ヒメタニシは、水槽内の水質浄化に優れていますが、飼育に最適な水温であったり水質・適性な数・餌は何を与えるのか?などの疑問もあるかと思います。
今回はそんな素朴な疑問を、順番に解消していきましょう。
ヒメタニシは他の生体との混泳も可能で、安価な点もお迎えしやすい貝類です。そんなヒメタニシの飼育方法やおすすめの餌・メダカとの相性が抜群な理由などにもふれていきます。
ヒメタニシ水槽での飼育方法
まずは、ヒメタニシ水槽での飼育方法についてです。
飼育される方の好みや、ぞれぞれの飼育可能なスペースなども考慮しヒメタニシにとって最適な環境にしていきましょう。適切な飼育環境をしっかりと整えてあげる事で、ヒメタニシだけでなく他の生体や水草の生長も促進されます。
飼育環境について
ヒメタニシを飼育する際には、まず底砂を敷きつめてあげましょう。ヒメタニシは昼間はあまり活動せず砂の中に潜り込んで休む事がありますので、底砂があると非常に安心します。
そして水草です!ぜひ水草も一緒に入れてあげてください。水草は、隠れ家になったり夏場はほどよく影を作ってくれるので暑さ対策にもなります。ヒメタニシは夏場の水温上昇が苦手なので、カボンバなどの陰を作りやすい水草も非常に有効です。
我が家ではビオトープ水槽に、ヒメタニシを入れていますが大きなカボンバの葉をひっくり返すと葉裏で赤ちゃんタニシが休憩してたりします。可愛いですねzzz
お好みの水草でOKですので、水草を入れてヒメタニシが安心して生活できる環境を整えてあげると良いでしょう。
そして、水温や水質もとても重要になってきます。これらの飼育環境を整えることで、ヒメタニシを健康に飼育することができます。
またヒメタニシは屋外ビオトープだけでなく、室内水槽どちらの環境でも飼育が可能です。ビオトープとは自然の環境を再現した水生生物の生息地(空間)のことを言い、水槽とはガラスやアクリルなどで作られた箱状の容器の事を指しています。
ヒメタニシは脱走しないのでフタは不要!
貝類の中には水槽にフタをしていないと石巻貝のように脱走してしまう貝もいますが、ヒメタニシに関しては脱走の心配がありませんのでフタが出来ないビオトープにも最適といえまししょう。
脱走してしまうような貝類だと、水槽の近くで干からびている?なんて事もありますが、ヒメタニシであればその点は安心ですね。またヒメタニシは水面近くまで上がってくる事がありますが、ちゃんと水面の手前まで来るとピタっと止まります。
ヒメタニシが水面近くまで上がってくる理由は?
ヒメタニシが水面近くまで上がってくるのには、ちゃんと理由がある時もあります。
例えば水面近くに上がってくる要因が、水質悪化や酸素不足の場合も中にはありますのでその辺りの見極めは大切です。
1匹2匹であれば問題ありませんが、飼育している貝のほとんどが水面近くまで上がってくるのは異常ですので良く観察しましょう。もし溶酸素濃度が低い場合はエアレーションをしたり、水質が原因なら水替えするなどして対策されると良いでしょう。
水替えする事で水槽内に、酸素を供給する事ができます。
よってヒメタニシは水質悪化や餌不足・酸素が少なくなると水面に上がってくる習性がある事から、溶酸素濃度や餌の有無・水質悪化(汚染)の指標としても有効なのです。
また水面に上がってくる以外にも、ヒメタニシは飼育水が汚染されると貝を閉じる性質もあります。このような観点から見ても、水槽にヒメタニシを入れておく事は汚染の指標として大きなメリットがあります。
いつも元気に動きまわっているヒメタニシが、フタを閉じてジッとしないか?などヒメタニシの行動を日頃から良く観察しておかれると良いですね。
ビオトープ環境での飼育
ビオトープでの飼育のコツですが、出来るだけ自然の環境に近い条件を整えてあげると良いでしょう。つまり水温や水質、照明などを自然な状態に近づけてあげる事でより自然に近いビオトープが完成します。
