クリプトコリネ系の水草の面白いところは、やはりこの個性的なピンク色の葉っぱでしょうか?。水中と水上、そして光の強度によっても葉色に変化があります。環境しだいでいろんな顔をみせてくれます。
今回紹介する『クリプトコリネ フラミンゴ』は育成環境にも左右されるももの、育成環境を整える事で赤みのある美しい葉色を展開し水槽内を華やかに彩ってくれます。この名の通り鳥類のフラミンゴのカラーからきています。
『クリプトコリネ フラミンゴ』の新芽の形も特徴的で、細く丸まった葉っぱがフラミンゴの足を連想させるところから名前にも【フラミンゴ】がついています。
『クリプトコリネ フラミンゴ』は、水中でも水上でも育成可能です。クリプトコリネ フラミンゴの育て方を始め、水上育成(水上化)する方法や、育成する際の注意点として良くある【葉が溶ける原因?】についても解決していきましょう。
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クリプトコリネ フラミンゴ 育て方
流通名【クリプトコリネ フラミンゴ】
学名Cryptocoryne sp. 'flamingo'
(別名:クリプトコリネデナリー)
【クリプトコリネ フラミンゴ】は、東南アジアに分布しています。
サトイモ科のクリプトコリネ属になります。草丈は、10㎝~15㎝程度と比較的コンパクトなサイズ感で生長は遅めですね。
他の水草に比べてもやや気を使う品種ではありますが、少ない光量でも育成可能でco2添加も必須ではありません。
育成のコツをつかみ、クリプトコリネが溶けないように管理していきましょう。
『クリプトコリネ フラミンゴ』は、水質を含め環境の変化に敏感に反応する水草です。育成には他の水草よりも気を使いますがコツさえ抑えれば水槽内で美しい『クリプトコリネ フラミンゴ』観賞する事ができます。
まずは【水質を常に安定させる!】事が第一条件でとても重要になってきます!よって水質が不安定にならないように枯れた葉などは取り除き、底砂の汚れは水質が不安定になるのでマメに床砂は掃除しましょう。
エビなどの生体がいる場合は、残り餌なども水を汚す原因になってしまいますので注意が必要です。
また、水槽にレイアウトする際にしっかりと位置を決めて設置後はあまり移動しないようにしましょう。
レイアウトを変更する際に根を傷めたり、移動場所によっては光量も変わってしまいますのでクリプトコリネににとっては悪影響となります。
このようにクリプトコリネはデリケートな一面があり、根の扱いも根が傷まないように慎重に扱う必要があります。根の傷みはクリプトコリネにとって致命的になる事さえあります。
また、急激な水替えも当然のこと厳禁です。急激に水質が変わってしまう事のないよう面倒でも水替えは少量づつ行い、定期的に水質チェックをすると良いでしょう。
このように『クリプトコリネ フラミンゴ』はやや神経質な面を持ち合わせていますが、ここまで美しい葉色の陰性水草は珍しいのでアクアリウムをやるなら一度は挑戦してみたい水草でもありますね。
上記のようなキレイな濃い赤色の葉はとても美しいですね。もし『クリプトコリネ フラミンゴ』葉色をもう少し濃い赤色にしたいのであれば、高栄養にしないのもコツです。そして赤みが足りないと感じるのであれば光量を少しづつ上げてみましょう。
光量は、クリプトコリネの色素沈着を助け赤色を濃くするのに有効です。まずは、低光量から中光量にあげてみると良いでしょう。
上記も同じ『クリプトコリネ フラミンゴ』ですが、赤みは少なく濃いオリーブ色をしています。生育環境でこのように葉色にも違いが出てきますので、逆に葉色の変化を楽しむのも面白いかもしれませんね。
クリプトコリネに使う照明ですが、光の三原色である赤色、青色・黄色を別々に照射できるRGBライトなどがおすすめです。RGBライトは天然の太陽光よりも水草の最適化された理想の光を照射する事ができるライトです。
『クリプトコリネ フラミンゴ』を美しい色鮮やかな赤色にするには様子を見ながら光量を上げる事以外に、【co2添加】がやはり一番有効な方法となります。キレイな葉色に仕上げるのであれば、co2なしではやはり限界があります。
