭素ではなく炭酸イオンあるいは重炭酸イオンではうまく吸収ができないため光合成が活発にならず生長障害を起こしてしまいます。苔ばかり増殖して水草がうまく育たない水槽などではこのような仕組みを頭に入れ再度環境の見直しをすることをお勧めいたします。

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