またビオトープを作る際は屋外と言う事もあり、外界から入ってくる別の水生生物との共存も考慮する必要もあります。よって冬場や夏場の温度管理等も含め、ビオトープでは水槽のようにすべての環境までコントロールする事ができない点がデメリットです。
しかしビオトープは自然のサイクルが完成しやすく、度々手を加えなくても水質浄化されるメリットがあります。※通常と比較すると水替え回数は減りますが、定期的な水替えは必要です。
水槽環境での飼育
次に水槽での飼育ですが水槽での飼育は電気系統も使いやすいですし、冬場や夏場などの季節に左右されにくく環境のコントロールがしやすいメリットがあります。
どちらの飼育環境でヒメタニシをお迎えしたとしても、水質浄化に貢献してくれる事には違いありません。ヒメタニシが好む最適な環境を目指し、水質浄化能力を最大限に引き出していきましょう。
co2添加水槽には不向き
ヒメタニシに限らず貝類全体に言える事なのですが、co2を添加しているような水槽にはヒメタニシは不向きです。co2を添加した水槽にヒメタニシを長期に渡り飼育してしまうと、貝の表面がはがれるなどのトラブルが起こりやすくなりますので注意が必要です。
万が一ですがco2を添加しているメイン水槽に、ヒメタニシのようなコケ取り生体を投入するのであれば長期間は避けて一時的に投入する形がベストです。
低水温に強く高水温に弱い
ヒメタニシの適正水温は、18~28℃です!とは言えヒメタニシは低水温には耐性があるので、寒い地域でも飼育する事ができます。しかし、逆に夏場の高水温は苦手なので、高水温にならないよう水温管理をしてあげる必要があります。
日本の夏は高温多湿で、最高気温も上昇しつつあり危険な夏が予想されます。ビオトープの場合は、風通しの良い涼しい場所に移動したり、スダレで日陰を作ってあげると良いでしょう。
室内で水槽を管理する場合も、夏場はお部屋の室温はかなり急上昇します。水槽用のファンを使用したり、さらに窓を開けるなどし熱気を逃がしてあげる必要があります。
特にヒメタニシは、高水温になると元気もなくなり、しだいに餌も食べなくなりますので日々観察する事で異変に気付く事でしょう。そうなると、水質浄化どころではなくなってしまいます。
今までコケを食べていたヒメタニシが、コケを食べなくなる事で一時的にコケが増える可能性もあります。例えばヒメタニシの入っているビオトープの水が、グリーンになってきたら要注意だと思って下さい。
よってヒメタニシを飼育する際は、高水温にならないように気を配ってあげましょう。
ヒメタニシに向いている底砂
次にヒメタニシで向いている底砂についてです。ヒメタニシは、夜行性なので昼間は底砂に潜り込んで休んでいます。しかし底砂に潜るのは、何も日中だけではありません。
暑さ寒さをしのぐために、底砂に潜り込んでジッとしている時もあります。つまり、ヒメタニシに向いている底砂は潜りやすいものを選んであげると良いでしょう。
我が家もヒメタニシ水槽にはしっかりと潜れるように底砂も多め(5㎝以上)に入れています。
ヒメタニシに向いている底砂は、荒木田土・赤玉土・ケト土・ソイル・田砂などがヒメタニシの底砂に向いています。すべてに共通するのは、やはり土を掘り起こしやすく潜りやすい点です。
硬くて粒が大きい底砂だと移動する際に体を傷つけるリスクもありますので、やはりヒメタニシの底砂は角がなく粒が細かいものを選ばれると良いでしょう。
また上記のような底砂は微生物が繁殖しやすく必然的にタニシの餌が多くなるため、ヒメタニシの餓死予防にも向いている点もおすすめできる理由です。
自然界にいるヒメタニシを想像して頂くと分かりやすいと思いますが、彼らが生息しているのは泥地や砂地がほとんどです。田んぼや水路にいるヒメタニシは日照りが続き水不足の時は、土底に潜り込みカラを閉じたままジッとしています。
また底砂の色も、自然環境に近づけるのであれば落ち着いた色の方が安心できて良いでしょう。
水質
水質もヒメタニシにとってはとても重要で、飼育する際のphの目安は〇弱酸性~弱アルカリ性(◎おすすめは中性~弱アルカリ性)です。
