水草トリミングのタイミングと時期 水草水槽のレイアウト管理
水草の種類別にトリミングのタイミングと時期についてご紹介いたします。
水草トリミングのタイミングと時期はトリミングを行う目的によって変わってきますので、トリミングの目的を理解しトリミングのタイミングを掴むようにしましょう。
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水景維持のためのトリミング
水草レイアウトにおいて水草が元気に生長している姿を見るのは心が安らぐものです。
水草育成をはじめた当初は新芽が顔をだしたり、ランナーがいつの間にか伸びていたりするだけでうれしいものです。
時間の経過とともに前景を綺麗に覆いつくすグロッソスティグマやヘアーグラスの絨毯などが完成したときはさらに喜びを覚えるものでもあります。
しかし水槽内に自然環境を作りあげるということは自分の意図した景観になる時期もあればさらに生長し、逆に景観を崩していってしまう時期もあります。
さらに時間が経過すると今度は水面まで伸びた有茎系水草が光を遮り背の低い水草の生長障害を起こすことも考えられます。
また過度な密生は水流を弱め通水性を悪化させ、コケの発生を抑制することにもつながります。
よって適度なタイミングでトリミングを行わなければなりません。
水草トリミングのタイミングと時期
大型水槽などではある適度水草の生長に任せて自然のままにということも可能ですが、60cm水槽以下の小型水槽などでは上記のような問題を事前に防ぐことと綺麗なレイアウトを維持するためにも定期的なトリミング(カット)を行わなければなりません。
水草トリミングのタイミングと時期はトリミングを行う目的によって変わってきますので、トリミングの目的を理解しトリミングのタイミングを掴むようにしましょう。
トリミングには水槽の環境や水草の種類によって色々なテクニックがありますが、初めのうちはあまり難しく考えすぎずに伸びすぎた水草を間引く位の気持ちで始めてみましょう。
実際にトリミングを行いトリミング作業に慣れることでカットの方法や水草の性質など学ぶことは多いものです。
どのような時がトリミングを行うタイミングに適しているのか簡単に例を挙げてみましょう。
水草の間引きやレイアウト維持
水草の適度な間引きや意図しない方向に伸びてしまった水草のカットなどなら特にトリミングのタイミングを気にする必要はありません。
間引きや伸びすぎてしまった水草のトリミングは水草そのものが元気に育っているからこそ行う作業ですので水草の調子を気にかける必要もないのです。
逆になかなか水草が生長していない時期や明らかに調子を崩している時期などにはトリミングによるストレスを与えないほうが良いのでトリミングは避けた方が良いでしょう。
水中葉が展開しだしたら
レイアウト初期には購入した水草の種類によっては水上葉をレイアウトすることもあります。
水上葉には輸送に強いことやコケの持ち込みを防ぐこと、環境変化への適応の速さなどメリットが多くありますが、水槽内ではいつかは枯れてしまうものです。
水上葉は水中という環境の変化により新しく水中に対応した水中葉を展開しその役目を終えていきます。
水中葉が展開しだし、水上葉が黄色く変色を始めたら水上葉の付け根からカットをおこなってください。
そのまま放置しておくとやがて溶けだし水槽内の水質の悪化やフィルターの目詰まりの原因となってしまいます。
コケの付着が増えたら
水草の葉が古くなったり、葉が密集し過ぎて通水性が悪くなってくるとコケが付着しやすくなるものです。
以前にも増して水草の一部にコケが付きやすくなったらトリミングを行って改善する方法もあります。
前景水草のトリミングタイミング
前景にはヘアーグラス、コブラグラス、グロッソスティグマなどの背丈の低い水草を植栽する方法が一般的ですが、これらの水草も放っておくと背丈が伸びすぎてしまったりランナーが重なりあって圧迫感がでてしまいます。
重なり合った水草は通水性を悪くするうえ、下の方の葉が枯れてしまいますので厚みが出る前にカットしてすっきりさせておきます。
ヘアーヘアーグラスは根もと1~2cmくらいでカットします。
カットした当初は見た目が悪くなりますがヘアーグラスはカットした葉はそれ以上生長しないこととカットすることにより葉の生長が鈍り苔がつきやすくなります。
よって低めにカットし脇からの新芽の展開を促すようにします。
悪い例としては自分の希望の高さ(4~5cmくらい)でカットしてしまうと時間の経過とともにその葉にコケが発生しせっかく出た新芽が揃う頃に綺麗な隣の葉にコケが移ってしまうなどで結局レイアウトのやり直しになってしまいます。
よってトリミング時には潔く低めにカットしましょう。
グロッソスティグマもヘアーグラス同様というよりもさらに低くソイルすれすれのあたりでカットします。
このようなカットをおこなうと根しか残らないようになってしまいますがグロッソスティグマもヘアーグラスと同じで地下茎から新芽を展開しはじめます。
グロッソスティグマは環境が整うとヘアーグラスよりも生長が早い為あっという間に小さな葉が顔を出します。
前景種のトリミングのコツは潔く低めにカットし新しい葉の展開を促すことです。
また前景種は背丈が低いため底砂付近に密生するのでどうしてもコケに見舞われやすくなります。
よって古い葉は他の水草よりもこまめにトリミングをおこなうことで綺麗な前景を保つことができます。
またトリミング時にホースなどで底砂表面の汚れを吸いだしておくことも今後の景観維持に大切な作業になります。
中景の陰性水草のトリミングタイミング
水槽の中景にはクリプトコリネなどの陰性水草を植栽こともあります。
これらの陰性水草は生長も比較的ゆっくりでトリミングの手間もあまりかかりませんが、維持のポイントとしては古い葉や大きくなり過ぎた葉などを確認して付け根からカットすることが必要となります。
写真内では右側の葉が古くなりコケもつきはじめていますのでトリミングの時期となってきます。
葉数を減らすことで大きくなり過ぎることを抑えたり通水性を維持する効果があります。
有茎系水草のトリミングタイミング
ラージパールグラス、ロタラインディカ、グリーンロタラなど生長がはやく鮮やかな水草は水槽の背景などに利用されることが多くなります。
これら有茎系水草のトリミングのタイミングは段階的トリミングで植栽後最初に水面に到達したら低めに位置でカットします。
位置に決まりはないですが、カットした部分から時間の経過とともに新芽を複数展開し枝分かれをしていきます。
よってどのような密生レイアウトを作成するかによってカット位置を検討してください。
次に水面に達した時には以前カットした部分より上の位置でカットします。
この作業を2、3回繰り返すことにより1本の根から2、3回枝分かれを繰り返し上のほうで密生した景観をつくりあげます。
この方法は水草の下のほうは本数を少なくし通水性を確保しつつ上のほうは森のような景観をつくることができます。
今回は水草のトリミング時期と水草それぞれのカット方法についてご紹介しました。皆様のアクアリウムライフの参考にしていただけると幸いです。