水草水槽の立上げ準備

水槽 立ち上げ!バクテリアは必要? おすすめの増やし方や確認方法はある?

今回は、バクテリアに焦点をしぼってお話していきたい思います。

バクテリアについては賛否両論あり、水槽 立ち上げ時にバクテリア剤は必要なのか?などいろいろ疑問が出てくる所ですね。

結論から言うとバクテリアは自然繁殖が可能です。よって市販のバクテリア剤は必須ではありません。

とは言え使い方によっては便利な時もありますので、臨機応変に取り入れられても良いでしょう。

ただしバクテリア剤を入れる際は注意した方が良い事もあります。せっかくの効果を半減させないよう、バクテリアの力を最大限に引き出せる使い方をする事がキモとなります。

それではおすすめのバクテリアの増やし方や、バクテリアが増えたのかどうか?その確認方法についてもふれていきます。

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バクテリアとは?

そもそもバクテリアとは何なのか?バクテリアは細菌の事を指しています。水槽内には、あるとあらゆる菌が常に増殖を繰り返しながら発生しています。

増殖スピードがゆっくりなもの、速いもの、生体にとって有益なもの、そうでないものといろいろな菌が混在しています。そして、これらの菌を総称してバクテリアと言います。

バクテリアは世界中の身近な場所に存在しています。河川などの環境改善や人体に良い影響を与える反面、逆に食べ物を腐敗させたり病気の原因となるのもこのバクテリアです。

アクアリウムをする上で重要な役割をするバクテリアは大きく【有機物分解菌】と【硝化菌】に分けられます。何か違うのかと言うと、これらはそもそも分解する物が違います。

水槽内ではこの2種類のバクテリアのバランスが生物濾過にはとても重要で、水の透明度や汚れぐあい、また生体の健康状態はバクテリアにより左右される部分になります。

有機物分解菌

有機物分解菌

【有機物分解菌】は、魚のフンや残り餌、木の葉・マジックリーフなどを分解します。これらが有機物分解菌により分解されるとアンモニア(NH3)になります。

しかし、このアンモニアが水槽内に蓄積してしまうと嫌な悪臭が出たり、生体が炎症などダメージにつながります。そこで出番となるのが下記で紹介する硝化菌です。

硝化菌

硝化菌

【硝化菌】は、主に水槽内で有害となるアンモニアを分解し、亜硝酸(NO2)にする働きをする【ニトロソモナス菌】と・・

さらに亜硝酸を分解し、やがては【ほぼ毒性のない硝酸塩(NO3)】に分解する働きをする【ニトロバクター菌】がいます。

これらは生物濾過をする上で重要な役割を果たす【硝化菌】言われるバクテリアになります。

しかし硝酸塩はこれ以上の分解はされません。つまり水槽内に硝酸塩だけがどんどん蓄積していく事になります。【ほぼ無害を言われる硝酸塩】ですが、硝酸塩だけどんどん増え過ぎてしまうと水質に大きく影響を与えてしまう事になります。

そこで【水替え】で硝酸塩を外に排出すると言う流れが出来上がるわけです。

好気性バクテリアと嫌気性バクテリア

好気性バクテリア&嫌気性バクテリア

バクテリアの中でも【有機物分解菌】や【硝化菌】は酸素を必要とする好気性バクテリアなので、酸素がなくなると餓死してしまいます。

逆に酸素がなくても生きていけるバクテリアを嫌気性バクテリアと言います。酸素を嫌う【偏性嫌気性菌】と酸素の有無の左右されない【通気嫌気性菌】に分けられます。

水槽内ではこの嫌気性バクテリアの中でも、【通気嫌気性菌】がとても重要な働きをします。

本来【硝酸塩】は水替えでしか外に排出できないのですが、通気性細菌はこの【硝酸塩】を窒素に変え排出する事ができる救世主的細菌なのです。これは通気性嫌気性菌による【脱窒】作用によるもので、生物濾過の過程でも重要な役割をします。