ヒメタニシのような貝類はあまり酸性方向に傾き過ぎると、殻部分が溶けて薄くなったり削れやすくなってしまいます。
その理由としてヒメタニシは殻を形成する際に、水中に溶け込んでいるカルシウムイオンが必要になるからです。よって硬度はやや高いくらいの方がヒメタニシは元気です。
※一度溶けてしまった殻は再生される事はありませんので、コレ以上溶けないようにする事で対策するしかなくなります。カルシウム不足は、ヒメタニシにとっては死活問題です。
よってヒメタニシは貝類なので、カルシウム不足になると調子を崩してしまうと言う事を覚えておきましょう。
定期的に水質チェックをして、phや硬度が低くなり過ぎないように調整してあげましょう。硬度が低い場合は、カルシウムが強化されているエビの餌・牡蠣殻・煮沸消毒した卵の殻など少しづつ入れて様子を見ましょう。
※ソイルを使用されていて、水草だけ入れているような水槽は硬度が下がる一方で酸性に傾きやすいので特に注意が必要です。
ヒメタニシ 水合わせ
ヒメタニシを飼育する際も、他の生体をお迎えする時と同じで水合わせは必要です。貝殻だからと言って、ポンポン水槽に投げ込んでしまうのではなくちゃんとカルキ抜きしたお水を使用します。
ヒメタニシをショップなどで購入した場合は、まずは袋のまま水槽に浮かべて水温を同じにします。ヒメタニシが入っていた水も、種水になりますので捨てずに再利用しましょう。
どんな生体であれ、急激な環境の変化はとってもストレスになってしまいます。まずは2~3時間くらいそのまま水槽に浮かべておきます。誰かに譲ってもらったタニシも同様で、いったんヒメタニシを水ごと透明ビニール袋に移し水槽に浮かべて水合わせをします。
同じ水温になったらビニールの結びめをほどき、タニシの入っている袋の方にメイン水槽の水を少しづつ流し入れゆっくり水に慣らしましょう。
野外採集したヒメタニシのトリートメント方法
野外採集したヒメタニシなどの生体には、寄生虫や病原菌が付着している場合がありメイン水槽の生体に悪影響を及ぼすリスクも少なからずあるのも事実です。心配な方は、野外採集した生体はメイン水槽に入れない方が無難です。
下記は、野外採集したヒメタニシの水合わせとトリートメント方法です。
野外で採集したヒメタニシの場合はメイン水槽に入れる前に、泥を吐かせる必要があります。また採集したヒメタニシは殻も汚れていますので、歯ブラシ等で優しくこすり洗いをしてあげると良いでしょう。
ヒメタニシはろ過摂食しますので、完全に泥を吐かせ終わるまではバケツなどでもOKなので別容器で水替えしながら管理します。
あとヒメタニシのような貝類ですが魚のトリートメント方法でも良く使用される塩浴は、貝類の場合表面のぬめりを溶かす作用があります。このぬめりは、外界の細菌や病原菌からから粘膜を保護する働きや、移動時の摩耗軽減などの役割もしています。
よってこの【ぬめり成分】を溶かす行為(塩浴)はあまりベストとは言えません。これは貝類に塩浴が向いていない理由のひとつですが、もしトリートメントしたい場合は塩分濃度を0.1以下まで薄くし10分程度の塩浴で済ませ負担を最小限にしましょう。
またメチレンブルー使用したトリートメントも実は貝類には不向きです。もし使用される場合は、濃度を最小限まで薄く(0.01以下)し薬浴も10分程度でサッと済ませ薬浴後は成分が残らないように良くすすいであげて下さい。
野外採集したヒメタニシの泥吐き、必要に応じてトリートメントが終了したらメイン水槽に移します。水合わせですが、イチゴパックのような薄めの透明パックにヒメタニシを移し、しばらくメイン水槽の上部に浮かせておくと水温が同じになります。
メイン水槽の水をイチゴパックの方に少しづつ追加しながら、徐々にメイン水槽の水質に慣らしながらヒメタニシを移動させてあげましょう。
ヒメタニシの餌 おすすめ
ヒメタニシの餌は、どんなものを与えれば良いのでしょうか?