co2添加は、『クリプトコリネ フラミンゴ』を元気に育てるためにも有効ですので、余裕があればこの機に検討してみるのも良いかもしれませんね。
クリプトコリネ フラミンゴの活着
クリプトコリネ フラミンゴは、実は活着根がないので石や流木に活着する水草では残念ながらありません。ミクロソリウムのように、石や流木に巻き付けたとしても上手く育たない事も多いので、ポットに植えつけるか?直接、土の中にレイアウトする形になる事が多いですね。
底砂は、大磯砂や田砂などがお勧めです。
クリプトコリネ フラミンゴの増やし方・株分け方法
『クリプトコリネ フラミンゴ』は、地下茎(ランナー)を伸ばしながら生長します。しっかりと生長した親株の『クリプトコリネ フラミンゴ』のランナーを適当な所でカットし株分けして増やす事ができます
トリミングでカットした、ランナーなども捨てずに差戻し増やしていきましょう。
水上育成(水上化)方法
『クリプトコリネ』は、水上化する事でお花が咲くようになります。どんなお花が咲くのかは品種によりますが観賞する楽しみが増えますね。それでは水上化する方法です!
水上化の方法その①
用意するものは、フタ付きのケース、ポット、赤玉土(小粒)もしくはソイルです。
水上化に使うケースはフタ付きのものが好ましいです。衣装ケースなどのプラケースでも構いません。寒い地域の場合でしたら発砲スチロールでも良いですね。
購入した『クリプトコリネ』は、スネールなどの虫がついている場合もあるので良く洗っておきます。この時スポンジなどは根を傷めないようにキレイに外し、ポットに植えなおします。土はソイルや赤玉土でOKです。
用意したケースにポットが3分の1くらい浸かる程度の水を入れて、その中に先ほど植えたクリプトコリネをポットごと入れます。(上記画像をご参照ください。)
最後にフタをかぶせ、そのまま明るい室内に置いておくだけとなります。注意点として、直射日光にだけは当たるような場所だけは避けましょう。
腰水状態での管理になりますが、この時あまり水深が深くなってしまうと根腐れを起こしたり生育不良につながりますのでポットの3分の1くらいを目安とします。もし、水が減ったら足し水をします!
腰水管理する際の注意点として植物は呼吸していますので、根には老廃物がたまりやすくなります。根が呼吸できないと根腐れの原因にもなりますので、水が腐らないように定期的に新鮮な水と入れ替えましょう。
根腐れ対策として、ゼオライト(根腐れ防止剤)などを入れ水が腐らないよう管理するのも良いでしょう。
水槽上部にワイヤーネットなどを引っかけて、腰水管理しても良いですね。
水上化の方法 その②
用意するものは、フタ付きの瓶(100均のでOK)、赤玉土(小粒)もしくはソイルです。
瓶に、赤玉土もしくはソイルを入れ底砂がややヒタヒタになる程度の水を入れます。
↓こんな感じですね
ここに、用意した『クリプトコリネ バランサエ』を植え付けます。
最後にフタをかぶせたら終了です。フタは完全密封にはせず上にポンを乗せておく程度にしておきましょう。
置き場所については、管理している水槽があればその横に並べておくのも良いです。
水槽からこぼれた光で充分です。もしくは直射日光の当たらない明るい室内でフタをしたまま置いておくだけです。とても簡単に水上化できますので、ぜひお試しください^^
水はあまり減らないと思いますが、もし減った場合は足し水をして下さい。
フタをしたまま管理する事で、ケースまたは瓶の中には湿度が保たれた状態となり半水上化状態となります。この方法は、水草(水中葉&水上葉)を一時管理するのにも向いています。
いずれ水中葉として水槽に戻すのであれば、それまでは瓶のまま管理しても良いですし、もしここから完全に水上化する場合は、あるていど生長し株に勢いがついた頃がベストです。定期的に少しづつフタをずらしながら湿度を低くしていくのがベストです。
いきなりフタをあけたまましてしまうと、萎れてしまいます。理由としては、この時点ではまだ半水中葉だからです。ここからは少しづつ湿度を低くし水上に慣れさせていく必要があります。
注意点として、気温の変化が激しい季節や冬場などはヒーター管理された方が安心です。ヒーター入れた水槽に浅く水をはり、瓶ごと入れて保温しながら管理すると良いでしょう。
葉が溶ける原因とは?