生物濾過が完成するまでの流れ

バクテリア6

まず水質改善で重要な役割をする【硝化菌】ですが、実は浮遊性のバクテリアなので自らの力で水槽のどこかに定着する事が不可能です。

つまり浮遊性なので水替えするたびに減少し、この時点で硝化菌は水槽内でフワフワと漂っているだけの状態なので水替えの度に排出されてしまいます。

しかし有機物分解菌によりバイオフィルムと言う薄い膜のようなものが形成されると、浮遊性の硝化菌はこのバイオフィルムに吸着されます。

こうしてバイオフィルムに定着した硝酸菌は、住処となる場所を確保できた事で流されるリスクがなくなり安定的増殖が可能になります。

つまり、生物濾過の順番としてはまずは有機物分解菌が増殖しバイオフィルムを形成するのが先と言う事になります。その次に吸着性のあるバイオフィルムにくっついた硝化菌が定着し増殖を加速させていきます。

こうして有機物分解菌と硝化菌がバランス良く共存する事で、生物濾過による自然浄化が完成すると言う流れになります。

一連の流れで生物濾過が一度完成すると嫌な臭いもしなくなり、水の透明度が格段と上がります。つまりバクテリアによる生物濾過が完成し、生体を入れても安心な水質になったと言う事を指しています。

水槽立ち上げ時バクテリア剤は必要?

バクテリア剤は生物濾過を後押しし、水槽の立ち上げを加速させてくれます。

しかしバクテリアは放置しておいても自然繁殖するものなので、必ずしもバクテリア剤が必要になるわけではありません。つまり必要に応じて、市販のバクテリアの力を借りる感じになりますね。

どちらの方法を取るにしても水草や生体へのリスクを軽減し、透き通った安心で安全な水にする為にはバクテリアの存在は大きいものです。

立ち上げ直後のバクテリアが少ない水槽は、水カビが生えやすく生体が出すアンモニア成分(NH3)が水槽内にいつまでもある状態になります。このような環境化では、生体が炎症を起こすリスクも上がり水槽内では悪臭や白濁りなどのトラブルに直結していきます。

水槽立ち上げ初期にバクテリア剤を使用するのは水槽内立ち上げ直後のトラブル軽減や、できるだけ有益なバクテリアを優先的に増やし生体に有毒な亜硝酸塩を効率よくいち早く無毒化する役割もあります。

バクテリアと一概に言っても水を綺麗にしてくれる有益なもの、そうでないものなどが複雑に混在しています。これらが複雑に干渉し合いながらコロニーを形成していきます。

つまり水槽内の環境しだいでは、どちらの細菌が優勢になるのかはまだ分かりません。有益な細胞の方が劣勢になってしまうと、水槽から悪臭がしたり生体にも不利になります。

そのためできるだけ早い段階で有益なバクテリアを優勢にしておく事は水質の安定維持につながるのも事実です。と言うのも、途中でバクテリアの優勢度をくつがえすのは非常に困難だからです。

アクアリウムをされる方は、全くの初心者の方からベテランの方もいます。バクテリアを入れる人入れない人の違いも、早く水槽を立ち上げたい人・ゆっくりでも良いのでバクテリアを自然繁殖させたい人・など個々の環境によっても価値観が違ってくると言えましょう。

また他にも水槽を管理していて種水を確保しやすい人やベテランの人などは、バクテリア剤を全く必要としなかったり、そもそもバクテリア剤などは信用していない方がいても不思議はありません。

結論としては1か月くらい待てるのであれば、個人的にはバクテリア剤は使用せず自然繁殖で増やす方がお勧めです。

水槽立ち上げが初めての人はまずバクテリアが好む環境を整え、知り合いや信頼できるアクアリウム店で購入ついでに状態の良い水槽の種水を分けてもらう事ができれば有益なバクテリアを効率良く増やす事も可能です。