コケが自然発生するなど水槽環境などでは餌が豊富のあるうちは良いですが、コケや藻が全くなくなった時の事も視野にいれておく必要があります。
ヒメタニシは、水槽内の底床やガラス面に発生した茶コケや珪藻類・糸状のコケ・斑点状のスポットコケ・黒ヒゲコケなどを【クレイザー摂食】と言って上手に刈り取って餌にします。
捕食するコケや藻の種類によっては得意不得意はあるものの、ほとんどのコケを食べてくれると言う意味では優秀なコケ取り生体と言えますね。
また【クレイザー摂食】以外にも【デトリタス摂食】や【ろ過摂食】するなど、摂食方法が多いのもヒメタニシの凄いとことです。
ろ過摂食できる貝は、通常シジミやアサリなどの二枚貝が有名ですが、巻貝なのに【ろ過摂食】もできるヒメタニシは本当に最強です。浮遊しているアオコや植物プランクトン・シアノバクテリアなどの有機物を、粘液で固めてろ過摂食しています。
巻貝なので二枚貝に比べると、ろ過スピードはおとりますが時間がかかるだけで濾過能力が優秀な事には変わりありません。グリーンウォーター(アオコ)なども、タニシを入れておく事で徐々に透明な水になっていきます。
その他にも生体の餌の食べ残しなども食べてくれるので、水質が安定しやすいメリットも大きいですね。
注意点としては水槽内に餌となる有機物やコケ・藻類などが沢山あるうちは良いのですが、注意しなくていけないのはコケなど餌となるものを全部食べ尽くしてしまった時になりますね。
コケは自然発生で徐々に増えていきますが、ヒメタニシは大食いなのであっと言う間にこれらも食べ尽くしてしいます。やがて食べる餌(コケなど)が足りなくなってしまうと餌不足で☆になってしまいます。
よってヒメタニシに餌で注意すべき点は【餌不足による餓死】と、この後に説明する【カルシウム不足】です。
ヒメタニシはカルシウムが不足するとカラの先端あたりから溶けて白っぽくなっていくので、これはヒメタニシのカラの状態を見れば一目瞭然です。
ですのでカルシウム不足が見られる前に対策するのがベストですが、現時点でカルシウム不足が疑われる場合は早急にカルシウムを補ってあげる必要があります。
カルシウム対策としては、牡蠣殻や10分くらい煮沸した卵のカラなどを少しづつ様子を見ながら上げていく方法もありますが同時にPHを上げてしまうリスクがあります。phショックに注意が必要です!