クリプトコリネは、環境の変化に敏感でストレスを感じやすい水草です。ゆえに、急激な水質の変化には敏感に反応してしまう傾向があります。まるでエビのようにデリケートなところがあるので少々気を使う品種でもありますね。
例えば買ってきた『クリプトコリネ』を、立ち上げ間もない水槽に入れてしまうのもNGです。立ち上げたばかりの水槽は、まだバクテリアも少ないですし『クリプトコリネ』にはストレスなだけですので高確率で溶けてしまいます。
クリプトコリネは、とても神経質な水草なので3週間~1か月くらい水槽の試運転してから入れた方が良いでしょう。
ただし、この溶けると言う現象は生きるために葉を再生させようとする、いわば自然現象のようなもので環境の変化に順応する能力が高いともとれます。いったんは溶けてしまいますが、この現象は新たに新しい葉を再生するための準備段階のようなものです。
溶ける?=枯れると悪いイメージを想像しますが、クリプトコリネに関しては決してそうではないと言う事です。例えば、休眠前にいったん溶けてしまう場合もありますし、この場合も自然現象の範囲内ですので心配いりません。
ただ溶ける原因が根腐れである場合は別です。基本的に葉が全部溶けても地下茎さえ元気であれば、しばらくすると新芽を出してきます。
葉っぱが溶ける原因としては、やはり環境の変化が一番多い原因ですが『クリプトコリネ系』は自生地のデーターも多くないゆえにまだ分からない部分も多いのがネックでもありますね。
確認できる事としては水質がアルカリ性に傾き過ぎていないか?水槽内に汚れがたまり過ぎていないか?急激な水温変化はなかったか?前回の水替え時期や、光量もあまり必要ないとは言え、少な過ぎてもよくありません。
また、水の流れが滞ってはいないか?なども確認し、問題なければしばらくはそのまま放置で様子をみましょう。下手の掘り起こしてしまうと根にダメージを与え本末転倒になってしまう場合もあります。クリプトコリネが溶ける事は、実は比較的良くある事なのであまり神経質になる必要はありません。
そして溶けてしまった葉ですが、残りの葉にも影響が出ないよう見つけ次第取り除く必要があります。手で取り除くのは難しいので、水作プロホースなどを使い溶けた葉を吸い上げるのが良いでしょう。
日常の管理としては、クルプトコリネにストレスをかけないような水槽管理をし、定期的に水質チェックをしておくと良いでしょう。
クリプトコリネ フラミンゴのレイアウト
クリプトコリネ フラミンゴの魅力は何といってもこの葉にあります。レイアウトも、上記のようにピンクに染まった葉がより強調されるように、バックに緑色の水草をさりげなく置くことでより一層、『クリプトコリネ フラミンゴ』のピンク色の葉が引き立ちますね。
『クリプトコリネ フラミンゴ』の葉は本当に美しく見ごたえがあります。まだ挑戦していない方は、ぜひ一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
それでは、最後までお付き合い頂きましてどうもありがとうございました。引き続き素敵なアクアライフをお楽しみください(⋈◍>◡<◍)。✧♡n