パキパキに仕上がった透明度の高い水槽を他にお持ちであれば有益な種水がすでにある訳なので、、そもそも【バクテリア剤】などは必要ないと言う事になります。

バクテリアの増やし方

バクテリア3

バクテリアは目に見えない小さな生き物です。とてもデリケートなので急激な環境の変化を嫌います。

バクテリアが好む環境もあれば苦手な環境もあります。ちょっとした事で餓死してしまう事もありますので、出来る限りバクテリアが好む環境に近づけてあげる事がキモでありバクテリアを早く増やす事にもつながります。

これは自然繁殖させる時だけでなく、バクテリア剤を入れる際も同様です。水槽内にバクテリアが入ってきた時に、水槽内がバクテリアの住みよい環境であるほど好ましいです。

バクテリアは【カルキ剤】や【phショック】【環境の変化】などエビ以上にデリケートで小さな生き物だと言う事を忘れないでください♡

バクテリアが好む環境にする

バクテリア2

下記はバクテリアが好む環境になります。

◆バクテリアは小さくとも生き物ですので、まずは他の生体や水草同様に必ずカルキ抜きしたお水を使用するようにしましょう。

◆水温は27度くらいをキープする事でバクテリアの活性がグンとあがります。水槽立ち上げの際も、ヒーターを入れ温度を一定に保つのがコツです。*水温が不安定だったり、冬場の水温低下はバクテリアの活性が弱まる原因になります。

◆エアレーションをし、好気性バクテリアが酸欠で餓死してしまわぬようにしましょう。

特に【有機物分解菌】や【硝酸菌】は、酸素がなくなると餓死してしまいます。水草水槽の場合は、水草による光合成作用により日中はエアレーションなしでもOKですが、夜間だけはバクテリアのためにエアレーションをしてあげるのが好ましいです。

◆水槽内に有機物・微量元素(特に炭素系)などバクテリアの餌になるものが必要!水槽内に入ってきたバクテリアが生き抜くには、水槽内にバクテリアの餌となるものが必要不可欠です。餌のない水槽内ではバクテリアは生きていけません。

◆バクテリアは酸性に傾き過ぎた水質を嫌います。弱酸性~中性を目安にすると良いでしょう。

◆バクテリアが定着出来る場所を作ってあげる。底砂は多孔質なものがおすすめです。例えばソイル、溶岩石、セラミック製などは表面積も多くなるので、バクテリアが定着しやすくなります。

◆フィルターもバクテリアにとっては重要な住処になります。フィルターを設置し、バクテリアの棲家を増やしてあげましょう。フィルターは出来れば大きめで、フィルター内にはできるだけ沢山の濾材(特に多孔質)が入るものほどバクテリアの住処が増え繁殖に有利です。

バクテリアを自然繁殖させるには?

まずは、上記で説明させて頂いた【バクテリアが好む環境を整える】のが先です。次に有益なバクテリアをどう発生させるのか?ですが、心配いりません。

バクテリアは特に何もしなくても自然と水槽内に入ってきて、何をせずとも勝手にどんどん繁殖しますので問題ないのです。

例えばバクテリアは空気中にも存在しますし、購入した水草にもバクテリアは住み着いています。増殖スピードを加速させるのであれば、別水槽から種水や濾材をもらうのが一番手っ取り早く有効です。

そんなものないよと言う方は、上記でも少しふれましたが信頼できるアクアショップで状態の良い種水を分けてもらうのがお勧めです。

さらにどんなフィルターを使用するのか?と言う点も、実はバクテリアの増殖スピードに影響してきます。

バクテリアが好む環境や条件さえ揃えば、バクテリアはどんどん増えていきます。一番重要なのはバクテリア剤に頼らなくても、バクテリアが自然繁殖できる住み良い環境を作ってあげる事が最優先となります。

環境を整えエアレーションした状態で、そのままカラ回し運転を続けます。1~2週間もすればバクテリアも水槽内でどんどん増殖を開始します。水槽から嫌な臭いがせず、透明な水になっていけば有益なバクテリアが順調に増えているサインです。

