水草の調子とろ過バクテリアの関係
水草育成の設備はアクアリスト上級者と同じものを揃え、書籍に書いてあるとおりにセオリーを守りセットしたのに数日経つとなんだか水草の調子が悪いなんて思いをしているアクアリストも多いはずです。
確かに上級者の方と同じ設備を整えれば水草を元気に育てることはできます。しかしそれはあくまでも設備が整った段階でありここから水草に最適な環境を作り上げていかなければならないのです。それがアクアリウムでよく言われる水作りです。その水作りに大きな役割を果たしているのがろ過バクテリアの存在です。
ろ過バクテリアとは非常に小さな単細胞生物で数ミクロンほどの大きさで水槽内の水草の枯葉や熱帯魚の糞などを分解し水質を保つ働きをしています。
ろ過バクテリアには大きく分けて従属栄養細菌と独立栄養細菌があります。まず従属栄養細菌の仲間である通性嫌気性バクテリアが有機物(熱帯魚の糞など)を0.45ミクロン以下に分解し水溶化します。この作業には酸素は必要ありませんのでエアレーション等はなくても問題ありません。
次に好気性バクテリアが高分子有機物を低分子有機物に分解します。この作業には酸素が必要となりますのでエアレーションなどが効果的となります。アミノ酸などの低分子有機物はアンモニアや二酸化炭素、水、リンなどの無機物にさらに分解されます。このときに発生するアンモニアが生態にとっては非常に有毒な物質になります。
このアンモニアを除去するために必要なバクテリアが独立栄養細菌の仲間である硝化バクテリアのニトロソモナスです。ニトロソモナスがアンモニアを亜硝酸塩に分解しその亜硝酸塩を今度はニトロバクターという硝化バクテリアが硝酸塩に変化させます。
硝酸塩は水草や苔の栄養となり吸収されます。また水草などの吸収量よりも多くなることを防ぐために水替えを行い水槽内から排出する作業が必要となってきます。
ここまでの一連の流れが目に見えないレベルで繰り返し水槽内で行われています。よってろ過バクテリアが不足していれば必然的にこの流れ作業は滞ってしまいます。その滞った作業によって水質は悪化し水草の成長を阻害していきます。
人間で考えると水草は流れ作業を行っている労働者の一人と考えられます。この流れ作業がスムーズに流れれば仕事もはかどり水草も元気になるという仕組みです。これが水草の調子とろ過バクテリアの関係です。
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