ヒメタニシだけ飼育している場合はカキ殻などのカルシウムで良いのですが、他の生体もいる場合は人口餌でカルシウムを補ってあげても良いでしょう。
エビやザリガニもヒメタニシ同様にカルシウム必須なので、これらの餌にはカルシウムが多く含まれているためヒメタニシの餌(カルシウム)としても代用できます。
しかし普段から人口餌に慣れていないと、中には食べてくれない場合もあるので少しだけ入れて食べてくれるか?まずは確認されると良いでしょう。これらの餌は、100均にも売ってますのでお試しにはちょうど良いかもしれませんね。
100均の餌ではありませんが人口餌でヒメタニシが食いつきの良い餌として【プレコの餌】があります。食いつきが良いだけでなく、殻を形成するカルシウムを始めミネラルやビタミンなど栄養バランスも良いので、餓死不足解消にも非常に向いています。
他の人口餌も試しましたが、このプレコの餌がヒメタニシは一番お気に入りのようでプレコの餌を入れるとヒメタニシが寄ってきて好んで食べています。
メダカを一緒に飼育している方は、テトラが販売している【テトラキリミン】などもヒメタニシはムシャムシャ食べてくれるのでヒメタニシの餓死予防におすすめの餌です。
この餌(テトラキリミン)はペラペラの餌なので飼育水の中でフワフワ漂う感じなのですが、ヒメタニシはろ過摂食もしますので柔らかく細かくなった餌は口からだけでなくエラから上手に吸い込んで食べる事ができています。
実際に美味しそうに食べているのを確認していますし、400~500円程度で購入でき水も汚れにくい点でもおすすめです。我が家では、メダカ水槽にはテトラキリミンそれ以外はプレコの餌と使い分けています。
ヒメタニシの餌はコケ以外にも、このような人口餌で足りない分を補充してあげる事で無駄に☆になる数を最小限にする事ができます。
コケだけに頼っていると気が付いた時には、ヒメタニシの数を減らしてしまう事になりますので餌不足による餓死には充分注意してあげましょう。
餌についてふれてきましたがヒメタニシはコケや人工餌以外にも、実は【キャベツ】などの野菜や【昆布】なども食べます。詳しくは下記ページもご参照ください。
カルシウムを添加する際の注意点
ヒメタニシを問わず水槽にカルシウムを添加する際には、下記のような点にも注意しましょう。
phショック
まず注意する点として【phショック】です。
つまり現時点の水質に配慮する必要があります。特に水質が酸性に傾き過ぎている場合は、KHが0もしくはKHが0付近になっている場合もあります。
この場合カルシウムなどを一気に添加してしまうと、水槽内ではphショックが起こり生体が☆もしくは全滅するリスク大です。ついさっきまで元気だった生体が大量に☆になるのは、このような水質の急変が原因です。
酸性に近い水質はヒメタニシにカラを溶かすリスクだけでなく、KHの数値しだいではphを上げてしまう事で【pHショック】が起きる可能性がある事を加味しておく事で事前にリスク回避をする事ができます。
硬度を上げる要素(石など)が何もなく、底砂にソイルに水草だけ入れている場合や酸性雨が入るような屋外での環境化は水質が酸性に傾いている可能性も高いです。
KHとは?
KHとは何なのか?
KHはPHを調整する働きがあり、仮にPHを下げる要因が水槽内に入ってきてもKHがあるお陰でPHが急激に変化する事はありません。
しかしKHが少しでもあるうちは良いのですが万が一KHが0になってしまうとPHを調整する事ができず、このタイミングでPHを変化させてしまう要因が水槽内に投入されてしまうと【PHショック】が起きるわけです。
よって水槽内に石など硬度を上げるような要因が何もない水槽は、いつPHショックが起きてもおかしくはありません。
とは言えあまり難しく考える必要はありません。KHは水替え時にも水道水からも補われます。ただKHは常に消費されるものだと言う事を念頭に入れておかれると良いでしょう。
下記は、【kh】だけ測りたい時に便利です。毎回測る必要はありませんが、定期的に測定した方が良い項目になります。
夏場のカルシウム添加は特に注意
夏場のカルシウム添加は特に注意が必要です。
phを上げるために、カキ殻をヒメタニシ水槽に入れられる方も多いかもしれませんね。しかし夏場にphを上げる行為は注意が必要です。
カキ殻は確かにphを上昇させるのに向いていますが、夏場は水槽内の水温が上昇しますのでカキ殻等でphを上げてしまう事で飼育水のアンモニア濃度が上昇しやすくなるためです。
これはヒメタニシにとっては非常に危険で、最悪☆になってしまうリスクを秘めています。
良かれと思い入れたカルシウム添加が、本末転倒にならぬよう注意しましょう。
カキ殻などのカルシウムを添加する際は、飼育水の水質(phやkh)そして高水温になっていないか?などにも配慮する事で失敗がなくなります。カルシウムはカキ殻以外にも、良く煮沸消毒した卵の殻などでも代用可能ですょ。
ただしカルシウムを添加する際は、少しづつ様子を見ながら行いましょう。
ヒメタニシQ&A
ヒメタニシを飼育する際に疑問に思う事は、上記以外にもあるかと思いますのでQ&Aでさらに補足させて頂きますね。ヒメタニシの事をいろいろ知る事で、ヒメタニシが生育しやすい環境によりいっそう近づける事ができるようになります。
アオミドロ 食べる?