逆にまだ水槽が臭い場合や水カビなどが生えるような場合は、まだ水槽が立ち上がっていない証拠です。バクテリアが増えるまでは、気長に待ちましょう。

このようにバクテリアは、水槽などの環境によって定着スピードが違ってきますので焦る必要はありません。水槽が立ち上がる目安としては、最低でも1か月~1か月半くらいは見ておくと良いでしょう。

注意点としては、バクテリアがしっかりと繁殖するまでは水替えは控える必要があります。どうしても浮遊性の硝酸菌のようなバクテリアは定着するまでは水槽内でプカプカと浮いているだけだからです。

水替えしてしまう事で、これらのバクテリアを一緒に外に排出してしまう事になります。これは非常に勿体ない事ですので注意しましょう。

◆番外編として・・・

浮遊性の【硝酸菌】は有機物分解菌が形成するコロニー(バイオフィルム)が形成されないと定着する事ができませんが、バイコムさんが出している【バイコムバフィー】をフィルター内に仕込む事で硝酸菌の定着率が格段と上がります。

*硝酸菌は有機物分解菌が作るバイオフィルムが形成されてからでないと定着できませんが、このフィルターがバイオフィルムの代役となり早期の段階で硝化菌の増殖を手助けします。

必要なバクテリアの確認方法

必要なバクテリアの数が増えたかどうかの確認方法です。まず生物濾過が成功すると、立ち上げ当初と比べると視覚的に透明度の高いお水になった事を実感できます。

さらに水槽内に嫌な悪臭・水カビ等の発生など特にトラブルがないようであれば視覚的には水槽が立ち上がったと言えましょう。

そこで本当に生体にとって安全な水になったのかどうか?は検査キットを使用する事で確認する事ができます。

必要なバクテリアが増える事で、アンモニアと亜硝酸は検出されなくなり硝酸塩だけになります。硝酸塩だけになると、ようやく水槽が立ち上がり生物濾過が上手く行っているサインになります。

ただし注意点もあり、今後お迎え予定の魚の数も考慮していく必要があります。水作りが成功したとは言え、この段階で大量の生体を一気にお迎えするのはNGです。魚の数を増やすと言う事は、さらにバクテリアの数もそれに準じて増やす必要があります。

魚は少しづつ増やしてあげないと、バクテリアによりアンモニア&亜硝酸の分解が追い付かなくなる事だけ覚えておきましょう。水槽内に、分解しきれない有機物が増えると、苔も同時に増えてしまいます。

バクテリアがさらに多く繁殖すれば、その分飼育できる生体の数も増やす事ができると言うわけです。魚と一緒にバクテリアも飼うようなイメージでいれば、恐らく失敗はないでしょう。

バイオフィルムと水カビは別物

バイオフィルムと水カビは混合されやすいですが、全くの別物です。バイオフィルムは細菌ですが、水カビは真菌になります。万が一、水槽内に水カビは出てしまった?場合は、生物濾過に必要なバクテリアがまだ足りていない!つまり水質が安定していないと思って良いでしょう。

バクテリアによる生物濾過がしっかりできるようになれば、水カビの原因物質も減るので自然と水カビも消滅していきます。

水カビは見ためも悪いですし、生体にも悪影響を与えます。水カビ予防としては原因となりやすい残り餌を綺麗に取り除き、水質浄化に必要なバクテリアを増やしてあげる事が水カビ対策の近道にもなります。

下記を参考に水槽内の白いもの?が、バクテリアなのか?水カビなのか?をしっかりと見極めて必要な対策をしていきましょう。

バイオフィルムとは?

バイオフィルムとは?バクテリアが増殖する事で形成される粘膜のようなものです。水槽内のガラス面やパイプの内側、温度計、吸盤、石などにつくヌルヌルしたものがこのバイオフィルムの正体です。

この中には好気性や嫌気性のバクテリアも混在し、他にも多数の菌が寄り集まり共存しながらバイオフィルムと言われる膜が形成されています。しっかりとバイオフィルムが形成された水槽内は、生物濾過により水の透明度が格段と上がってきます。

*水槽内が高栄養になり過ぎてしまうと、バクテリアが異常な速さで増え過ぎる事があります。バクテリアのコロニーが目にみえるくらい増え過ぎると、どうしても景観を崩してしまう結果になります。栄養過多は、苔の原因にもなりますので注意していきたいところです。

水カビとは?

水カビとは真菌であり、見ため的には【白いふわふわしたもの】【もやもやしたもの】の正体は水カビです。食べ残し餌や生体の死骸、流木、栄養系ソイルなど有機物の多いものは水カビがつきやすくなります。

これらに糸状だったりふわふわした白いもの(水カビ)がついているのを見た事がある方も多いのではないでしょうか?
つまり栄養があるものに、水カビはくっつくのでどんな場所についているのか?と言う点も、水カビとバクテリアを見分ける判断材料になります。

つまり、吸盤や温度計、ガラス面、石などは、バクテリアによるバイオフィルムはできますが、これらの場所は栄養がある場所とは言えないので水カビではないと言う事です。

特に水カビは、水槽の立ち上げ直後に発生しやすくなります。つまりまだ水質が安定していない水槽と言う事になります。

水カビが出てしまったら?

もし水カビが出てしまった場合は、水替え時に掃除用のホースで水カビをマメに吸い出してあげましょう。これは一時的な対処法にはなりますが、バクテリアが増えて水槽が完全に立ち上がってしまうと、水カビは自然に消失していきます。

ただしそれまで待てない!と言う場合の解決策としてはヤマトヌマエビを入れて水カビを食べてもらいましょう。もしくは、市販のバクテリアを入れて水質改善してあげるのが最も近道になります。

水槽内の白い浮遊物って何

底砂の汚れや石から出る砕粉、灰汁、埃、微生物、フィルターを通過してしまうゴミなどの汚れ、バクテリアの死骸もしくはバクテリアの集合体などが考えられます。

バクテリアの死骸

バクテリアが増え過ぎた際の死骸、酸欠状態になったバクテリアの死骸、これらを餌にするバクテリアのコロニーなどが白い浮遊物をして現れる事もあります。

夏場の高水温など何らかの環境の変化等で大量にバクテリアが死骸となる事で、普段は見えないバクテリアが白い浮遊物になったり【油膜】や【水槽内が白濁り】する事で死骸が目に見える形で現れるようになります。

バクテリアが大量にロスしてしまうと、水槽内の環境は一変し悪くなってしまいます。バクテリアが死骸となってしまった要因が必ずあるはずなので、心当たりを探ってみましょう。

おすすめのバクテリア(生物濾過バクテリア)

バクテリアはただ水を綺麗にするだけでなく生体に有益なバクテリアを、より優勢にする意味でも効果的です。人間の腸内でも善玉菌と悪玉菌がいるように、水槽内でも生体に良いバクテリアが優勢であるに越した事はありません。

下記は、生物濾過に貢献してくれるおすすめのバクテリア剤になります。

すごいんですバクテリア

◆有機物分解菌◆が休眠状態で入っています。

こちらの【すごいんですバクテリア】は、下記のような場合にお勧めです。

①これから新規で水槽を立ち上げる場合

②水槽の濁りや、水槽から悪臭がする時

【すごいんですバクテリア】の成分は、枯草菌(こそうきん)です。バチルス菌とも言われますが、普通に空気中にも存在する菌で【有機物分解菌】になります。水槽内で一番最初に定着させたい菌はまさにこの【有機物分解菌】です。

*枯草菌は、餌がない環境になると芽胞を形成し休眠する性質があります。

【有機物分解菌】は【硝化菌】が増殖しやすいバイオフィルムを形成し、生物濾過には欠かせない菌です。また枯草菌は水槽内の微生物や有機物を分解しながら増殖し、また枯草菌の増殖スピードは比較的早いのも特徴です。