ヒメタニシはコケだけでなく、厄介なアオミドロや藍藻をはじめ珪藻類・糸状のコケや黒ヒゲゴケ・そして斑点状のスポットゴケ・水槽立ち上げ初期で出る茶ゴケなども食べてくれます。
それ以外にも、ろ過摂食によりシアノバクテリアやグリーンウォーター(アオコ)などもエラから吸い込み水を綺麗(透明)にしてくれる事から、水槽だけでなくビオトープにもヒメタニシを入れられる方は多いです。
いろいヒメタニシが食べるものをあげさせて頂きましたが、好んで食べるものやそうでないものもあります。またあの厄介な黒ヒゲゴケなども食べますが、すべて綺麗に食べると言うよりは多少の食べムラもあります。
とは言え、トータル的に見てもいろんな種類のコケを食べてくれる事には変わりありませんので【コケ取り部隊】としてはとても優秀と言えましょう。
※アオミドロなどの藻類やコケ類は、水槽管理の場合ライトの点灯時間が長過ぎたり光量が強いほど生えやすくなります。ビオトープの場合だと、1日中太陽光に当たっているような場所はコケや藻だらけになるので様子を見つつ置き場所にも注意したいところですね。
水草は食べる 食害する?
ヒメタニシは水草を食べるのか?水草水槽にヒメタニシを導入された場合は心配になりますよね?
しかし、ヒメタニシは基本的に水草を食害する心配はありません。水草を食害すると言うより、弱って溶け始めた水草であったり極端に餌が足りていない場合は生き抜くために水草を食べてしまう事も考えられますが基本的に水草を餌にしているわけではない!と言う事です。
水草を食害されない為に、ヒメタニシが食べるコケ等が少ないと考えられる場合は人口餌で水草の食害を最小限にする工夫が必要です。
※基本的にヒメタニシが水草を食害する事はありませんが、誤ってジャンボタニシを入れてしまうとジャンボタニシは水草を食害してしまいます。またジャンボタニシには、ヒメタニシのような水質ろ過能力もありませんので誤ってジャンボタニシを採取してしまう事はないよう充分注意する必要があります。
ヒメタニシ動かない原因
飼育しているヒメタニシが動かないと心配になりますよね?
動かない理由① 特に心配いらない場合
ただ寝ているだけzzz動いていない時間帯は昼間の場合は、ただ寝ている場合もあります。それと言うのもヒメタニシは、夜行性なので夜間に活発に活動するからです。ですのでお昼間の時間帯は、あまり動きはみられない事も多いです。
動かない理由② 深刻な場合
・ヒメタニシが食べる餌は充分にありますか?
・水質の問題(水質が酸性に傾き過ぎてはいませんか?)
・高水温になってはいませんか?(夏場は特に注意)
・酸欠など
ヒメタニシのような貝類はこのような環境トラブル時には大きなストレスが原因で、貝のフタをしっかり閉じジッとしている事が多くなります。まずはこれらの問題を順番にチェックし改善していきましょう。よってヒメタニシは、水質汚染の指標にもなります。
水槽内にいろんな生体を入れていると、ついついヒメタニシ以外の生体の方に意識が向いてしまいがちですが、同居人でもあるヒメタニシの様子も普段からチェックしてあげる事で、手遅れで☆になるヒメタニシを減らす事ができます。
例えば動かない?だけでなく、水面付近にヒメタニシが集まってきたり、貝のフタを固く閉じてしまっている?なども環境が変化した重要なサインになる事もあるので、このようなサインも見逃さないようにしましょう。
水温に関しては高水温にならないよう、普段から水温計を設置し管理しておくと良いでしょう。餌が足りないようなら人口餌も検討されると良いですね。酸欠ならエアレーション、水質を疑うのであれば水質チェックや水替えを検討しましょう。
ヒメタニシの水質浄化能力や実際のリアルな繁殖力については、下記をご参照ください。
https://mizukusasuisou.com/hymetanishi-water-purification-breedingヒメタニシはメダカとの相性も抜群!