水草や魚にとっても有害となる、底にたまった餌の食べ残しやフンなどは白濁の原因にもなります。水槽内の濁りを消し透明にしたい場合や、水槽内に腐敗臭を何とかしたいなどの場合は【すごいんですバクテリア】が効果的です。

有名メーカーのコトブキ工芸さんの商品なのですが、実際に効果を実感できたと言う声も多くリピ率も高く人気の商品です。

また100%天然成分なので、水質に敏感なエビへの悪影響が心配な方にも安心して使用できます。

枯草菌とは、私達の周りにも普通に存在する好気性の細菌の事を言い空気中や枯草などに存在しています。つまり空気中に飛散している雑菌の中にはこのような枯草菌なども含まれ、これらの雑菌が自然に水槽内に入りバクテリアが増える事も当然あるわけです。

ただし、必要数のバクテリアが増殖するまでにはやはり時間がかかります。

そこで時間をかけず早くバクテリアを増やしたい時には、やはり臨機応変にこのような市販のバクテリア剤を使用する事で水槽の立ち上がりが早くなるわけです。

枯草菌は生態系のバランスが崩れた河川の水質を改善する目的等、河川の環境改善にすでに活用されています。枯草菌じたいは効果も実証されている事から、100%天然成分と言う事もあり【すごいんですバクテリア】に関しても安心して使用できるバクテリア剤と言えます。

有機物分解菌が増えてバイオフィルムのコロニーができれば、さらに硝化菌の増殖の手助けにもなり水質安定につながっていく事でしょう。

バイコムスターターキット

◆【有機物分解菌】&【硝酸菌】◆が生きた状態で、それぞれ別々の容器に入っています。

こちらの【バイコムスターターキット】は、下記のような場合にお勧めです。

①これから新規で水槽を立ち上げる場合

②何らかの理由で水槽内の水を大量に換水した場合

※水槽内の大掃除で濾過材を洗ったり、新品の濾材と交換しバクテリアの数が大量に減った時など。

【有機物分解菌】と【硝化菌】が別々で密封する事で、バクテリア同士で干渉するのを防いでいます。

この【バイコムスターターキット】のデメリットは、お値段が高めなところでしょうか?

とは言え、バクテリア剤としては最強の組み合わせと言えます。

どのバクテリア剤にも言える事ですが、バクテリアを入れたからと言ってすぐに生物濾過が完成する訳ではありません。【有機物分解菌】と【硝化菌】が水槽内でしっかりと定着するのには、やはり一定の時間を要します。

ただし何もしないよりは、水槽の立ち上げが早くなります。

このようなバクテリア剤の効果としては、有害なアンモニアや亜硝酸を効率よく無害な硝酸塩にするメリットがあるので、早く魚を入れる事ができるようになると言う事になります。

よって1回バクテリア剤を入れたから終わりではなく、ちゃんとバクテリアが住処として水槽内に定着するまではコンスタントにバクテリア剤を投入する必要があります。

バクテリアがしっかりと定着し水槽が完全に立ち上がってしまえば、基本的にバクテリア剤はもう必要ありません。後は状況に応じて、臨機応変に使用する感じとなります。

Bio Digest バイオダイジェスト

◆硝化バクテリア◆が休眠状態で入っています。

こちらの【バイオダイジェスト】は、下記のような場合にお勧めです。

①水槽立ち上げ時

②水槽内に嫌な臭いする時

③魚を増やした時

④油膜やヒゲ状の苔対策

【バイオダイジェスト】はフランス製のバクテリアで、ガラスアンプルの中に生物濾過サイクルを作る15種類の【硝化細菌】【反硝化菌】【通気細菌】が1アンプルに500億個も入っています。

上記で紹介した【バイコムスターターキット】の場合は、生きたバクテリアが別々の容器に梱包されていますが、生きたバクテリアのため【有機物分解菌】と【硝酸菌】を一緒に混入してしまうとお互い干渉してしまうため別々の容器にする必要があります。