ヒメタニシはメダカ水槽との相性も抜群な理由として、ヒメタニシとメダカは似たような環境を好む点にあります。元々ヒメタニシが生息する環境と照らし合わせても、ヒメタニシが生息する場所にはメダカの姿もあります。
同じような環境に生息している生体同士なので、どちらかの生体に環境を合わせる必要もありません。
またヒメタニシとメダカは好む環境が似ているだけでなく、お互いが干渉しない点でも相性が抜群と言えましょう。お互いに無関心なため傷つけ合う心配がない点は、同居させる上で重要な要素なのです。
そしてヒメタニシはメダカ水槽のコケだけでなく、餌の食べ残しや濾過摂食により飼育水の汚染を防ぐと言う嬉しいメリットもあります。
またそれだけでなくヒメタニシがメダカを襲うなんて心配は一切ないため、安心してメダカ飼育をする事ができる点も大きいでしょう。さらにヒメタニシはタニシの中でもサイズが小さいので、景観を崩しにくい点にも着目したい点ですね。
ただし、ヒメタニシとメダカを同居される際の注意点もあります。それはヒメタニシは大食いなので、水槽内に充分な餌がないと餓死してしまう点です。万が一ヒメタニシは餓死してしまうと、水槽内が一気に汚れたちまち悪臭を放ちます。
水質浄化でヒメタニシを入れたはずのに、逆に水槽内を汚染させては本末転倒ですよね?
よってメダカ水槽にヒメタニシを一緒入れる際には、ヒメタニシの適正数を考慮する他に餌不足による餓死を防ぐ事も大切です。
またヒメタニシは水質浄化能力に優れていますが、それなりに排泄物の量も多いと言うデメリットもあります。しかしこれらの排泄物は、水草等を入れていれば微生物が分解した後に水草の栄養源として使われます。
よってメダカやタニシを入れられる水槽には、水草も一緒に入れる事で自然の水質浄化サイクルができやすくなりおすすめです。
ヒメタニシはメダカの卵を食べるのか?メダカとヒメタニシの混泳については下記ページもご参照ください。
混泳向きだけど注意が必要
ヒメタニシは混泳向きではありますが、中にはヒメタニシを捕食してしまう生体もいますのでその点は注意は必要ですね。口に入るものは何でも食べてしまう生体もいますからね(;^_^A
ヒメタニシが他の生体におびえる事なく同居させるには、ヒメタニシが潜る事ができる底砂を厚めに敷いてあげる事で、ヒメタニシは潜って隠れる事ができますしストレスも軽減されベストと言えます。
ヒメタニシは混泳が可能な貝ではありますが、混泳させる生体の相性も考慮してあげると良いですね。
まとめ
水槽でヒメタニシを飼育する際は、最適な水温であったり水質・適性な数・餌不足による餓死に注意が必要です。
- ヒメタニシの適正水温は、18~28℃(高水温には注意)
- 水質は酸性に傾き過ぎない事(おすすめは中性~弱アルカリ性)
- 潜りやすい底砂(荒木田土などがおすすめ)
- カルシウムや餌不足に注意(殻が溶けると致命的)
- メダカとの相性は抜群(混泳向き)
- カルシウムを添加する際はphショックに注意しよう
水槽でのヒメタニシ飼育は、初心者の方でもチャレンジしやすいです。
ヒメタニシはジャンボタニシのように水草を食害する心配もなく、水槽内の藻やコケを食べキレイする嬉しいメリットがあります。
そしてヒメタニシは水質のバロメーターにもなり、水質が悪化するとひっくり返ったり動かなくなる場合もあるためこのような不調は見逃さないようにしましょう。
また混泳向きな生体も多く混泳向きですが、ヒメタニシを捕食してしまう生体もいるのでその点も注意が必要ですね。
中でもおすすめはメダカです!メダカとの相性は抜群ですので、メダカ飼育されている方にもヒメタニシはおすすめの生体と言えましょう。
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