しかし【バイオダイジェスト】は不活性ガスの中に休眠状態で封印されています。

これはつまり、複数のバクテリアを同時混入してもバクテリア同士で干渉し合う心配がない!と言う事になります。よって劣化もなく、いつでも新鮮なバクテリアを水槽に添加できる点は大きなメリットと言えましょう。

バクテリア投入後は、速やかに生物濾過が始まり、最終的には反硝化菌の脱窒作用により水替えでしか排出できない【硝酸塩】も窒素に変換し排出します。

このように水槽内に窒素サイクルを作り水質改善するだけでなく、苔が生えにくくなり水面の油膜も取り除く効果があります。また病原菌が増殖するのを防ぎ、生体を病気から守るよう作用するなど幅広く効果を発揮します。

市販のバクテリア剤を定着させるまでの注意点

市販のバクテリア剤を使うにしろ、バクテリアが好む環境を作る事は大前提になります。それ以外に下記内容に注意しましょう。

・バクテリアの中には浮遊性のバクテリア(硝酸菌)もいます。バクテリアが定着する前に殺菌灯を使用してしまうと、浮遊性のバクテリアまで☆にしてしまいますので注意が必要です。

・市販のバクテリアの中には、生きた状態で封印されているバクテリアもあります。生きたバクテリアはしだいに減少するため、出来るだけ期限の新しいものを選びましょう。

・水草が入っている水槽の場合は、夜間だけでもエアレーションをしバクテリアの酸欠を防止しましょう。

・市販のバクテリアを使用する際は、入れ過ぎに注意しましょう。(詳しくは下記をご参照下さい)

アクアリウムで言う水槽が立ち上がるとは?

アクアリウムで言う水槽が立ち上がるとは?生体が安心して住める水質になった!と言う事を指しています。

アンモニアや亜硝酸が検出されなくなり硝酸塩だけになると水の透明度は格段と上がります。水がパキパキに仕上がるとか、水槽が立ち上がる!と言った表現がされる事もあります。

注意点としてはこれで水作りが終わりではなく、今後さらに生体を追加するのであれば、さらにそれに対応できるバクテリアの数も増やしていく必要があります。

そのため、生体はバクテリアの増殖速度に合わせ生体の量を検討していきましょう。

知って得するアンモニアの基礎知識

◆アンモニアの基礎知識◆

水槽内にアンモニアを分解するバクテリアの数が追い付いていないと、水槽内のアンモニア濃度が高くなってしまいます。

それでもPH(ペーハー)濃度が低いうちは【アンモニア】は【アンモニウムイオン】に変化するため、ほぼ毒性のない状態で存在するのですがPHが高くなってしまった時は非常に要注意です。

PHが高くなるとそれまで【アンモニウムイオン】だったものが、生体にとっても非常に毒性が強い【アンモニア】に変化してしまうからです。

つまりアンモニア濃度が非常に高くてもPHが低いうちは生体が元気なので気づきませんが、この状態でPH濃度が上げてしまうような事をしてしまう事でこれまで元気だった魚が一気に☆になってしまい危険です。

例えばPHの低い水槽にエアレーション(硬度上昇↑)をしたり、石・カキ殻・珊瑚・貝殻などの投入、水質調整剤や肥料の添加などを行うとPHが上昇するためPHショックの原因になります。

少し前まで元気だったお魚が、急に☆になってしまうのはPHの急上昇が原因かもしれません。

また検査薬でアンモニア濃度を測る際は、アンモニアとアンモニウムの両方を検出できる検査薬でないとアンモニアしか検出されなかったり正確な判断ができなくなるのでその点も合わせて注意しましょう。

バクテリア剤についてお話してきましたが、今後のアクアリウムライフの参考になりましたら幸いでございます☆彡

最後までお付き合い頂きまして、どうもありがとうございました(*_ _)

『水槽 立ち上げ!バクテリアは必要? おすすめの増やし方や確認方法はある?』の記事でした。

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